オールブラックスはイングランドをまたもや完封して快勝としました。これでオールブラックスは昨年からヨーロッパ遠征での相手にトライを許さない完封記録を7ゲームに伸ばしました。
オールブラックスもさすがにアルゼンチン戦からデフェンスだけはとてもよくなったイングランドの激しいタックルなどに阻まれトライを取れたのは一つだけ。少し盛り上がりに掛けるような内容でしたが、他の南半球チームが意外な苦戦を強いられている中貫禄を保ったように思えるゲームでした。
お互いに激しく守った中からカウンターアタックを狙うようなゲーム展開で、あまりキックボールは使わず自陣深くからボールを回して攻めあがるプラン。それに対して激しいタックル、しっかりとした固いマークを引いたラインデフェンスを押し上げていく。だからゲーム開始から前半はほとんど相手22m内に入ることもお互い少ない展開。70分というゲーム終盤に至ってさえイングランドが相手22m内に居た時間は8分。オールブラックスに到ってはたったの3分という時間しか取れないような展開でした。
ただ、イタリア戦で見られたようなスクラムでの時間が掛かること全く見られず主審のジョナサン・カプランによりしっかりコーントロールされて、流れのあるゲームが楽しめました。
小雨降るトウィッキナムでキックオフされたゲームははじめイングランドの意気込みが分かるような激しいタックルの応酬から始まります。
ABがボールを奪って6分に攻めに転じたとき相手オフサイドから最初のカーターによる得点のチャンスが訪れますが、10mライン前後からのキックはわずかに左に反れ外します。このとき球場には最初の大歓声が上がりました。
次第に雨もしっかりと降り出しますがお互いキックボールは少なめ。イングランドは激しく攻め立てるのですが、ABの強いラインデフェンスを崩せない。しかし12分にはペンルティーをAB22mライン手前で取り、ウィルキンソンがしっかり3点を取り先行。
その後直ぐ前半では少なかったトライチャンスがABに訪れます。ラインアウトからバックにボールを展開してカーターがパスでもキックでもなく自ら縦に突っ込む。しかも相手デフェンダーの13番をハンズオフしながら前進。食い下がる13番に倒されそうになる間際に後ろから駆け寄るムレアイーナに絶妙なパス。22mラインを切ってムレアイーナは左コーナーポストに飛び込みますが、二人のデフェンダーに押し出される形で片足がサイドラインを先にきっていたことがビデオ判定で下されノートライとなります。
この日ABのアタックもやや見所が少なめだったのですが、その中このムレアイーナ、シティバツなどは相手にとってとてもデンジャラスな存在になって、ボールを持たされカウンターに走らされる機会もこの二人は多かった日になりました。ザック・ギルフォードも悪くは全くなかったです。
19分にラック内でのパンチ行為によりカーターが同点にした後、続いてオールブラックス側もジミー・カーワンがブレイクダウンでの主審の笛の後も絡んでいる相手の顔面を押さえつける行為にペナルティーを科せられ6-3とリードを許します。
リードされたら直ぐに取り戻すことにオールブラックスは成功して、キックオフの後直ぐに攻め込みペナルティーから6-6にします。この後前半終了までABは攻め立てるのですが、イングランドの守りも素晴らしく機能します。
30分過ぎにイングランド陣地22mライン手前でのABスクラムでペナルティーを得てカーターがキックで狙ったのですが、なんとこの日カーターは2度目のミスキック。これはしかもかなり簡単に思えたキックを外しました。
けれどABの攻勢は続きます。22mラインからのドロップオフからもABは攻め立てます。しかしイングランドのデフェンスは激しく、どんどんABのアタックラインを押し下げていきます。ABは相手デフェンスライン前をボールを幾度も幾度もパスで繋ぎながら隙間に突っ込みラックからまたボールを回す。これを連続13回ほどまで続けますが、どんどん下げられ、10mラインまで下げられたところで仕方なく相手ライン裏にキックでボールを送る。このように前半最後はAB攻めるけどラインブレイクされないまま終わってしまいます。ハーフタイムの時アシスタントコーチが選手に伝えたことには早い球出しが後半のキーポイントというように後半はブレイクダウンからの早い球だし、そして連続攻撃が期待されました。
後半入ってもイングランドの激しいデフェンスは続きましたが、47分にABのラック&ゴーに耐え切れずペナルティーを取りカーターが無難にキックを決めて6-6同点にした後、イングランドの逆襲にもABは同じく激しいデフェンス、タックルで守ります。特にこの日のMan Of The Matchに選ばれたマッコウをはじめコンラッド・スミス、そしてカーターが見せる素晴らしいタックルからイングランドのアタックチャンスをことごとく奪い去ります。
そこからボールをイングランド陣地に戻し、ラインアウトから始まったABの攻撃でやっとこの日フォワードによるラックを作りながら縦に押し進み、すばやくボールをラックから連続して出せることが出来て、相手22m内に入り込めます。そして流れを絶やさずラックからボールを出したジミー・カーワンがサイドライン側に横に走りながらWingのシティバツにパス。シティバツはボールを受けるとゴールラインに向け縦に走りながらデフェンスを交わしてラックから抜け出して中央側からきたマッコウにパス。マッコウはボールを受けると同時にデフェンスタックルに襲われながらも、更に外側に回り込んでいたカーワンにパスを戻します。この時点でカーワンはフリーになって左端にタッチダウン。素晴らしいセットプレイが決まってやっとイングランドのデフェンスを崩すことが出来ました。
カーターのコンバージョンも左端から素晴らしく決まって6-16となります。時計は60分となります。
その後イングランドも攻めに転じますが、ABのラインでフェンスの前で行き場を無くすようになります。途中ウィルキンソンの苦肉の策でのドロップゴールも出ますが外れてしまいます。イングランドは攻めに関しては持ち札が少なく、ABのデフェンスを崩せません。
しかしさすがに最後はイングランドも意地の攻撃態勢に入ってAB陣地に居座るようになりますがABは守り通します。一度はラックからボールを奪って19.TomCroftが独走、ABゴールライン手前まで走りこまれますがカーターの鮮やかなタックルにより阻まれ、その後に続くラック、スクラム、ラインアウトから行われる波状攻撃も硬くガードを崩さないままオールブラックスは快勝としました。
オールブラックス 19-6 イングランド (前半 6-6)
2009年11月23日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