2010年2月17日水曜日

スーパー14 10’シーズン オーストラリア&南アフリカチームの見所

オーストラリアチーム
 オーストラリアチームはここ数年昔ほど強いイメージを与えるチームがなくなってきていますが、それでも今後が楽しみな若手はどんどん出てきています。今年は大物の移籍によって各チームの実力の差が特に顕著に出そうです。

 ワラターズ
 昨年はポイント差だけでクルセイダーズにセミファイナル進出を阻まれて5位に終わりましたが、オーストラリアチームとしては最高位。これが今のオーストラリア全体の強さを象徴しているように思えますが、今年はここにはレッズからベリック・バーンズ、そしてフォースからドリュー・ミッチェルという大物を獲得して上位を狙います。
 ここ数年このチームのゲームは得点力が低く、攻めも単調、硬く守るけどどうしても面白みの掛ける内容として捉えられ、ホームゲームでさえ時にはスポーターからブーイングが出るほどです。
 これがバーンズとミッチェルの加入によって変わるか?人気があって、唯一ボールを持ったら歓声の上がる選手だったロテ・ティキリがラグビー協会から契約を打ち切られ昨年7月からいなくなったけどこの二人の加入によって面白い攻撃スタイルが見られるようになるでしょうか?またチーフスからソセネ・アネシが入ったことによる変化も多分にありそうです。
 フォワードは相変わらずワラビーズ代表を数多くそろえる布陣が組めますが、今年もキャプテンとして君臨するフィル・ウォーもさすがに昨年ぐらいからワラビーズでも先発を外されてきていて、今年ぐらいが最後になるような気がします。また強力No.8のワイクリフ・パルもワラビーズに出たり入ったりの状態ですが、今年結果を出せなければ来期ぐらいはヨーロッパに移籍するかもしれません。
 今シーズンは前半は南アフリカチームと対戦が集中して後半にNZチームと当たる日程。セミファイナルへの進出を狙う他のチームにとってはこのワラターズの勝敗、ボーナスポイントの獲得は今年も大いに注目されるでしょう。

 ブランビーズ
 このチームこそ今年のオーストラリアの中では最も活躍が、そして優勝争いまで期待されるチームでしょう。ここも昨年から強力なメンバー補給に成功してすでにシーズン開幕前から昔のサポーターが戻ってきているような感じです。

 その昔のサポーターが期待するように大型補給は全て過去ワラビーズを支えたメンバーだからです。まずフォースからマット・ギットウを4年ぶりに取り戻したのが大きい。そして元ワラターズで1年間だけアイルランドに移籍していたロッキー・エルソムを獲得したのも大きい。彼は昨年のトライネーションからワラビーズに復帰してヨーロッパ遠征ではワラビーズキャプテンまで務めました。そしてかなり昔の人になったような、ジャスティン・ハリソンもこのブランビーズに戻って来ました。35歳となる彼ですが、05年にオーストラリアを離れてからヨーロッパでプレイし続けてきた実績があります。昔の彼を覚えている人にはプレー中に見せるそのどうしても憎まれそうな彼の行動をまた期待するようになるでしょう。

 どうしてもベテランばかりの話にこのチームはなるのですが、モートロックもまだまだ破壊力抜群で、来年のワールドカップまでは続けそうです。しかしこれまでズーットワラビーズのNo.7に君臨してきたジョージ・スミスも今季でオーストラリアラグビーからは引退することを先日決め、今シーズンこのブランビーズでのプレイが見納めになります。

 今シーズンはこのブランビーズが全オーストラリアラグビーファンの期待が寄せられるような気がします。昔の栄光が取り戻せるでしょうか?

 日程的には強豪とアウェイばかりで当たるのがどういう結果に繋がるか?このチームもホームでは負けないのでこのアウェイでの1戦1戦が非常に大事になるでしょう。

 フォース
 今年はこれまでよりも悪い年になりそうです。やはりマット・ギットウを手放したのは大きいでしょう。それでも若手がどんどん育っているのは確かなことなのでもしかしたら勢いづけば一波乱起こす存在になるかもしれません。 今年注目の若手はやはりジェイムス・オコ-ナ。そしてジョージ・スミスを引退に追いやったデビッド・ポコック、そしてNo.8のリチャード・ブラウン。
 若手の活躍を見るのは楽しみですが、チームとしてはもしかしたら他のチームにとってのカモになるかもしれない今シーズンです。

