2009年5月23日土曜日

5/23 09'スーパー14 セミファイナル チーフス vs ハリケーンズの結果

やりましたねー。チーフスが始めての決勝進出を果たしました。やっぱりすごいゲームになりましたが、実はチーフスよりもハリケーンズのほうが勝つような気がしていたのですが、まあどちらが勝ってもおかしくない内容でした。

 ともに前回のゲームと同じく激しいボールの奪い合い、攻め合い、そして見事なデフェンスが見られたのですが、わずかなところのミスがハリケーンズには大きな結果を招いた感じです。

 これでチーフスは来週の決勝戦をブルズかクルセイダーズと当たることになるのですが、その決勝戦にはこの日のトライに大きく貢献した主力がもしかしたら出て来れなくなるかもしれません。シオネ・ラウアキがヘッドノックで後半52分にはベンチに下がり、シティベニ・シティバツが後半終わりかけの77分にまたもや肩を脱臼したみたいでベンチに下がって来週のゲームにはこの大切な攻撃の要を失うかもしれません。

 チーフスはこのゲームの前にブレンダン・レオナルドとリチャード・カフイを失ってその代わりに先発したトビー・モーランドと13;DwayneSweeneyのデフェンスなどが心配されたのですが、このゲームでは違いました。トビーモーランドは何度もラインブレイクに絡む活躍が見られ、ラック、スクラムからのボールさばきも無難にこなして、DwayneSweeneyも対するマアア・ノムやコンラッド・スミスのアタックを素晴らしいタックルでよく食い止めていました。

 ただプロップのベン・メイを失ったところはやはり付け込まれて両軍最初のトライとなったハリケーンズのトライももともとはチーフススクラムをハリケーンズのフロントローが上手くまわしてボールを奪ってハリケーンズスクラムとしたところから始まりました。

 そのトライが取られる19分まで両軍の攻撃、そしてデフェンスはキックオフからずっと素晴らしい動きが続きどんどん熱くなる感じでした。この夜ハミルトンは冷え込みがきつく選手は皆半袖、トランクス姿でしたが、グランドレベルは0度か1℃ぐらいというとても寒い状況だったみたいですが、この19分ぐらいには選手の体、頭から湧き上がる湯気がものすごくスクラムの後はその場に一瞬雲が残るような状況でした。

 チーフスは前半からボールを細かく動かし続けてフィールドを横に大きく使って攻めたり、敵陣でのラインアウトはショートラインアウトでボールを展開させる攻撃を主体に見せましたが、この動きに出だしよくハリケーンズのデフェンスはマークを外さず守ります。

 ハリケーンズは自陣からはキックを使い縦にボールを動かし、最初はレリア・マサガなどが標的になっていましたが、敵陣に入るとピックアンドゴーで前進。この日は前回の反省からブレイクダウンではミスを抑える攻撃が見られました。しかしこのハリケーンズの押し寄せにチーフスのデフェンスも隙間を全く見せない。

 そんな状況の中で19分ハリケーンズは22mライン手前のスクラムで逆転し、ボールをバックスに展開、すぐにチーフスのラインデフェンスが押し上げてきましたが、上手く10;WillieRipiaが6;VictorVitoにボールを繋ぐとビットーは密集の中を力強くすり抜け、ゴールライン手前5mほどまで突き進みます。そして後ろからサポートに来たノムにパスが渡ってトライ!

 この今季最後となったゲームでVictorVitoは素晴らしい動きを随所に見せつけました。また、このトライの後のコンバージョンキックはこの日になってピリ・ウィープに託されました。これをウィープ気負うことなく決めて0-7とします。

 この後からはチーフスの攻撃時間。ガンガン攻めたてるチーフスでしたがハリケーンズも守る。けれど26分になってゴール前まで攻め込まれたところでのラック内で1;ジョン・シュワルガーが手を使ったと主審に判断されイエローカードが出されます。

