前のゲームのブルースvsクルセイダーズがトライ1つだけでとても硬いゲーム進行だったのに対して一転してこのゲームは派手な、スピード感溢れる、トライの取り合いのようなゲームになりました。またオークランドのゲームが結構静かに行われたのに対して、ブリスベンの球場では場内アナウンスもレッズサポーターをやたらあおるのでとても賑やかなゲームでした。
またこのゲームは今年のスーパー14の対戦を象徴するような取ったら取り返す、ブレイクダウンをなるべく避けるように、球出しを早く、そしてボール所持より相手陣地へのテリトリー支配重視のような展開が続いてともにアタックに比重を置くチームでの対戦だったのでとても面白いものになりました。
ハリケーンズはゲーム開始からこの日もまたスピードと力強さを兼ねた嵐のような攻撃を仕掛けてマアア・ノムが口火を切った後20分までに3トライ、そして32分にはボーナスポイントとなる4トライ目をコーリー・ジェーンが取ってゲームを決めたかに思えました。
これでハリケーンズは前半でセミファイナル進出、2位か3位を確実にしたのですが、13位のレッズはこのホームゲームでこれまでの鬱憤を晴らすかのようにハリケーンズにどんどんプレシャーを高めていきました。
前半にレッズは2つトライを取って14-24と折り返した後まだまだ行けると言う感じをつかんだのでしょう。後半入ってすぐにハリケーンズにトライを取られて14-31と大きく引き離されても攻撃の手は緩めずどんどんハリケーンズゴール前まで押し寄せます。52分にやっとフルバックのMarkMcLindenがトライを取って21-31として点数はまだ余裕があったのですが、ハリケーンズのメンバーにはかなり相手のプレッシャーが掛かっていたのでしょう。その後60分、64分にはもらったペナルティーを無難にキックで決めて21-37と安全圏に逃げます。
そしてピリ・ウィープ、スコット・ワードローム、アンドリュー・ホー、コンラッド・スミス、ニーミア・ティアラタなどの主力をベンチに下げた70分過ぎからもレッズの猛攻は続きました。72分にハリケーンズの攻めでの横パスを鮮やかにインターセプトしてWingが独走トライを決めると9点差となる28-37まで来てしまいます。
その後10分のゲーム終了まではレッズの猛攻が続きました。球場も非常に盛り上がります。76分にはキャプテンのJamesHorwillにパスが繋がれば絶対トライ間違いなしという場面になりますが、Horwillが痛恨のノックオン。その後も79分からゲーム終了のサイレン鳴り終わった83分までレッズは25回にも及ぶピックアンドゴーで攻め続けましたが、ハリケーンズのデフェンスを崩せず終わってしまいました。
シャークス 26-27 ブルズ
このゲームが今季最後のゲーム。そしていつもこの対戦は思いっきり盛り上がるカードで持ってお互い勝たなければならない使命があるのでこれまたとてもエキサイティングなゲームになりました。
シャークスはこのゲームにボーナスポイントを取って勝てればクルセイダーズを抜いて4位に滑り込めるのでゲーム開始からとりあえずトライ狙いのプラン。
ブルズも負けたら3位になって来週のセミファイナルには地元からはなれて遠征しなければならない。まして相手がシャークスとなると勝敗関係なくメンバーには気合がかなり入っているようでした。
ゲーム開始からお互いボールを動かし続けて、敵陣へガンガン攻め込みます。そしてお互い硬いデフェンスを見せてどこまでも続くかと思われる激しいボールの奪い合いが見られて10分までにはお互いトライを取るのはかなり難しそうに思われました。
その中15分にゴール前まで詰め寄ったブルズがデフェンスラインの前でボールを動かし続けてやっと右隅にトライを取り0-7と先行します。
この後すぐにシャークスの逆襲があるのですが、シャークスの1;Tendai・ビースト・Mtawariraがゴールラインに飛び込んだのはわずか15cmほど足りずノートライ。
この後もブルズはゴールライン上では守り固めます。シャークスは何が何でも4トライ取りたいので相手のペナルティーも簡単にキックで得点することはしない。この点は逆に見ているほうにはとても盛り上がる内容になりました。
