2008年7月13日日曜日

7/13 対南アフリカ第2戦 観戦記 速報版

ショックな結果となりました。オールブラックスが負けました。NZ国内のゲームでは南アフリカに対しての30連勝が止まりました。オールブラックスが負けるときはやはりこんな感じなのでしょう。勝てると思ってゲーム前は期待していて、ゲーム中からその感覚に’もしや’と言う気持ちが出てきて、それでも大丈夫と言う気持ちがあって、最後にはあっけなく、また本当かよ!!??と言う感じで相手チーム選手が歓喜するのを見ている。と言ったのが久しぶりにダニーデンに行ってまで見てきたゲームで起こってしまいました。

 この観戦記はそのゲーム観戦から帰ってきて早速その興奮冷めないうちに記憶をたどりながら書いています。実際のゲーム内容はこの後ビデオをじっくり見てから書いてみるつもりです。

 しかしやはりラグビーだけではなくてもスポーツ観戦はTVでなくて実際のその場で見るのが面白いですね。特にプロのゲーム観戦は生がいいです。

 この日はダニーデンにとっては一種のお祭りみたいな日になりました。久しぶりのオールブラックスのゲームということで街全体がもうサポーターといった感じ。町の通りに面したお店やOFFICEにはオールブラックスを応援する”GO BLACKS!”というロゴがたくさん張られている。

 今年は協会のほうもチケット販売に趣向を凝らして先行販売をたくさん設けました。まず地元の子供達も含めたラグビーをやっている人、またそれに関わる人達に優先販売がされて、その後ダニーデンを含めて周辺近郊地域に住む人向けに第2の優先販売(これで私もチケットGET)その後一般販売ということを行った為か、この日カリスブルックは満員御礼(フルハウスの29200人)で結構子供達、家族連れが目立つ。

 ゲーム結果は残念なことになりましたが、小さいときからこんなゲームを観ていたらやはり誰もが将来はオールブラックスにあこがれるようになるわけです。そしてその子供達からの声援がとてもすごくてよかったです。大人たちは大体腕を組んでうなっているようなラグビーファンばかりです。

 また国歌斉唱にはこの町の市長がしっかりと素晴らしい声で歌い上げ観客もここからゲームにそしてオールブラックス応援に乗ってくるようなものとなりました。

 ゲーム始まると事前に言われていたほど荒れた、乱闘気味のゲームにはならず、両チームとも一丸となってゲームに集中している様子がひしひしと伝わってきました。さすがにレイトタックルやハイタックルなどはありましたが、お互い分かっているような、どうしても早い反応での行動では出てしまうような感じで、そこから小競り合いが起こることはこの日は見られず、それよりもボールを追いかけることのほうが忙しいと言った感じでした。

 この日の南アフリカの布陣には先週のゲームと違ってフルバックにキッカーとしてパーシー・モンゴメリーを入れ、Wingにはキックゲームに強いJPピーターソンを入れてきました。この起用はやはり効果抜群でした。ペナルティーのロングショットはパーシーが蹴りますが、ABが獲ったらすぐに取り返す。またABからのキックボールへのお返しもパーシーとピーターソンは処理が上手い。

 そして南アフリカはこの日もデフェンスが素晴らしい。前半からよくカーターが攻め手をなくすような場面が見られました。カーターはこの日もそのキック力は素晴らしく前半終了間際に2点差に詰めるキックなど重要な局面でのプレッシャーの掛かるキックをクールにばっちり決めてくれるのはすごいものです。

 それでもやはりこの前半にすでに気分的にはオールブラックスは今日負けるかもと言う気持ちが出てきていました。得点とっても取り返される。ABの攻めはいまいち破壊力に欠ける、それに付け南アフリカは上手くゲームをコントロールしている感じでした。前半終了間際のカーターのペナルティーキックが決まっていなかったらこの気持ちはより強まっていたでしょう。

 こんな気持ちも後半入ってABが猛攻を見せると一旦は吹っ飛ぶのですが、それでもアリ・ウィリアムスが後半10分にベンチに下がったときからまた暗い気持ちが出てきます。ロックはこれで新人のアンソニー・ボリックとこの日のために急遽召集されABデビューとなったケビン・オニールという経験の浅いコンビになってここに付け込まれるのでは?と言う気持ちでした。

 これを払拭してくれたのは同じくベンチから出てきたシオネ・ラウアキでした。この日は他の誰にも見られなかったボールを持ってガンガンラインデフェンスにぶつかっていき穴をこじ開けて行く姿が出てきてからすぐに見られ、観客も少し低調気味になっていたのがこれで盛り返します。

 そしてABの攻撃もキックボールを挙げるのを控えて自陣からどんどんボールを回して敵陣に押し入っていく。この日私は後半では南アフリカのサイドとなる右ゴールライン脇から見ていたのですが、この場面ではどんどんオールブラックスがボールを回しながらこちらへとやってくる、やってくる。観客からのオールブラックスへの声援も一丸となってどんどん高まる。そしてゴールライン手前5mほどの中央右よりのところでラウアキにパスが渡ってラウアキがデフェンスを蹴散らしながら突進してくるときには来い!来い!来い!来い!ComeOn!!と言った感じでゴールラインに3人のデフェンスに絡まれながらも倒れこんだときには周りの観客も含めみんな両手挙げて立ち上がっていました。

 この後このラウアキに対するハイタックルでキャプテンのマットフィールドが退場になってカーターが3点取って5点差をつけたときには時間的なこともあってもう大丈夫と思っていました。実際観客の中には交通渋滞を避ける為か帰路につく姿も見られ始めていました。

 しかし、しかしこの14人になった南アフリカからすぐに逆転を食らうとは誰が想像したでしょう。確かにトライをとったリッキー・ジャニュアリーはキック&チェイスがお得意だったと思います。また彼は前半からこの日いい動きが見られていました。まさかまさかそして、びっくりの逆転トライでした。

 この後わずかな時間を残してABは攻めますが、南アフリカのデフェンスは強い、ましてミスも犯さない、カーターが2度ドロップゴールを試みましたが、2度目のやつはあきらめ半分、少しダメもとで蹴ったようにも見え、しっかり相手の素早い、それを見通したチャージにかかりました。

 このゲームを観た限りで言うとABには去年までのルーク・マクアリスターもしくはアーロン・メージャーのようなキッカーがもう一人欲しいなといった思いが残りました。 

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