2009年6月21日日曜日

6/21 オールブラックスvsフランス 第2戦 観戦記

 オールブラックスはさすがに今季2戦目のゲームは負けませんでした。前回の敗戦よりしっかりと立て直され、問題点は修正されたゲームでフランスを14-10で退けました。

 けれど点差から分かるように圧勝とは行かずテストマッチらしい激しい攻防でした。最後はまたフランスが劇的逆転勝利を挙げるかも?と少しだけ心配したこともありましたが、デフェンスも今度のゲームではしっかりと固められ攻めて終えることが出来ました。

 ゲームの行われたウェリントンはこの日あいにく最悪の天気でゲームが始まってしばらくすると雨が降り始め、風も吹き、とても滑りやすい、そして寒い条件となってしまい、キッカーにはとても辛い状態で、ゲーム開始からすぐにABが攻め込んでゴールライン前でペナルティーを得ますがキックボールは風にあおられ先制点をとれません。この後ステファン・ドナルドがキックで得点できたのは16分のペナルティーキック、25分のコンバージョンともに外した後の前半終了間際38分にやっとペナルティーキックが決められたぐらいになりました。

 この条件はフランスにとっても同じで5分過ぎにいきなりドロップゴールから先制点を狙う試みが外れた後、30分のペナルティーキックを9;JulienDupuyはゴールポストにあて、34分にも45mの長めのペナルティーを外して前半は得点が出来ませんでした。

 この条件に加えて、ともにブレイクダウンでは強く、ラインデフェンスはきついプレッシャーが常に掛けられるので相手ラインの裏にボールを蹴り出すことが多いゲームになりました。それでもこのゲームではABのフォワードがみんな動き回ります。先週のゲームに比べると断然ブレイクダウンでも強く当たり、すばやく動き、隙間にどんどんボールを持って走りこみます。

 バックスの動きは前半まだ先週のゲームのようにコンビネーション的にかみ合わないところが見られたりしてボールをこぼす場面が見られましたが、フォワードの動きがブレイクにつながり、またトライチャンスにもガンガン絡みました。

 AB最初のトライは24分、フランス陣地中央でのABスクラムからまずこの日初めてNo。8に入ったキエラン・リードがブラインドサイドに走りこみ、6;カイノに繋ぎ22mライン上でラックが出来る。その後また今度は2;ケビン・メアラムが隙間を付いてゴールライン手前5m前まで突っ込む、ここでまたラックが出きるが、この日もそして先週のゲームではゴールライン上のラックでフランスが踏ん張りボールを奪ったり、球出しが遅くなったりしたけどこの時はフォワードの集散がすばやくジミー・カーワンからもすぐにバックスにボールを供給することが出来てジョー・ロコソコ、そしてマアア・ノムとボールが繋がれトライを取ります。

 この後すぐにまたABはトライチャンスが訪れますがビデオ判定の結果、相手の腕が邪魔してトライにはならなかった場面はABお得意の全員参加で流れ込むように早くて強い動きが見られました。このように前半は陣地獲得率もボール支配率もABが6-7割を占めフランスの守りは依然硬いのですが、得点チャンスを作らせませんでした。

 このフランスに攻撃の切っ掛けを与えるのを断ち切った活躍者として画面を見ていてこの日は断然4;ブラッド・ソーンの気合がみなぎっているのを感じました。前半フランスのラインアウトでは何度もボールに絡み、ラックでは何度も何度も強烈なぶちかましが見られ、後半にはスーパセーブも見られました。

 先週の負けの後心配されたゲームは前半を見た限りは得点は少ないけどゲームを支配しているので安心できましたが、後半入ってそれもすぐに吹き飛びます。まずドナルドのキックオフのボールが直接サイドラインを切って、センターライン中央でのフランススクラムに代わり、このスクラムでABはペナルティーを取られ、先週のゲームでは良く決めていた9;JulienDupuyに3点のチャンスを与えます。この時点では風も雨も振っていなかったのですが、9;JulienDupuyのキックはわずかに届かずABの22mドロップオフに変わります。

 この後ABはセンターラインまでボールを運びますが、ブレイクダウンでボールを奪われ、フランススクラムに変わります。このスクラムからのボールがバックスに流され左サイドライン際までつながれるとまずフルバックが相手タックルを交わしながら左端を走りこむ11;CedricHeymansにパス。パスを受けると同時にコーリー・ジェーンがタックルに入りますが、これをCedricHeymansはすり抜け、サイドライン際を真っ直ぐ駆け上がる。22mライン手前でムレアイーナと1対1になりますが、これをステップで交わし更に駆け上がる、マジかよと思う間も無く、キエラン・リードのタックルを交わし、中に切り込むと同時にジョー・ロコソコも交わしてそのままゴールラインにトライを上げました。4人抜きの素晴らしいトライでムードは一転します。得点も1点差の8-7に。

 この後ABは前半と同じくボールを支配しながらフランスゴールラインを脅かしますが、ゴールライン上でフランスは守り抜きます。2度もそんなことがあった後55分にやっとラックでペナルティーを得てドナルドがキックで決め3点追加、この頃からまた風雨激しくなり時折みぞれ交じりの状態になります。

 フランスはこの条件の中ボールを高く蹴り上げプレッシャーを掛けます。57分にハイパントのボール処理に手間取ったところでAB22m内でペナルティーを取りますが、左側からのキックは大きく風に流され右側に外れます。

 その後もお互い風雨の影響をお互い受けながらABは攻めますが、フランスは硬いラインデフェンスで守り、そしてボールを奪います。60分に自陣5mほど入ったところ右端でのフランスモールからボールがバックスにすばやく回され、左端の11;CedricHeymansにボールが届いたときには前に誰もいない状態になり、またもやサイドライン際を真っ直ぐと駆け上がる。そしてAB陣地中央ぐらいに達するとHeymanは今度はゴールラインに向け小さなキックボールをデフェンス裏に上げます。これに突っ込んで来ていたのがもう一人のWing;VincentClercで、彼がこれまた上手くボールのバウンドに併せてキャッチする。そしてボール拾ったところから後もう3歩ほどでトライとなるところに駆け戻ってきていたブラッド・ソーンのタックルが襲い掛かる。このタックルにVincentClercはゴールライン上でボールをこぼしてしまいます。観客からは歓声と同時に悲鳴とため息も聞こえました。

 この後ABはドナルドに代えルーク・マクアリスターを投入、彼が65分に得たペナルティーキックを弾丸キックで決め14-7の7点差に広げます。しかしこの後すぐのフランスキックオフのボールをメアラムが落として、そしてオフサイドを犯しすぐに3点を返され、14-10となります。一つのトライで逆転可能範囲にフランスは留まりますが、ABは攻めて守ります。

 マクアリスターが入って、またコンラッド・スミスに代わりイサイア・トエアバも投入され、ABの攻めの際バックスのパス回しに一瞬先週のインターセプトトライを思い出してしまいましたが、70分以降ABは守りも固め、フランスのあせったプレイによるミスにも助けられフランス陣地に居座るままゲームを終えることが出来ました。

 オールブラックス 14-10 フランス (前半8-0)

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