大英帝国制覇グランドスラムツアー第1戦となったスコットランド戦はNewオールブラックスのこれからを考えるととても希望のもてる内容で勝利を飾りました。
スコットランドは地元エジンバラの球場に5万1500という大観衆を集めましたが、歴史的1勝には及びませんでした。しかしアタックに次ぐアタックでフランスvsアルゼンチン戦のようなキックゲームには持ち込まず正々堂々と持ち味を生かした戦い方をしてきたように思えました。
ただその連続攻撃も強いオールブラックスのデフェンスを崩せず最終パスをミスしたり、速い展開に持ち込めずにノートライに押さえられました。特にスクラムで支配出来そうだったのがレフリーにそれが止められたようになって、波に乗りかけのところを寸断されるような展開だったと思います。
このゲームの主審は昨年のワールドカップでオールブラックスがフランスに負けたときのイングランドの若手レフリーでゲーム前からNZではちょっと話題になっていましたが、前回の香港戦でのアイルランドの主審みたいにこれが今の北半球の審判なのか?という思いが残りました。
ゲームはオールブラックスのキックオフ後すぐに波乱が起こります。まずスコットランドの超べテラン15;クリス・パターソンが素晴らしいラインブレイクのランでAB陣地22m内に駆け寄ったところでABのオフサイドからパターソン自らペナルティーキックを蹴って早速3点先取します。
その後再びABキックオフ後のボールがAB陣地に蹴り返されると今度はABのフルバック;トエアバがこれまた素晴らしいランで自陣から相手陣地22m前まで来ます。ここでブレイクするのですが、このところでスコットランドの12;Nick de Lucaが地面にあるボールを奪われないようにする為蹴ったことを主審はいきなりイエローカードを出します。これはビックリ!このおかげでステファン・ドナルドが難なく3点を返し同点にすると同時に流れをABに呼び込んだようになります。
バックスが一人少なくなったスコットランドに対してこの後ABはスコットランドのラインアウトのミスに乗じてフィールドを左右広く使ってボールを回しながらどんどん攻め込みます。そして22m上のABラインアウトからでたボールをドナルドが右端サイドラインよりに向け大きくキックボールを上げます。これにWingのアンソニー・トウィトゥバキが併せます。少しボールが高く上がったのでトウィトゥバキはボール落下地点で少し待つ感じになりましたが、スコットランドのデフェンスが足りないせいもあってボールを受けてからサイドライン際を駆け抜けトライするまでにパターソンがタックルに突っ込んできても余裕がありました。
この後スコットランドはフォワードを中心に時間を掛け縦に攻め込みますが、ABデフェンスは強い。ゴールライン手前まで寄せられても最後の扉は硬く閉ざします。この辺りからスクラムではスコットランドの3;EuanMurrayがベテランらしくAB新人のジェイミー・マッキントッシュを揺さぶります。
17分にABがペナルティーから3点追加しますが、22分にスコットランドスクラムでマッキントッシュにペナルティーが科せられパターソンがキックで3点返し6-13となります。
この後からABはスピードを上げた攻撃態勢に入ります。センターライン付近のスコットランドラインアウトから出たボールにタックルと同時に上手くアンソニー・ボリックがボールを奪いすぐにバックスにパス。このボールを受けた13;リチャード・カフイが相手デフェンスライン裏に蹴り出します。これに併せてノムやトィトウバキも走りこみますが、ボールのバウンドに合わせられないままゴールラインへとボールが転がるところに走りこんで来たのがピリ・ウィープでボールを上手く拾ったままインゴールへダイブしてトライとなります。
得点は6-18、時間は25分を過ぎます。27分にスコットランドの攻めの途中ラックでABがペナルティーを犯しますが、AB陣地10m入ったところからのキックをわずかにパターソン右側に外します。観客はこれにかなりガッカリといった感じだったのですが、ここから前半終了まではスコットランドのチャンスが続きます。
22m内からのABドロップオフのボールを受けたスコットランドはまたフォワードがどんどん前に出てきます。2;RossFordがセンターライン付近から素晴らしいラインブレイクでAB22mラインまで来ます。ABはゴールライン手前で食い下がりますが、ブレイクダウンに斜めから入ったということでアンソニー・ボリックがこれまた一発イエローを出されます。
このイエローカードを出されなければアンソニー・ボリックはこのゲームの最優秀選手にもなっていたと思います。それだけ攻守に大活躍。来期からアリ・ウィリアムスの代わりも出来そうに思えます。
このAB14人になって押せ押せムードだったのですが、スコットランドはここでスクラムで押し切れない。7人になって後ろからの後押しもいなくなったマッキントシュがここでよく踏ん張りました。スコットランドはスクラムからボールを出してもバックスでキャッチミスがあったりしてゴールラインをきれない。最後にはゴールライン手前のブレイクダウンでボールを奪われキックで大きくボールを返されます。14人のまま前半終了まで得点を与えずABは守り通しました。しかしこのときイサイア・トエアバが守りで肩を痛めて後半にはコーリー・ジェーンと交代します。
後半始まってこのコーリー・ジェーンが早速活躍します。スコットランドからのキックオフで攻め込むスコットランドでしたが、自陣22m内からからいつものようにハイパントをジェーンは上げます。この蹴り上げるところがまたスコットランドのアタックラインとバックスの中間ぐらいでスコットランドの誰もキャッチにいけませんでした。ボールは地面について大きくバウンド。このバウンド先がちょうどリチャード・カフイが駆け込んでくるところとなりカフイがボールを取るとそのままゴールライン向けまっしぐら。後半始まって瞬く間にABは3本目のトライをとります。
このゲームではこのリチャード・カフイが最優秀選手に選ばれましたが、このトライも良かったのですが、なんといってもそのデフェンスが良かった彼。いいところでスコットランドの攻撃を食い止める強烈タックルが何度も見られました。
このあとはスコットランドも休みなく攻め続けますが、ABの堅い守りを崩せません。55分の段階ではボール所持率63%、陣地支配率71%、そして22m内にとどまっている時間はスコットランドの方が大きく上回り21分に対してABは4分という記録でした。いわゆるスコットランドは時間をかけて攻めるのだけど最後の突破口まで行かずボールを奪ったらABは早い展開で攻め込むといった感じ。またスコットランドスクラムが続くのだけどもここからなかなか活きたボールがスコットランド側から出ない。これはラックとなってもいえることでした。
ABはこの後51分にピリ・ウィープに代えアンディー・エリスを、そしてジェイミー・マッキントシュに代えニーミア・ティアラタを53分に投入。59分には皆さんお待ちかねのマッコウをトンプソンに代え、併せてフッカーもコーリー・フリンに代え動きを止めませんでした。最後には守りでまたろっ骨を痛めたアンディー・エリスに代えダニエル・カーターがハーフバックのポジションで入り残り10分を務めました。
この残り10分の間にABはこの日大活躍だったアンソニー・ボリックが駄目押しのトライをとって32-6でスコットランドを粉砕してます。
スコットランド 6-32 オールブラックス (前半6-18)
2008年11月9日日曜日
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