 このペナルティーをチーフスは無難に3点取るかと思われたのが、なんと地元であるチーフスのキッカー;ステファン・ドナルドがポールにボールを当てて3点を逃します。

 それでもチーフスの攻撃の手は緩まらず攻めの姿勢は崩れません。何度かハリケーンズの押し上げる守りに自陣まで戻されることもありましたが、14人のままのハリケーンズデフェンスをこの日初めて鮮やかにブレイクしたのはこのドナルドでした。32分に自陣10mまで戻されたチーフスの攻撃もラックから送られてきたボールを持ってパスを出すかのフェイクを一つ入れてラインブレイクしたドナルドは左側にボールを展開、シティバツ、4;CraigClarkeにボールが渡り前進しながらも人数の少ない左へと更に進む。そして左サイドライン際を上がってきたシオネ・ラウアキにパス。ラウアキはボールを受け取るとステップを踏みハリケーンズの15;コーリー・ジェーンを抜き去り、そのまま真っ直ぐライン際を突進。後ろから襲い掛かるロドニー・ソイアロのタックルもハンズオフでなぎ倒し、一気にゴールラインまで駆け抜けトライを取ってしまいました。この後のキックも決まり7-7の同点になります。

 このまま前半は終わり、どうなることかその後の展開が読めないまま後半が始まります。後半もお互い激しい凌ぎあいが続きます。42分にチーフスはペナルティーで3点取れるチャンスが訪れますが、これもドナルドは外します。

 ハリケーンズの攻めの時間がやってくるかなと思い始めた51分、ハリケーンズはハイキックを揚げて敵陣へのカウンターを狙います。これを自陣10mライン付近で受けたフルバック;ムレアイーナはすばやく逆カウンターを狙い、自らボールを持って走る。そしてシティベニ・シティバツにパスを出すとシティバツはぽっかりと穴の開いたハリケーンズデフェンスの隙間を爆走。

 ハリケーンズ陣地10mを越えたところで後ろから来るトビー・モーランドにパス。このときにはすでにハリケーンズのデフェンスよりチーフスの攻めこむ人数のほうが多い状況が出来る。そしてモーランドがもたもた走る中、後ろから駆け上がってきたムレアイーナがパスを受けるとモーランドを抜き去りゴールポスト下にダイビングトライを決めました。これで14-7。

 この後からはハリケーンズが猛攻に出ます。55分にセンターライン上でペナルティーを得てキックで狙いますが、さすがにこのウィープのキックは距離が足りず得点できない。それでもハリケーンズのアタックはきつくなる。これに付いてくるようにチーフスのデフェンスも激しく燃える。

 64分にハイタックルで得たペナルティーキックをウィープが決めて14-10の4点差まで来ますが、チーフスの守りはそれ以上のミスを犯さない。

 そして77分からはなんと球場に霧が立ち込めてきます。それもあっという間に深い霧が入り込んできてTV映像もロングショットでは何が映っているかも分からないほどになります。それと同時にハリケーンズは自陣で得たペナルティーをチーフス陣地22m内のサイドラインまでボールを蹴りだし、最後のラインアウトからの逆転トライを仕掛けます。

 ラインアウトからのスローインがほぼ80分となりましたが、ボールを取ったハリケーンズのフォワードはゴールライン目指してラックを繰り返します。これを守るチーフスフォワード。

 後から聞けばこの際ゴールライン上で守っていたチーフスのバックスには何が起こっているかは霧が濃くて全く分からなかったらしいのですが、ハリケーンズのフォワードがついにボールをこぼし、ノックオンを取られ、主審が終了ホイッスルを吹き、選手が喜び、両手をあげ、歓声を上げて、それがチーフスのメンバーだというのがわかってやっと勝ったことが分かった見たいです。

 2万5千の満員の観客にも最後はどうなっているか分からなかったと思いますが、霧の中でハリケーンを食い止めたチーフスが最後は笑ったゲームとなりました。

 この様子をせめてハイライトで見たい人は左側のサイドバー内にある”スーパー14ゲームハイライトビデオが見れるサイト”で見ることが出来ると思います。

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