2008年11月20日木曜日

11/20 対アイルランドMunster戦の観戦記と対ウェールズのオールブラックス

 Munster戦は非常に面白いものでした。はっきり言って先週のアイルランド代表戦より面白かったかもしれません。オールブラックスがMunsterの迫力ある気迫こもったデフェンスに悩まされ最後の最後に頼みのジョー・ロコソコが旧友ダグ・ホエットのタックルを交わしてトライを上げて何とか逃げ切ったゲームでした。

 それにしてもサッカーなどでも見られるようにヨーロッパのクラブチームの応援は国代表よりすごいもののような感じがしますが、この日もチームカラーの赤でこの日が新装OPENのスタジアムは染まって、球場全体がこだまするような大歓声、大合唱が繰り返されました。

 そして何よりもビックリしたのが、今のアイルランドではこれが決まりになっているのでしょうか?先週のテストマッチでも見られたようにペナルティーキックの時はその大歓声が止み全くの静寂となるのです。アナウンサーはDeadSilenceと言ってましたが、全くの静寂になるのです。これは敵味方変わらず、両者のペナルティーキックの際には物音を立てたらダメ!!という感じになるのです。だから2本目のペナルティーキックから解説を行うアナウンサーさえ囁くような小声になり、最後はもう話すことさえ止めていました。観客の中から誰かがヤジを飛ばしたり、歓声などを上げようものなら途端に”シーッ!!(黙れ!!)”と周りの人から遮られるのです。本当に静寂になるのです。くしゃみも許せないほど。

 このためかステファン・ドナルドは2度ほど簡単に思われたペンルティーキックを外していて、このキックボールがポールから外れていくとまた大歓声が戻ってくるのですが、本当に異様な感じでした。これはイングランドや南半球チームのサポーターには到底出来そうに無いことだと思いました。(もしかしたらNZではできるかも?)

 またゲーム前のハカはオールブラックスのハカが行われたのですが、その直前にはMunsterのNZ出身者4人がチームの前に出てこのハカをオールブラックスの前で行ったのです。これは感動的でした。観客もこれを後押しするような歓声。そして両軍気合の入った状態でゲームが始まります。

 ゲームはMunsterが素晴らしく激しいデフェンスを見せてオールブラックスの攻撃を食い止める。けれどオールブラックスのデフェンスもすごいのでMunsterはなかなか突破口が見つからずペナルティーキックでの得点から始まります。ドロップゴールも絡めてMunsterが20分までに9-3とリードします。

 その後のキックオフからオールブラックスの動きも回転数が上がり22分にやっとデフェンスラインを崩してトライをとって9-10としますが、前半終了前にオールブラックス陣地22m内でのスクラムを上手くコントロールしたMunsterが手薄になったブラインドサイドにボールを出してトライをとります。これで16-10.

 後半入ってABは45分に一本ペナルティーを決め16-13としますが、この後46分、55分と2本連続でペナルティーキックを外して観客の期待はどんどん高まっていきます。Munsterの方が押し気味になります。しかしこれはオールブラックスが自陣から攻めあがろうとするのだけどMunsterの全員の激しいタックルなどで阻まれてMunsterのほうが逆に守って前進してくる状態。

 Munsterも追加点を狙いますが、なかなか相手22mライン内までも入れない。69分に狙ったドロップゴールも外れます。そしてどんどん選手のほうが故障や足がつったりしてピッチに倒れこむ姿が増えていきます。ABも控えの選手をどんどん補強して行きます。

 時間はどんどん流れこのまま行くかなと誰もが思い始めた74分。センターライン上でABの攻撃でMunsterの選手がオフサイド。センターライン上ということでボールをサイドラインに蹴り出すAB。そしてこのラインアウトから一気にモールでMunsterゴールライン前まで押し寄せます。

 そしてこのモールから出されたボールをバックスが素早く繋ぎ、Wingのロコソコまで来たら、ロコソコがステップ一発フルバックのダグ・ホエットを交わしてトライをとります。これでやっと16-18。

 ステファン・ドナルドのコンバージョンがまた外れたことで3点差以内にとどまったのですが、時間はすでに77分。その後Munsterはキックボールを使って攻めてきたので最後はサイドラインにボールが出てゲーム終了となりました。負けはしましたがMunsterサポーターにとっては誰もが満足いくゲーム内容だったと思います。過去テストマッチ以外で唯一オールブラックスに土をつけているクラブチームとしての誇りはまだまだ持ち続けることが出来そうです。



 このゲームが終わった翌日には今週末行われるテストマッチ;ウェールズ戦へのオールブラックス22名が発表されています。

 先週のアイルランド戦からは怪我の影響からセンターにコンラッド・スミスに代えリチャード・カフイが入ります。またトニー・ウッドコックはこの段階で先発に入っていますが、もしかしたら先週のゲームでの相手フッカーを殴ったことでこのゲームは出場停止処分が出るかも知れず、ニーミア・ティアラタも風邪気味でプロップ先発、控えは当日まで分からない状態です。

 この22名が今のオールブラックス1軍的な感じですが、ジョー・ロコソコだけがMunster戦も含めての4連続先発ゲームになります。

 オールブラックス

 15;マリ・ムレアイーナ、14;ジョー・ロコソコ、13;リチャード・カフイ
12;マアア・ノム、11;シティベニ・シティバツ、10;ダニエル・カーター、
9;ジミー・コーワン

 8;ロドニー・ソイアロ、7;リチャード・マッコウ、6;ジェロモ・カイノ
5;アリ・ウィリアムス、4;ブラッド・ソーン、3;ニーミア・ティアラタ、
2;ケビン・メアラム、1;トニー・ウッドコック

 16;コーリー・フリン、17;ジョン・アフォア、18;アンソニー・ボリック、
19;キエラン・リード、20;ピリ・ウィープ、21;ステファン・ドナルド、
22;イサイア・トエアバ

0 件のコメント: