2008年7月27日日曜日

7/27 オールブラックス対ワラビーズ 第1戦 観戦記

 オールブラックスまた負けてしまいました。やはりロビー・ディーンのやり方のほうがいいのでしょうか?これで一気にオーストラリアは今年ラグビー界の頂上へと突き進んで行けそうな気がしてきました。ホームゲームの有利はあったと思いますが、それでも負けないゲームを進め思い通りの展開で勝てたゲームだったような気がします。

 オールブラックスはリチャード・マッコウがいないとやっぱりダメなのでしょうか?全体の流れの中でプレッシャーを掛けられ押されている中、それを覆せる迫力など見ることが出来なかったような気がします。目立ったのはダニエル・カーターの更に進化したようなプレイとムレアイーナの個人技で、そこからトライは取れましたが、全員参加の押し寄せるような攻撃やしぶとい守りなどが見られなかったように思えます。

 負けゲームだから言われることだと思いますが、ここに来て改めてローテーションでトゥイトゥバキ、リチャード・カフイを起用したこと、そしてこのゲームでは役に立たなかったマアア・ノム、シオネ・ラウアキの実力自体が今後オールブラックスの首脳陣に問われると思います。

 オーストラリアはそれに引き換え昨年まで言われていたスクラムの弱さを克服して、モートロックやクリス・レイザンのいない中それに代わるBerrickBarnes、アシュレークーパー、そしてジョージ・グレガンに代わり今年から9番に起用されてるLukeBurgessが確実にこのゲームでもしっかり働き、オールブラックスのアタックを守り、そしてトライに繋がる活躍を見せました。

 ゲームは最初からAUSがプラン通り展開が出来たように思え、キックオフからAB陣地深いところまでボールを運びそこからABはボールを保持しながら運んでくることに強いプレッシャーのデフェンスを仕掛けミスを誘う。これにこのゲームは終始したようにAUSのボール保持率は3-4割だったのですが、地域支配率は6割とABのそれを上回っていました。

 このことからゲーム開始早々、6分に攻め込むAUSに対してブラッド・ソーンがハイタックルで早々にイエローカードが出て3-0となったところや後半の中盤以降ABが自陣から反撃の機会に入ろうとするところでラウアキが度重なるハンドリングエラーを犯して相手陣地にさえ入れなかったことがAUSに勝利を与えた象徴的なところだと思います。

 AUSサポーターにとっては働くべき人がしっかり働く姿が見られてさぞ面白いゲームだったと思いますが、最初のトライはティキリが3人のデフェンスをごぼう抜きしてから始まり、ネイザン・シャープがしっかりモールでボールを保持して、そこから出たボールをギットウがノックオンぎりぎりのところでライアン・クロスにボールをつないで生まれます。

 2つ目のトライはアシュレークーパーの判断いいキック&チェイスから生まれ、後半54分にゲームの流れを戻して勝利につなげたトライは6番;ロッキー・エルソムのこれまた素晴らしい3人のABデフェンスの穴をついて見方までもその動きにサポートについて行けないトライを見せます。このエルソムを含めたAUSのフランカー3人;ジョージ・スミス、ワイクリフ・パルはそのデフェンスでもしっかり働き、ブレイクダウンでもABのそれを圧倒してます。

 そしてこのゲームではカーターの個人技が目だったのに対してチームプレイに徹したようなマット・ギットウが見せるデフェンスのキック、そして最後にゲームを決めるいい時間に、いいところで、絶妙のドロップゴールを決めるところなんかはAUSサポーターにはたまらないものになったことでしょう。

 ただオールブラックスサポーターがこの日ズーット沈黙していた分けではもちろんございませんで、前半最初のトライはムレアイーナが素晴らしいランを見せて、その後キック&チェイス、このボールをリチャード・カフイとシティバツが追いかけ留めを刺すかと思われたのに最後の最後にはやっぱりマジカルなハンドリングでムレアイーナが自らトライを決めます。

 また今日のカーターはいつものようなバックスを動かすキックやパスなどはもちろんですが、なんと言ってもこの日は自らラインブレイクしていく姿がすごかった。恐らくノムの突破を警戒して引かれたデフェンスの隙をついているようなのだけど見事なステップ、そして力強いハンズオフなども見られ後半17-19と一時ABが先行することになるトライもこのカーターからのライン突破から始まりました。このカーターの走りはこの日何度か見られ、本当に彼の存在は相手にとって守りきれないものだと思います。

 そして54分にAUSが再び逆転、先行するゲーム観戦にも力が入りっぱなしになってきたところでちょっとABにとっては水を差されたような事態がおきます。

 後半43分17-19となる逆転トライを獲ったのはアンドリュー・エリスだったのですが、そのトライをとった後すぐに彼はジミー・コーワンと交代していました。コーワンはその後ティキリ、アシュレークーパーのスピードに乗ったライン突破をゴールライン直前で猛烈タックルにより防いでいたのですが、この猛烈タックルから膝を痛め54分のエルソムのトライ後再びエリスがピッチに戻るようなことになっていました。

 そして、キックオフ後すぐにABの反撃がありラックからのボールをそのエリスがAUSゴールポストに向ラック裏に小さなキックでボールを蹴り上げます。これに反応してシティバツがゴールポストに向け転がるボールを追いかける。同時にデフェンスでAUS14番もシティバツに体を寄せボールを追いかける。ボールがゴールラインを越えようとしたところでシティバツはそのボールに倒れこみますが、それに併せてAUS14番PeterHynesはシティバツの足に両手を回してタックル、シティバツはこれでボールに届かずゴールライン直前で倒されてしまいます。誰が見てもこれは完全にペナルティーとライトなるべき事態だったのですが、主審からは何の笛も吹かれないままAUSへのドロップオフになります。

 ましてこの際サイドラインから第4レフリーが主審にエリスがピッチに戻ったのはルール違反だという申告がされペナルティートライのことなど曖昧になります。しかもこのエリスがピッチに戻ったことさえ無視されることになりました。(本来流血などでしか先発のものが再び控えのものの代わりにピッチに戻ることは出来ない)

 この際キャプテンや他のものがペナルティートライのアピールをして欲しかった思いが残りました。AUSはこれで流れを保持したままギットウのドロップゴール、そして駄目押しのトライとつなぎ勝利を確実としました。

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