・ダニエル・カーターのニュージーランド残留決まる。
今週はニュージーランドの国内ニュースとしてはトップニュースとしても伝えられたダニエル・カーターの契約が話題になりました。フランスなどからラグビー選手としては世界最高額のオファーが伝えられていたカーターをニュージーランドラグビー協会が引き止めたような感じで異例の4年間契約を結びました。
契約金などは発表されていませんが、4年間の契約内容は途中ヨーロッパクラブへの短期移籍などを含めたかなり自由選択が可能な条件がついているようです。またカーター自身もNZラグビー協会と契約していない者はオールブラックスに選抜される資格が無いこともかなり気にしていたこともあってまだまだニュージーランドのラグビー代表として活躍したいようです。
この契約内容から来週には発表されるリチャード・マッコウ、そしてサニー・ビル・ウィリアムスもニュージーランドに今年のワールドカップ以降も残留しそうな見方がされています。しかしこの3人を抱えるカンタベリーラグビー協会は今年のクライストチャーチ地震の影響もあって収入が激減しているところなので今後数年間は財政面での負担をクルセイダーズなどのチームも含めて大きく背負い込むことになりそうです。
・ムレアイーナは日本へ行くのか?
今年はワールドカップという年でもあって、そのワールドカップ以降の世代交代の年でもあります。カーターのように今年のワールドカップ以降のオールブラックスの動向がやたら取り出されていますが、マリ・ムレアイーナが日本のクラブに移籍するだろうという話が出ています。現役オールブラックスではすでにブラッド・ソーンが来期にはサニックスに入ることが決まっているようですが、ムレアイーナがヨーロッパでは無く日本に行くことはちょっとビックリニュースです。
今年になってすでに多くの現役オールブラックスもしくは今年のオールブラックスに選ばれそうな人材がフランスやアイルランドのクラブにWC後移籍することを決めていますが、日本にも今後行く者が増えるかもしれません。今の段階で日本に行くかどうか悩んでいるものはやはり日本の地震後の原発の影響も考えているようです。
今年末にニュージーランドラグビー協会と契約が切れる24歳以上の現役オールブラックスはムレアイーナ以外にピリ・ウィープ、マアア・ノヌ、ジョー・ロコソコ、コーリー・ジェーンがいます。
また昨年度契約更新して2012年までニュージーランドに留まる24歳以上の現役オールブラックスはジミー・コーワン、コンラッド・スミス、トム・ドネリー、トニー・ウッドコック、ベン・フランクス、アンソニー・ボリック、キエラン・リード、ビクター・ビット、ジェロモ・カイノなどがいます。
・今季スーパーラグビーリーグ戦もプレイオフまで残り4週。
今週スーパーラグビー第14種を終えてプレイオフに残れる6チームの予想も固まってきたように思えます。けれど首位から3位までとワイルドカードと呼ばれる4位から6位までの順位は今後の4ゲームで変わる可能性は十分に残しています。
ここで今年から15チームになったスーパーラグビーは、今季から順位を決めるポイント制度の変更とプレイオフに残れる6チームの順位決定基準が昨年とは変わっていることがかなり重要になってきます。
まず首位から3位まではNZ、オーストラリア、そして南アフリカそれぞれ3カ国の中のポイントトップチームが入ることが決まっています。その3チームの中でポイント順で1位から3位までが更に決まります。この1位と2位のチームはプレイオフ第1戦目はお休みが与えられいわゆる準決勝戦からプレイオフに参加、しかもホームゲームが確定されます。
そしてプレイオフに参加出来る4位から6位までのワイルドカードと呼ばれる3チームの順位は15チーム総合のポイント順位で決められるため4位から6位までニュージーランドチームが占めることも考えられます。
また今季からシーズン中どのチームにも2回のお休みの週が与えられていますが、このお休みの週でも4ポイントが加えられるようになりました。だからゲームのある週に負けるとポイントは0ポイントなので休んでいるチームに順位を越されることも出るようになっています。
第14週が終わった段階でレッズ、ブルース、ストーマーズが3位まで、そして4位にクルセイダーズ、5位ワラターズ、6位シャークスと続くようになりました。これが今後4週の間にトップチームも変わる可能性は十分残しています。それぞれの6位までに食い込みそうなチームの今後のゲーム予定ですが、お休みがあるチームそしてホームゲームかアウェイでのゲームかが今後影響してきそうに思えます。
レッズ=来週はクルセイダーズとホームでゲーム。その後はホームで1ゲームとアウェイで2ゲームを残す。
ブルース=来週はお休み、けれど自動的に4ポイント獲得が決まっている。その後ホームゲームが2ゲームだけど 第17週目にアウェイでクルセイダーズ戦を残します。
ストーマーズ=翌週、翌々週とまだ遠征が続きアウェイゲーム2ゲームの後ホームに戻ってブルズ、そして最後にアウェイでチーターズ戦を残す。
クルセイダーズ=来週はレッズとアウェイ戦。その次にお休みを1週挟みホームゲームとしてブルース戦。最後の18週目もホームゲームだけど今年のクライストチャーチ地震直後ハリケーンズ戦が引き分けゲームとされたこともあってハリケーンズの本拠地ウェリントンでこのゲームは行われる。
