2009年7月27日月曜日

7/27 スプリングボックスvsオールブラックス 第1戦 観戦記

 南アフリカ=スプリングボックスは少し予定外のこともありましたが、ほぼプラン通りにホームゲーム初戦を収められたのではないでしょうか?オールブラックスは負けましたが、下馬評を覆すような後半の追い上げを見ると今後のゲームには期待が繋がる想いが湧き上がるゲームとなりました。

 ゲーム開始前チケットの売れ行きが悪いことが言われていて、実際満席にはなっていない球場でしたが、始まってみればその37.000人からの熱い声援はオールブラックスのハカもなんだか迫力をかき消されている様子で始まります。

 ゲーム開始から前半はオールブラックス自らの失敗で首を絞める形が続きます。またアイルランドの主審がやたら笛を吹きオールブラックスの攻撃の流れをことごとく停めます。確かにオールブラックスのペナルティーが前半は多くて、これがどんどんオールブラックスの攻撃に歯止めをかける結果にもなりました。

 先行したのはオールブラックスで、1400mと標高の高いところでのゲームなのでお互い距離があってもペナルティーを得たらその地点からすぐキックで得点を狙うことは分かっていましたが、まずステファン・ドナルドが38mの角度あるペナルティーキックを決めた後南アフリカもセンターライン手前自陣で得たペナルティーから長距離砲はこの人;15.フランシス・ステインが55mのキックも一向に苦にならない感じでゴールポストど真ん中、しかもクロスバーの遥か上を越えていくキックで3-3とゲームが始まります。

 その後南アフリカは短距離砲として期待された10.ルーアン・ピエナーがことごとくペナルティー・キックを外します。2本続けてゴールポストに当てて外した後3本目にやっと決めた後も自ら取ったトライの後のコンバージョンとドロップキック、ペナルティーキックを一本づつ外して後半からはさすがにモーネ・ステインに代えられましたが、ABにとっては後半に望みをかけられる結果にもなりました。

 前半ABはラインアウト、ラックでのハンドリング、パスミス、タックル受けてすぐボールをこぼすことなどが続きましたが、全て南アフリカのプラン通りでもあったと思います。この日南アフリカはキックオフボールを高く蹴り上げ、長い滞空時間の間にハバナが猛烈にその着地点へと駆け込みプレッシャーをかけます。ボールをキャッチされてその時点からカウンターアタックやキックで自陣まで戻されることを阻みます。そして何とかサイドラインに蹴りだされてもラインアウトが非常に強い。

 南アフリカには世界トップクラスのロックが二人そろっているのに加えて7.ジュアン・スミス、8.ピエアー・スピースという長身で鋭い動きも可能なフランカーがいます。ABは前半アンドリュー・ホーのスローインミスも多かったのですが、マットフィールドなどのプレッシャーがすごい。そして南アフリカボールのスローインとなるとボールを受けたところからドライビングモールに持ってくる。
 今年ABは6月のフランス戦でこのドライビングモールに負けた形を見せ、このゲームでも南アフリカにはその点をつかれました。

 そしてブレイクダウンでも集散は南アフリカの方が早く、ABは一人マッコウががんばりますが、それもペナルティーに持っていかれます。ましてABラックからの球出しにもプレッシャーを掛け、ブレンダン・レオナルドは押されっぱなし状態でした。ましてこの9.ブレンダン・レオナルドは前半ABスクラムへのスローインでも2回連続でミスを犯し攻撃のチャンスを自ら失う事となりました。

 前半はこのようにABはリズムをつかめず、デフェンスは固めた感じでしたが南アフリカはトライ1ツ、ピエナーのPキックX一本とフランシス・ステインのPキックX2本の14点に対しゲーム開始早々に取ったPキックでの3点だけのABの得点で折り返します。

 後半始まるといつものようにABはテンポ上げた攻撃態勢に入りますが、早速その勢いも主審の厳しい(ミス??)ジャッジでオフサイドを取られ逃します。後半から入ったスーパーキッカーのモーネ・ステインの45mキックで17-3と引き離されますが、すぐにABは建て直しアタックにまた出て行きます。

 このオフサイドを取られたコンラッド・スミスが、今度はデフェンスの甘いこのモーネ・ステインをハンズオフで跳ね飛ばしてトライを取り、17-10とABサポーターに期待をもたらします。そしていつものようにピリ・ウィープ、キエラン・リードという強力インパクトプレイヤーを投入。ボールも自陣から繋がるようになって行き、連続アタックが見られるようになって行きます。

 そして50分から60分の間にお互いペナルティーから3点を加算した後、ABの繋がりだした連続攻撃、ラック&ゴーの中で南アフリカがペナルティー、これでついに4点差まで詰め寄ります。そして首脳陣はベンチからもう一人ジェイソン・イートンをインパクトプレイヤーとしてアイザック・ロスに代え投入します。

 ABは硬い守りで対抗する南アフリカにも攻め込むことができるようになっていきます。しかしこのインパクトプレイヤーがこの日は大事な場面でミスを連続させます。

 65分以降はABが攻め上がりどんどんプレッシャーを掛け続け南アフリカのデフェンスをジリジリと下げていきます。南アフリカ22mラインまで来たところで強いデフェンスラインの前で突破口が見つからずそれまですばやい連続攻撃を掛けていたのが一旦ラックでボールが止まります。そして改めて攻撃ラインをセットしなおした後、攻撃再開とウィープがラックからのボールを走りこんできたイートンにパスを出したこのパスが不用意な感じなものになり、イートンはボールをキャッチできずノックオン、これにすぐに反応してきたのが俊足、怪力、どデカイNo8.ピエアー・スピース。彼はボールを前方に蹴りだし、一気にAB陣地にボールを追いかけると同時に入り込む。サイドライン際に転がったボールにピリ・ウィ-プはその後追いついたのですが、そのままサイドラインまでボールと共に逃げたらよかったものを頭越しにそのボールを無理やりパス。これにはさすがに戻ってきていたマッコウも上手く反応できずボールをこぼします。そこへ走りこんできたのが13.ジャック・フォーリエで、彼はボールをすくい上げるとそのままサイドライン際を真っ直ぐとゴールラインまで走り抜けトライを上げます。

 このトライはそれまでのAB攻勢を一気にひっくり返すものになりました。時間も70分を越えます。ABはあきらめずキックオフ後速攻でペナルティーを取って3点返し25-19としますが、今度は南アフリカのキックオフ後すぐのラインアウトからモールを作ったところでイートンが痛恨のペナルティーを犯し、とどめのキックをモーネ・ステインにセンターラインから決まられ28-19となりその後3分間はABもなすすべなくゲーム終了となりました。

 次のゲームは標高も海抜まで戻る地上戦になりそうですが、ABは南アフリカの攻撃プランに対抗できるでしょうか?ジェイソン・イートンはUnluckyだったと思いますが、ブレンダン・レオナルドとピリ・ウィープは断罪を免れないでしょう。ここはジミー・コーワンに頼るだけになりそうです。

 スプリングボックス 28-19 オールブラックス (前半14-3)

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匿名 さんのコメント...

jimmyがNO1