ブルズのデフェンスはシャークスの猛攻を良く食い止めます。しかし相手の速攻、早いラックからの球出しに対抗するのにどうしてもペナルティーを犯してしまう。23分に危険なタックルでまず13;JP Nelがイエローカードを受け、その後JPが戻ってきてすぐ後34分にラックでのハンドリングでまたブルズはイエローカードを受け14人になります。
この2回のブルズが14人になった20分間の間もブルズは良く守り、逆にシャークスが得点できなかったのは最後に響きます。とりあえず34分にブルズのフランカーがゴール前でイエローカードを受けた後ラインアウトからモールで押し込んだトライがシャークスの前半取った唯一の得点となり、ブルズは14人の間にドロップゴールで逆に5-10と点差をつけ折り返します。
このハーフタイムの間にシャークスメンバーはまたかなりの見直し、そしてモチベーションを揚げたのでしょう。後半入ってすぐの44分と48分に連続トライを取ります。
44分のトライはまだブルズが14人の間でゴールライン前まで攻め込んだシャークスのパスをブライアン・ハバナがインターセプト失敗して14;OdawaNdunganiがゴールラインを切り、その後すぐブルズが15人に戻りシャークスゴールライン前10mまで攻め込んだところからシャークスはラックでボールを奪うとバックスにボールを展開、ここでまた14;OdawaNdunganiがハバナのタックルを上手く交わしサイドライン際を駆け上がる。そしてフルバック;Terblancheがつなぎ、1;ビーストがタックラーを引きずりながらもシャークス陣地中央まで進み、その後10;ピノアーが更にサイドライン際をボールを拾って走りこみ22m内に入る。ピノアーは倒されながらも後ろを見ることなく続いてくるだろうサポーターに託してボールを投げる。これを再び14;OdawaNdunganiが拾ってゴールライン手前まで来ますが、相手のタックルにあってトライできない。サイドラインに押し出されそうになりますが、上手く4;StevenSykesがボールを繋いでトライを取ります。あざやかな70mトライとなりました。
これでシャークスは3トライ目、得点も19ー10になりますが、ブルズもモチベーション下がらない。52分にまたもやシャークスゴールライン前まで攻め込み何度かのピックアンドゴーの後双子のブルズWingAkonaNDunganeのほうがトライを取り19-17、そして61分には10;MorneSteynのこの日2つ目になるドロップゴールで逆転して19-20となります。
もうこのあたりは勝敗がどうなるか誰も分からない状況。もしかしたらシャークスが4トライとって勝って、ブルズが負けたらセミファイナルには3.4位ですが、南アフリカ勢が2チーム残ることも話されていました。
激しいボールの奪い合いが続きましたが、70分にシャークス陣地内でシャークスがペナルティーを犯します。ブルズはここで十分Steynのキック射程距離内だったのですが、4点差では足りないと思ったのか?ラインアウトからのトライ狙いにします。この狙いが上手くいきブルズはピックアンドゴーの後トライをもぎ取ります。これが決勝点と誰もが思ったでしょう。19-27となり時間も75分。けれどシャークスのメンバーは全員あきらめませんでした。
76分に自陣深くでボールを取るとそこからボールを展開して前進を始めます。78分にセンターラインを越えブルズ陣地に入る。そして繋いで、ボールをキープして79分にはゴールラインになだれ込みます。これは攻守乱れてたくさんの体が重なりボールはブルズの選手に阻まれタッチダウンできてなかったのですが、80分に5m前のスクラムからシャークスのNo。8;RyanKankowskiが飛び込んでトライを取ります。これがシャークスにとっての4つ目のトライ。シャークスサポーターは歓喜。そしてハーフバックのRoryKockottはトライを取った直後すぐ後にドロップキックでコンバージョンキックを決めメンバーはすぐにキックオフが出来るようにセンターラインに戻り掛けます。南アフリカの主審には大歓声で終了のサイレンは聞こえなかったと思われますが、無線で時計を確認してシャークスには無常となる終了のホイッスルを吹きました。
これで来週行われる今季のスーパー14のセミファイナルはブルズvsクルセイダーズ、チーフスvsハリケーンズの2ゲームとなりました。
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