それにしても記録となる4つのドロップゴールを決めたMorneSteynは素晴らしかったのですが、クルセイダーズサポーター側から見るととてもとても憎たらしい存在となりました。これまでワールドカップなどでもその勝敗の決め手となったドロップゴールに対して賛否両論出てきましたが、今回はさすがに悔しいというかとても面白くないゲームに私にはなりました。
それでも球場に詰め掛けた5万2千人の観客には面白すぎるゲームだったと思います。サポートするチームが最初は劣勢で、次第に調子を上げていき同点、そして逆転、最後は相手を封じ込めて逃げ切り。まして常勝チームのクルセイダーズを倒す気持ち、07年にはこのクルセイダーズを破ってその後優勝したという過去からもう乗りまくりの状態に陥ったと思われます。来週はその勢いのままチーフスを粉砕しそうに思えます。
ゲーム開始前にはさすがにあまり期待していなかったクルセイダーズでしたが、アンディー・エリスも先発で出て来れて、遠征の疲れなど見られない様子で、実際ゲーム開始からすぐにブルズ陣地に攻め込む勢い、ブルズにはあまり強いプレッシャーが感じられず特にスクラムを圧倒するのを見ると、もしかしたらこれは行けるかも?という気持ちが出ました。
このスクラムを圧倒した結果5分にまずペナルティーゴールでクルセイダーズが3点先制します。すぐ後ブライアン・ハバナがラックから出されたパスを受けてクルセイダーズのラインデフェンスの乱れを突いてゴールポスト下に飛び込み11分に7-3となりますが、クルセイダーズはすぐに主導権を取り戻し、16分にはすごく上手くて早いパス回しでラックからのボールが14-12-11と渡されサイドライン際駆け抜けた11;ホワイトロックが2人のタックラーに倒されながらも左隅にトライをあげ、そしてこの難しい角度のコンバージョンもレオン・マクドナルドが見事に決めた時は本当にクルセイダーズは行けるような想いが出てきました。
この想いがどんどん確信に変わっていく事がその後も続きます。7-10となった後のキックオフからまだまだクルセイダーズは攻め立て、ラックでも支配して19分に相手オフサイドからのペナルティーゴールで3点追加、そして23分にはブルズ陣地に入ったところからステファン・ブレッドがハイパントを蹴り上げ、これがちょうど狙い目良くゴールライン手前にボールが落ちてくる、これに突っ込んでいったのが6;長身のキエラン・リードで相手の14;AkonaNdunganeより早くボールをキャッチしてそのまま倒れこんでトライを取って7-20となり、もうこの後は守って、後一つぐらいトライを取れれば勝てるような思いになっていました。
実際クルセイダーズの守りは素晴らしく硬くて、なかなかブルズの攻撃もライン突破が出来なかったのですが、これだからブルズはキックボールを多用して攻め込んできます。そのキックボールを蹴り出す10;MorneSteynそしてフルバックのZaneKirchnerが非常に上手い。ハイパントにしても敵陣深くサイドラインに蹴り出すのも見事なキックが続きます。
そして30分以降から次第にこのキックボールで敵陣にボールを送りラインアウトからフォワードがラインデフェンスにガンガン突っ込み、そこにデフェンスが集まったところですばやくそして大きく横に展開してクルセイダーズ陣地に押し入るようになります。クルセイダーズも守るのですが、ついに32分にWingのAkonaNdunganeが右隅にトライを取ります。MorneSteynのコンバージョンキックも冴えて14-20となります。
この後からはあれよあれよと8分間の間にブルズは同点にして逆転してします。ここに出てくるのがMorneSteynとNo.8のPierreSpiesでこの二人は本当に素晴らしい働きでした。
まず35分にブルズが勢いのままクルセイダーズ陣地22m内に攻め込んでスコット・ワードロームがオフサイドポジションでの反則でイエローカードを受け、このフリーキックからブルズはトライ狙いにいきますが、ラインデフェンスが硬い事からすぐにMorneSteynがこの日1発目のドロップゴールを決め17-20。その後すぐのキックオフ後も同じような攻めからクルセイダーズ陣地22mライン前まで来るとすかさずステインが2発目のドロップゴールで同点の20-20となる。
クルセイダーズも前半終了前に勢いだけは取り戻そうと攻めに転じますが、自陣から14;JaredPayneが蹴り上げたデフェンスライン裏に落とすキックアンドランのボールは9;フォーリエ・デュ・プリエーがまともにキャッチして、すばやく中央の8;PierreSpiesにパス。Spiesはボール受けると自陣10mラインから隙間の出来たデフェンスをすり抜け中央突破。彼はまるでWingのように誰にも追いつかれること無くゴールポスト下まで一直線で駆け抜けトライを取ります。このコンバージョンが決められ23-20となったところで前半終了。
後半入ってクルセイダーズは戦術も変えてきましたが、ブルズはよりセットプレイをまとめ、ボールを支配していきます。この日前半はレオン・マクドナルドやステファン・ブレッドのキックプレイはブルズ相手に有効的だったのですが、後半マクドナルドがコリン・スレイドと代わり、ブレッドも出血からたびたびベンチに戻ったりして、このキックプレイでの攻めが出来なくなり、サイドラインへ蹴り出すことも無く陣地挽回の為敵陣に蹴り返すのも逆にそこからカウンターアタックを受け攻め込まれるようになっていきます。
50分にアンディー・エリスが敵陣22mライン上でのペナルティーのアドバンテージ内にドロップゴールを決めて27-23としますが、どんどんブルズの優勢がましていきます。これを手助けしたのはやはり大観衆で後半には5万2千のBigWaveもしばらく見られ、歓声もヒートアップしていきました。
ブルズはその後もキックボールで敵陣に入り込み、ラインアウトを支配。そしてそこから更に前進。これに対してクルセイダーズも良く守るのですが、攻め込むことが出来なくなります。
65分にはこのラインアウトでブラッドソーンがペナルティー犯し、ペナルティーキックでブルズは7点差をつけます。逆襲したいクルセイダーズでしたが、キックオフ後すぐセンターライン上でコリン・スレイドがなんでもない簡単なパスを受け損ないボールをこぼし、それに付け込まれて一気に22mライン上まで攻め込まれると、ここでまたもやステインがドロップゴールを決め畳み掛けます。
33-23になりどんどんサポーターの声援は高まります。そして69分にはクルセイダーズの22mライン内からサイドライン外まで出されなかったボールをセンターライン上で取ったステインがそこからすかさずとどめのドロップゴールを決めます。
この時点で球場の歓声は最高潮に達し、誰もが勝利を疑わないようになります。実際TVのコメンタリーもクルセイダーズの負けを認めるような解説になりました。その通りブルズは残り10分を硬く守りに入り、攻めるのも時間を掛けていきます。最後の2分間はセンターライン近くの自陣という安全地帯でラックを繰り返すことでボールをキープし続けてゲーム終了とさせました。
この様子が来週も繰り返されることになるのでしょうか?ブルズの有利なことはこのゲームを見てますます感じましたが、チーフスに何か奇跡的なことが起こることを祈りたい心境です。
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