また今週アウェイで勝利を収めたブルズが今後は6位以内又は3位までに入ってくる可能性も残しています。ブルズは今後負けることがめったに無いホームゲームを3ゲームの残し、そしてストーマーズとはアウェイで戦う日程となっています。
・今週の必見だったゲーム
ブルース 26-28 ストーマーズ
今週の必見だったゲームはお互い最近のゲームでは惨敗しているけど2位と3位のブルース対ストーマーズです。ストーマーズは特に2連敗中、このゲームに負けると6位のシャークスにも3位を奪われることも考えられた必勝のゲームでした。
このゲームははじめあまり面白くなく、けれど終盤に掛けてどんどん盛り上がりを見せる内容になりました。ストーマーズは前半雨の影響もあっていつもとは違うキックゲームは封じてボールを自陣から運ぶプランでいきますが、これがことごとく裏目に出ます。ブレイクダウンやスクラムでも攻勢に出ながらもボールがブルース側にこぼれ出るミスが何度も続き、お得意であるはずのラインアウトもボールを奪われるのが続きます。そしてボールを回して攻め込むのもブルースのラインデフェンス前で立ち往生するような場面が目立ちました。
またストーマーズはピーター・グラントが怪我により出場できなくなって若手のLionelCronjeがキッカーとして先発しましたが、28分に膝を痛めてペナルティーキックを外したところでベンチに下がり、代わりに出てきたのがハーフバックが本職のDewaltDuvenagaがキッカーとなります。これに比べてブルースのアタック陣はスチェファン・ブレッド、ルーク・マクアリスターが中心となって動き回り前半で2本のトライを取り、またキッカーとしてのマクアリスターはこのゲームでも調子よく前半を19-3で折り返します。またストーマーズは前半終了前にスプリングボックスの7;フランソワ・ローをイエローカードで失うというボロボロの状態になります。
先週ストーマーズはチーフス相手に前半は楽勝ペースだったのを見事に逆点されて負けたのですが、このブルース戦ではそのお返しを自らブルース相手に再現してしまいます。ストーマーズは大事なアタッカー;ジャック・フォーリエとジーン・ディ・ビリエーというスプリングボックス2人を怪我で失っていましたが、この代わりに先発した12、13番の若手が57分と60分に共に見事なステップワークでブルースのデフェンスタックルを掻き分けトライを取り、あっという間に19-18まで詰め寄ります。2本目のトライ後の簡単なコンバージョンをDuvenageが決めていたら逆転していたのですが、ここで再びグランドには激しい雨が降り出し外してしまいます。
その後雨の中激しい攻防のあげく67分にブルースフルバックのLachieMunroがトライを奪い26-18と8点差にします。それから残り10分はブルースが逃げ切ると思われたのがストーマーズの信念がプレイに出てきます。70分にブルース陣地でペナルティーを取るといつもならサイドラインに蹴りだしドライビングモールで攻め込むことが見られたのをまずは3点をつめるためキックをDuvenageに託します。雨の中の距離もあって角度もきついキックをDuvenageは見事に決めて26-21の5点差にします。
その後今度はブルースも相手ペナルティーを得てキックのチャンスが訪れますが、このキックだけをマクアリスターは雨でぬかるんだグランドに足を取られて外してしいます。そしてストーマーズの逆襲で75分にブルース陣地22mラインでペナルティーを得ます。ここでキャプテンのシャック・バーガーはこのゲーム始めてラインアウトでのトライ狙いを指示。そしてゴールライン手前5mからのラインアウトボールを取った後直ぐにドライビングモール、硬いデフェンスラインに阻まれますが、一人シャックバーガーがブラインドサイドをついてゴールラインに飛び込みます。TV画面ではデフェンスタックルの下をかいくぐってトライしたと思われたのですが、ブルースのプレイヤーやバーガー自身もゴールラインまでには少し足りないような感じでした。しかしレフリーはビデオレフリーにトライではない確かな理由があるかどうかを問い合わせ、ビデオ判定の結果トライが確定されます。
この時点で78分、26-26の同点。コンバージョンが決まればストーマーズ逆転となります。そして雨の中これまたサイドラインよりの角度がある難しいキックをDuvenageガ見事に決めて26-28.けれどまだ時間は80分になっていないのでバーガーは選手にまだ気を引き締めるよう指示を与えます。そしてブルースのキックオフボールを上手く取って自陣でモールになったところでスクラムハーフのリッキー・ジャニュアリーがレフリーに時間を確認した後ボールを自陣のゴールライン側向かって蹴りだします。このボールをインゴールまでストーマーズのバックス4人ぐらいがちゃんとガードするところなどもすごい感じでしたが、80分終了のサイレンと同時にバーガーはじめベンチにいたストーマーズの選手全員が抱き合い、両手を挙げて歓喜の勝利となって終わりました。
2011年5月22日日曜日
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