オールブラックスはスコットランドとの戦績を105年間負け無しに伸ばしました。しかもこのゲ-ムでは圧勝、楽勝、一方的ゲームといってもいい結果となりました。
ゲーム前には主力を休ませるかなと思われていたのに使える人材はほぼ最強のメンバーでオールブラックスはそろえてきましたが、前半終えるとこれも必要なくなりベテラン勢のリチャード・マッコウ、ブラッド・ソーン、ダニエル・カーターといった当初休ます予定のものが後半15分過ぎからと続々とベンチに下げられ、逆にベンチ入りしていたマアア・ノヌは使われる必要なく彼もお休みとなりました。恐らく残りのアイルランド、ウェールズ戦もこんな交代が行われると思われます。
はっきり言って前半20分まででこのゲームは見えた感じです。オールブラックスの圧倒的攻撃力とデフェンスの硬さでスコットランドに付け入る隙を全く与えませんでした。
イングランド戦とは違いオールブラックスのアタックもボールを展開した後ラインブレイクがスムーズにそして強力に行われどんどん相手デフェンスを押し下げ、またしっかりと守りを固めて相手のパスミスやノックオンをどんどん誘っていました。
オールブラックスはこの日前半に4トライ、後半に3トライ=合計7トライを取りましたが、どれもデフェンスを強力に破って最後は楽々Finishといったトライが多くイングランド戦のようなビデオ判定までもつれ込むことすらありませんでした。その中でトライに繋がるボール回しでサニー・ビル・ウィリアムスの活躍が目立ったゲームでもあって彼はこの日の最優秀選手にも選ばれました。彼のお得意のタックルされても右手片手で持ったボールを腕を裏返すように右後方に投げるパスがことごとく上手く繋がりホセ・ギアー、ムレアイーナ、そしてコンラッド・スミスなどは相手からタックルが来るようなことなくゴールラインに飛び込めるありがたいトライを取ることが出来、SBWの使われ方がどんどん上手く機能するようになって来ています。
今回はピリ・ウィープ、シティベニ・シティバツが遠征には怪我で来られず、このゲームではジョー・ロコソコ、コーリー・ジェーンが出てきていないにも関わらずホセ・ギアーやトエアバが強力なラインブレイクを何度も見せ、加えてサニー・ビル・ウィリアムスの新手のバックスの活躍でまたしても世界最強のバックスの評価が出来上がりました。
オールブラックスがスコットランドを圧倒した得点経過は次の通り。
まず先行はスコットランドでした。スコットランドのキックオフ後お互いキックボールを使いテリトリーを取り合いますが、直ぐにスコットランドがAB陣地10mライン手前でラックでのペナルティーを得てすかさず10番DanParkが難なくキックを決め3点先行。56800人入ったサポ-ターも始まりは大歓声が続きました。しかしそれも長くは続きません。
オールブラックスはキックオフからスピードに乗ってどんどん攻めあげてスコットランドデフェンスを押し下げていきます。そして相手陣地でペナルティーを得てもサイドラインに蹴りだしラインアウトからセットプレイでトライを狙います。
そしてこの日そのセットプレイでも相手のプレッシャーを感じることなくラインアウト、スクラムなども上手くこなし、この日最初のトライはスクラムから生まれます。スコットランドゴールライン5m前、左隅のスクラムからキエラン・リードがボールをジミー・コーワンに出してサニー・ビル・ウィリアムスが中央に斜め後ろから突っ込みながら後ろからサポートに来るホセ・ギアーに後ろ手の片手でパス。これが繋がるとギアーはゴールポスト下に楽々トライ。スクラムからの流れがとても早く、そして強烈なのでスコットランドのデフェンスは全くお手上げの様子でした。これが1本目のトライであっさりと逆転の3-7となります。
カーターがコンバージョンキックを決めた後そのカーターが2本目のトライを決めます。センターライン上でのスコットランドラインアウトから一旦はボールがバックスに展開されますが、これにSBWとコンラッド・スミスがデフェンスに駆け上がりモール状態になりますがボールはABサイドにこぼれます。これを拾ってボールはすぐさまサイドライン側に展開。ムレアイーナからイサイア・トエアバにパスが渡るとトエアバはサイドライン際を縦に突進。スコットランド陣地中央まで来てタックルを受けると内側に走りこんできていたカーターにパスが出され。パスを受けたカーターの前にはデフェンスもいなくなり楽々トライとなります。時間はまだ11分。
