オールブラックスはウェールズを粉砕。5トライ取って相手には一つもトライを取らせない圧勝となりました。
けれどゲーム前に予想したほどオールブラックスの強さが見られたことは無く、前半は特にウェ-ルズ有利のような展開にもかかわらずいつの間にかオールブラックスが勝っているといった内容でした。
後半入ってからは巨人が目覚めたようにウェ-ルズを圧倒していきましたが、特にこの日はカーターの二つのトライがなんと言ってハイライトだったでしょう。また、この日途中からピッチにたったリチャード・カフイ、トニー・ウッドコックが久しぶりの大舞台にもかかわらずその存在感を見せ付ける活躍が見られたのも収穫あったゲームです。
ゲームはこの日が新築中のドーム球場に代わる為ラストゲームとなるダニーデン、カリスブルックで行われましたが、特別な日いうことでもゲーム前のハカはカマテではなく、このカリスブルックが初めてお披露目の場所になったカパ・オ・パンガでした。
カーターのキックオフからは始まったゲームは最初から両軍の動きがあまり大きく動かずお互いボールを持ってセンターラインを挟んで10mライン内での攻防が続きましたが、次第にウェ-ルズのボールを持って細かくパスを繰り返し、徐々にだけど陣地を奪っていくようになります。
しかし最後には激しいデフェンスによるノックオンやサイドラインに押し出されたりしてゴールラインまでには程遠い感じでしたが、断然ボール所持率とテリトリー支配率はウェ-ルズが支配してちょっとオールブラックスのスタートダッシュを期待していたのが外れます。
オールブラックスがボールを持っても大きな動きや早いアタックは見られずウェールズのフラットなデフェンスにも阻まれ自陣からもなかなか抜け出せない状態が続きます。そしてウェールズはステファン・ジョーンズの意表をつく開始3分でのドロップゴールから始まり15分にセンターライン付近からのロングショットを14;ハーフペニーが弾丸ライナーのキックで決めて0-6とリードします。
この後直ぐ、オールブラックスにもやっと目立った動きが見られ始め、キックで相手陣地深くまで運んだラインアウトでボールを奪ってやっとウェールズゴールライン手前まで攻め込みます。そこで相手が犯したペナルティーをキックから3点取るのではなくジミー・コーワンがこのチャンスをすばやくトライに結び付けようとマッコウの指示を聞く間も与えず自らゴールポスト下に突っ込みます。一旦ラックになりますが、これをサポートしたケビン・メアラムがボールを拾ってゴールポスト下にダイブ。トライを取ります。
この後次第にリズムを取り戻したオールブラックスはテンポを早めていきますが、ウェールズもデフェンスを固め依然ボール支配とテリトリーはオールブラックスには譲りません。けれどABの硬いデフェンスの壁を崩すことは難しいと見たバックス陣はハイキックで攻め込むことを多用して行きます。これがウェールズにとっては失敗だったようです。ゲーム開始から見られたようにボールを持ち続けて走り回り、展開を早く繰り返していけばいつかは突破口が見つかったかもしれませんが、デフェンス裏にハイボールで攻め込んでも逆にABのバックス陣からカウンターアタックを食らうことになりました。
このカウンターアタックを含めてこの日のバックスで良かった一人はコーリー・ジェーンでした。彼は既にオールブラックスの攻撃陣での要といった貫禄が見られています。32分にこの日のAB2つ目のトライはウェールズのデフェンスのミスもありますが、ラックからこぼれたボールを拾った後独走、3人のタックルをかいくぐってトライを取ったのがコーリー・ジェ-ンです。これ以外にもパスにハイボールのキャッチ、そしてカウンタ-アタックと随所に見せ場を作り出します。これに対して先週のゲームで活躍が見られたイスラエル・ダグはまずまずの動きだったのですが、この日はゲームの流れから見るとちぐはぐな動き、無駄なキックなどが見られ、期待はずれとなりました。そして前半の途中ハイボールの処理の際受けた脳震盪で後半からはリチャードカフイと交代、恐らくこの後遺症から来週のゲームには出てこれないようです。
前半はこのようにウェールズがゲームを支配しているけど得点には結びつかず、オールブラックスにとってもボールがもてず、持っても直ぐにノックオンなどで続かない内容で終始し後半に向かっていきます。
後半はABが3トライとって楽勝ムードに最後はなるのですが、全体の動きもどんどん良くなって行きます。まず後半入って5分にトニー・ウッドコックがベンチから出てくるとスクラムですぐさま実力発揮、相手のペナルティーを誘って3点をキックで取ります。
そしてどんどんABのボール回しもすばやく、繋がるようになり、ウェールズのデフェンスにもほころびがどんどん出てきます。その中でカーターがデフェンスをかいくぐり単独トライを2つもこの日は見せるのですが、まず1本目はこのウッドコックの活躍で3点取った後直ぐのウェールズキックオフボールから始まります。
ウェールズのキックオフボールが22mライン内で受け取られた後ゴールライン手前ほどで待ち構えていたカーターにボールが送られると、カーターはサイドラインにこのボールを蹴り出すことなくすぐさま走り出してカウンターアタックに出ます。ボールをロコソコに渡すとこのロコソコがこれまた鋭くて強いアタックで一気にセンターラインを駆け抜けます。そしてあっという間にABのアタックはウェールズ陣地22mラインまでやってきます。攻撃のテンポは途切れることなくボールが回され、再びカーターの所にボールが回ってくると今度もカーターはパスをするのでもキックするのでもなく自ら相手デフェンスラインの乱れを付いて22mラインを越えゴールラインに向かって突っ込んでいきます。そして相手デフェンスを上手くハンズオフなどで交わしながらトライを取ってしまいます。これで得点は25-9。
この後のABのトライもカーターから生み出されます。今度もウェールズが攻めあがってくるところにAB陣地内でボールを奪った後AB全員の速攻から生まれます。2度目のカーターのトライはウェールズのデフェンスが戻りきれず乱れている中をすばやく察知してセンターライン手前から自らボールを持って走り抜けます。このトライも圧巻でした。
その後とどめにリチャード・カフイもウェールズのデフェンスが崩れた中をセンターラインからど真ん中を駆け抜けトライを取り満員のサポーターを喜ばすことになりました。
来週もこのウェ-ルズ戦があります。お互いこの日のゲームの反省などからまた違った展開が予想されますが、オールブラックスの圧勝には疑いが無いでしょう。
オールブラックス 42-9 ウェールズ (前半15-9)
2010年6月20日日曜日
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