2008年8月17日日曜日

8/17 南アフリカ 対 オールブラックス 第3戦 観戦記

南アフリカが悪すぎたのでしょうか?それともやはりマッコウのいるオールブラックスは最強なのでしょうか?思っていたよりABが楽勝のような勝利を敵地で収めました。

 これでオールブラックスはトライネーションの保持もかなり有利になりました。この勝利の後はオールブラックスはほぼ1ヶ月ほど次のオーストラリア戦まで間が空きます。この調子を次のゲームまで維持していくことが出来るでしょうか?

 ゲーム前はやたらキックゲームの様相が期待されたゲームはそれが両監督からの心理的プレッシャーの作戦だったかにも思えるようにあまりキック合戦は見られませんでした。これはキックを繰り出す前にお互いデフェンスが押し寄せてくるのでそんなことも出来なかったかもしれませんし、南アフリカにとってはこのゲーム用に先発させたようなパーシー・モンゴメリー、と9;Fourie du Preesの出来が良くなかったからということもあるし、また南アフリカが今回は自陣からボールをもって攻めあがる戦法を多用してきた為かもしれません。

 それにしても南アフリカは思っていたより強いイメージがこのゲームでは見られない恐らくサポーターにはとてもイライラ、そしてガッカリのゲームとなったと思われます。前半に何度かパス&ランの戦法が当たりラインブレイクしてABゴールライン手前まで行くこともあったのですが決定打を出せない。そしてカーターがペナルティーキック散々外してくれるにもかかわらずそれに付け込んで流れを維持することが出来ない。また後半の最初に2回ペナルティーキックを外して得点することが出来なかったのは最後まで響きました。

 このゲームで結局南アフリカに得点を与えない完封勝利をABは挙げたのですが、これはこの両軍がこれまで戦った75回の対戦ではたった4回目、まして南アフリカのホームで完封負けは南アフリカにとっては初めてとなりました。

 なんだか南アフリカがこのゲームの波に乗れないような雰囲気はキックオフから始まっていました。ブッチ・ジェイムスのキックオフは初っ端からサイドライン外に出てしまい、その後すぐ後の自陣10mで得たフリーキックを9;Fourie du Preesが強く蹴りすぎABインゴールも切って易々ABにスクラムを与え、ABのハイパントのボールをハバナがノックオン、ラインアウトのスローインをミスるなどしてキックオフから始まったにもかかわらず南アフリカはAB陣に全く入れない、まして7分にはABに攻め込まれ先制のトライを許します。

 ABは相手ミスから得たラインアウトから敵地22mライン内でボールを回しながら突破口を探る。右サイドで何度かブレイクがあった後で左側に展開しようとボールがコーワンからマアア・ノムに渡るとノムからのパスはミスったように思われたような2人のバックスの前を通り過ぎて左側に転がる。このところにいたのがマッコウで、ちょうどマッコウに向け飛ばしパスが通ったようになる。マッコウは転がるボールを拾うとすぐに相手インゴール左隅めがけてゴロでボールを蹴り出す。これに反応して突っ込んで行ったのが13;コンラッドスミスで、南アフリカもカバーにブッチ・ジェイムスが駆け寄るがスミスの右手がわずかにボールを捕らえる事が出来てビデオ判定の結果トライとなります。この後の左側からのコンバージョンキックはカーターが外して5-0とします。

 この後前半は南アフリカも持ち返し攻め込む場面が何度も見られましたが、得点が出来ない。ABはペナルティーを自陣で犯さない。しかし前半ABが得たペナルティーのキックをカーターは今日ことごとく外します。前半は1本のトライ後のコンバージョンと3本のペナルティーを大きく外しました。これに付け込んで南アフリカも得点が出来ていたら流れはかなり変わったと思われましたが、それどころかラックなどの段階で何度もレフリーから逆に注意を与えられる始末。

 後半も始まってすぐに2回連続でペナルティーからの得点のチャンスが訪れるのですが、カーターが外した同じような場所からのモンゴメリーのキックは同じく大きく外れてしまいます。まして前半素晴らしい動きでABのデフェンスラインをブレイクしていたハバナが足を痛めてベンチに下がり、モンゴメリー、9;Fourie du Preesはやっぱり変えられて、そしてシャック・バーガーなどもベンチに下がってますます決定打が出にくくなります。

 それでもお互い激しいぶつかり合い、ボールの奪い合いが続きますが、強いアタッキングプレッシャーを掛け続けるABが2本トライを後半とってゲームを決めました。

 1本目は65分、この日キックがダメだったカーターの素晴らしい身のこなしから生まれます。50分過ぎからABは敵陣にキックでボールを運び相手のミスもしくはブレイクダウンでボールを奪ってからはボールを細かく回しながらも敵地深く攻め込みます。

 南アフリカ10mライン付近から始まって10回目のブレイクダウンでは南アフリカゴールライン手前5mのところまで達したところで中央でパスを受けたカーターが一度フェイントを入れてから前のデフェンスを振ってゴールポスト下に向かって真っ直ぐと走りこみます。カーターにはすぐに二人のタックルが襲い掛かりそのタックラーと絡みながらも体を反転させちょうど仰向けの形で倒されます。けれどボールを持っている上体はフリーの状態だったので倒れるに併せてボールを持っている手を後ろに差し上げたところがちょうどゴールライン。ちゃんとボールを持ったままタッチダウンできたようになってトライとビデオ判定の後認定されました。

 これで12-0となり時間も残り10分を切ります。南アフリカも攻め込まなければならないのですが、ここにいたっても小さなミスが続きます。逆に攻め込まれてもABのデフェンスタックルは今日マークしているものに対するファーストタックルがガンガン決まります。

 残り5分を切って南アフリカ22m内まで攻め込まれたところから南アフリカはサイドラインに出たボールをクイックスローでピッチに投げ入れ自陣からボールを回して攻めあがろうとしたところで12;Jean de Villiersがボールを受けてそれをフルバックに回そうとしたのですが、ABのきついプレッシャーからか、強いパスを出せずに横に広がるフルバックのところまで届かずボールはデフェンスラインを引くケビン・メアラムのちょうど胸元に落ちて、メアラムは楽々ボールを受けてゴールラインに倒れこむだけのトライをとります。

 これで結果は19-0とこの前のオーストラリア戦みたいに予想外の得点差がついたAB勝利となりました。この後ABはNZに戻ってきた後少し休養があって次のオーストラリア戦まで間がかなり空くので今年は急遽予定が組まれたサモア戦が9/3に行われる予定です。


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