その後から取られるトライはどれもAB全員がすばやく、強力に駆け上がって、繋いでとったトライばかりでスコットランドの守りはそのスピードと勢いに全くついて来れない感じになって行きます。
3本目は18分、自陣中央右端のラックからフォワードがすばやくボールを大きく右端に展開した後リーマ・メッサムが縦に突進、センターラインを超えたところでカーターが右サイドライン際を駆け上がり相手フォワードのデフェンスを抜き去ってから内側を駆け上がって来たムレアイーナにパスが渡り、これまたムレアイーナはゴールポスト下まで回り込んで楽々トライを取ります。これで3-21。
この後スコットランドもABからペナルティー取るとサイドラインに蹴りだし22m内まで入ってきますが、ABの硬いデフェンスにブレイクは出来ずボールを奪われます。
そしてそのボールを奪ってからまたABの逆襲はすばやく強力。自陣のラインアウトから大きなパスでバックスにボールが展開されコンラッドスミスが自陣から縦にラインブレイクで相手陣地10mラインまで攻め込んでからABの全員攻撃は動きを止めずにどんどん攻め込み最後はホセ・ギアーが巧みなステップワークで相手デフェンス陣を抜き去ってトライを取り3-28と27分でなるとゲームが決まった感じなります。
スコットランドは前半終了前に主将の9;MikeBlairを怪我で失いベンチからこのゲームが初キャップとなるGreigLaidlawを出さざる終えなくなります。後半入ってもABの攻勢の手は緩められることなくボール所持率、陣地支配率共にスコットランドを圧倒。スコットランドも攻めてくるのですが、ブレイクが出来ない。逆にABのアタックはボールを持ってどんどん繋ぎ、ボールの動きを止めず時間を掛けてでもブレイクポイントを探り出していきます。
後半48分スコットランド陣地22m内でのスコットランドボールのラインアウトでABはボールを奪いすばやく中央にボールを回します。一旦相手デフェンスに引っかかり、これはノックオンとなってもホセ・ギアーがそのボールを拾ったまま強力にラインブレイクを入れスコットランド陣地22m内に戻ります。そしてラックのボールがすばやく右側に展開されカーターからSBWにパスが渡るとSBWは再び2人のタックルを受けながらも倒れ際にサイドライン側に余ったムレアイーナとトエアバのうちムレアイーナにパスを繋がれ彼はこれまた楽々右隅に飛び込みトライを決めます。
この後からはAB首脳陣はカーター、そしてリチャード・マッコウ、ブラッドソーンなどをベンチに引き下げていきます。
スコットランドのほうは点数が離れたのでAB陣地で得たペナルティーはことごとくスクラムに換えてトライを狙ってきますが、22m内に入ってのスコットランドスクラムでさえABの硬いデフェンスを突き破ることが出来ませんでした。そして最後はボールを奪われ再びABの猛攻を浴びます。この日AB6本目のトライが出るのは後半中盤の66分でした。
このトライでもSBWがうまくその巨体と長い腕と鷲づかみしても余りある大きな手を使ったパス回しでコンラッド・スミスの楽々トライをサポートしています。始まりはスコットランドのノックオンから得たAB陣地でのABスクラムから。スクラムからのボールを自陣22m前で受けたムレアイーナが大きなキックで相手陣地22m前までボールを送ります。これにスコットランドフルバックなどがカウンターアタックで縦に駆け上がってきますが、すぐさまサニー・ビル・ウィリアムスにつかまりラックになります。このラックからボールがスコットランド側にこぼれたのですがこれに反応したのがリーマ・メッサムだけで彼はこのボールを拾い上げると右サイドラインよりを縦に突進。22m内に入ってABフォワードがなだれ込んでラックになるとそのラックからすばやくアンディー・エリスが中央にボールを出します。そしてジョン・アフォア/SBW/サム・ホワイトロックとボールがとても早く繋がれ最後にはスコットランドデフェンスも誰もついて来れなくなって左サイドに3人も余ったうちの一人コンラッド・スミスにボールが渡って簡単トライとなります。
最後はゲーム終了間際にカーターに代わりベンチから出てきたステファン・ドナルドの強力ラインブレイクからジミー・コーワンに代わったアンディー・エリスがボールを繋いでトライを取り仕上げを飾りました。
オールブラックス 49-3 スコットランド (前半 28-3)
スコットランド vs オールブラックス ビデオハイライト
2010年11月14日日曜日
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