 レッズ
 ベリック・バ゙ーンズが移籍してしまったレッズですが、今年は昨年まで12位以上のポジションにあがったことの無いのもマシになるかもしれません。
 ここの攻撃力は見ていて面白いものがありますが、それを今年は若手が、しかも昨年からワラビーズに上がっていったWillGeniaとクェイド・クーパーが支えます。この二人はワラビーズのホープでもあるでしょう。但しクェイド・クーパーに関してはあまり素行がよくない見たい。(昨年なんと窃盗で警察に捕まっている)
 そしてコーチに元ワラターズのコーチであるEwenMcKenzieが付いたことからここのデフェンスはマシになるかも知れない。特にこのチームのフォワードにはこれまで弱点が指摘されてきたので、それが改善されるかもしれません。

南アフリカチーム
昨年はライオンズの南アフリカ遠征があって、今年はサッカーのワールドカップが開かれる。そんなラグビー界と国内での盛り上がりが今年も南アフリカチームに影響するでしょうか?今年もニュージーランドチームにとってはどのゲームも侮れないものになるでしょう。

 ブルズ
 今年はどのチームも打倒ブルズで来るでしょう。しかし今年もしっかり優勝候補であるはず。ホームゲームでは08年4月から負け無しが続いているので球場にはますますサポーターが押し寄せることでしょう。

 スケジュール的にも今季は隠したチーターズ戦がアウェイで始まるけどその後は4ゲームホームゲーム、そして遠征4ゲームではあまり強豪とも当たらずホームゲームが最後に3つ続く恵まれた日程と言って良いでしょう。

 今季からブライアン・ハバナを放出しましたが、残るメンバーはフォワード最前列からフルバックまでスプリングボックス代表選手をずらりと並べるに加えてフッカーに元代表のGaryBothaが戻り、また日本に行っていたヤコ・バン・ダ・ウェスタイザンが戻ってフルバックを補強します。そしてハバナに代わるWingerとしてGerhard van den Heeverはそのハバナを凌ぐ実力、走力を誇ると期待されています。

 今年このチームに土をつけることが出来るチームが現れるでしょうか?もしかしたら最終戦のストーマーズ戦まで全勝で行くかもしれません。

 シャークス
 今年は昨年ほどまでの脅威は感じられないと思います。スーパーキッカーのフランシス・ステインがフランスに出稼ぎに出ていなくなりその代役は見つからず、ルーアン・ピノアーにしろ膝の手術後今年の活躍には?マークが付きそう。これによって昨年でさえ下から3番目に低いトライ数だったので今年もその得点力には期待できそうにありません。

 しかしスプリングボックスそのままの前列3人がそろうフォワードのスクラムとガンガン押し上げてくるデフェンスの硬さは今年も代わらずどのチームにとっても脅威になるでしょう。

 ただ昨年の8週目までトップを独走していたにもかかわらずチーターズに破れてからどんどん順位を下げて結局6位に終わったように格下と思われる相手に負けてしまう癖みたいなのがこのチームにはあります。また今季の日程的にも遠征5連戦ではクルセイダーズ、ワラターズ、ブランビーズ、ハイランダーズ、そしてハリケーンズと強豪とばかり出会うことになって今年は昨年見たいな盛り上がりは見られないと思われます。

ストーマーズ
 今年南アフリカチームで上位に行きそうなのがこのストーマーズ。昨年は10位に終わりましたが、恐らくベスト4争いに絡んでくるでしょう。
 今年の目玉はなんと言っても大型補強。ブライアン・ハバナをブルズからそして怪我から復帰したジャック・フォーリエをライオンズから招き入れています。二人とも世界のインターセプトトライの筆頭といっても良くこれでますます相手チームはアタックしづらくなるでしょう。
 それでなくともこのチームの防御率は非常に高いのでこの二人からのインターセプトトライがまた増えそうにも思えます。
 日程的にもライオンズ戦の後ホームゲームが5つ続いてその後格下と思えるチームとアウェイで4連戦。ブルズと同じく今年は日程も味方しているように思えます。
 またこれまで憎まれ役が多かったシャック・バーガーがキャプテンとなっておとなしくなるか、それとも熱くチームを引っ張っていくか見ものでもあります。

 チーターズ
 今年も最下位争いをしそうなチーム事情ですが、昨年2勝だけあげたその相手はシャークスとクルセイダーズだったことを忘れてはいけません。時々このチームも奮起します。
 またキャプテン、JuanSmithが昨年とは違いシーズン通して怪我無く出ることが出来たらもう少し勝ち星を挙げることが出来るでしょう。

 ライオンズ
 このチームの注目するところは唯一カルロス・スペンサーが入ることです。元オールブラックスの彼も34歳になってさすがに80分間フルでの出場は難しいと思いますがまだまだそのパスワークや鋭いアタックにはかげりがありません。この動きにライオンズの若い選手達が付いていければ面白くなるでしょう。

 昨年同様そのデフェンス力の低さを修正できなければ相手チームにとってのボーナスポイント貯金箱チームになりそうです。恐らく今年も最下位争いをすると思われます。

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