2011年10月10日月曜日

10/10 南アフリカ対オーストラリア 観戦記

 これこそワールドカップで見られるべきゲーム、イヤ、トライネーションのゲームそのものといったゲームでした。本当に最後の最後、80分を時計が射したときもまだ勝敗の行方は分からないゲームとなり手に汗握る、そしてまたまた私の予想とは大きく外れたけど、逆に面白さが増したゲームでした。

 このゲームではどちらかが一つでもミスを、判断ミスをそして遅れて反応したチームが負けるということが言われてました。まさにその通り、一つの判断ミスからトライを許し、それが最後まで響き、逆に25分までペナルティーを与えなかった結果が逆転への時間を遅らせ、そして相手の猛攻に食らいついてタックルを続けたことで勝利を収めることが出来たゲームだったでしょう。

 南アフリカは予想とは逆にゲーム始まってからアタックに次ぐアタックを見せ、またスクラムを圧倒、ラインアウトも制覇し続けました。反対にオーストラリアは強いラインデフェンスを崩さずゲーム終わった時点で南アフリカのタックス数が53に対してオーストラリアが南アフリカに浴びせたタックルは147と3倍近くに及びました。南アフリカはましてテリトリーを80%、ボール所持率を58%とオーストラリアを圧倒、また相手ラインアウトボールを5回も奪う離れ業を見せ数字的には南アフリカの圧倒という感じのところをトライ無しに封じて守りきったゲームでした。

 予想と外れるゲーム内容でしたが、誰もが考えていた勝敗のキーパーソンはデビッド・ポコックとヘンリック・ブルソーであったことは確かでしょう。南アフリカは前半の19分に衝突からの痛みからブルソーが早々に戦線離脱、この後シャック・バーガーの鬼のような、疲れ知らずの猛攻マシーンとTV解説に言わしめた活躍が見られましたが、ブレイクダウンではポコックの姿がどこにも現れ、そして南アフリカがゴールラインまで迫ってもう一つのプレイでトライが取れるというところでこのポコックが邪魔をする、ボールを奪う、早い攻撃を遅くすることが最後まで続きオーストラリアに勝利をもたらしたといって言いでしょう。彼はこのゲームの最優秀選手に当然のごとく選ばれました。

 得点経過としてはさすがに両者の戦いだけあって白熱の展開、10分に南アフリカゴールライン手前のラインアウトから出されたボールを直ぐに蹴り出さなかった事からボールを奪われオーストラリアが先行のトライを取ります。ここでコンバージョンキックをオコーナーが外し5-0、その後もう一度ペナルティーキックのチャンスが巡ってきて8-0と25分にします。その直後やっとモーネン・ステインにもキックのチャンスが訪れ26分にこの日2つめペナルティーがセンターライン上で犯され、ここでステインが長距離をもろともさせずゴールポスト真ん中にキックを決め8-3となります。もう一度40分にサイドライン際のセンターライン上からペナルティーキックのチャンスが訪れますが、これはステインは外します。もしフランシス・ステインが残っていたら決めていたでしょう。

 後半入っても南アフリカの猛攻は緩まず、45分に鮮やかに12;ジーン・ディ・ビリエーがラインブレイクしてパットランビーにパス。そしてランビーがゴールラインを駆け抜けたと思いきやこのパスがフォワードパスと取られます。この判定はとても厳しい。

 そして53分にオーストラリアラインアウトでのペナルティーから8-6と南アフリカが迫るともう逆転まであと一つのキック。南アフリカの猛攻は激しさを増します。そしてついに59分南アフリカはオーストラリア陣地に攻め込み22m前まで来るとモーネン・ステインが見せました。ドロップゴールを鮮やかに決めて逆転の8-9.この後も点差を広げようとパット・ランビーが同じくドロップゴールを試みますが、わずかに外します。

 そして65分ぐらいからは壮絶な戦いが展開され、めまぐるしく攻守が入れ替わります。しかし70分オーストラリアラインアウトでダニー・ロッソウが相手ジャンパーの邪魔をしてペナルティーを取られ、このペナルティーキックをオコーナーが慎重に、そして確実に決めて再逆転に成功。11-9となります。けれどまだ2点差。一つのキックで、一つのトライでどんでん返しが待っていました。これをオーストラリアは耐え切ります。最後に79分になってからセンターライン上でオーストラリアボールのスクラムとなりますが、ここで南アフリカがボールを奪ったり、スクラムでペナルティーを取れたらという期待が寄せられましたが、オーストラリアは踏ん張って逃げ切ったゲームとなりました。

 これで来週の準決勝にはオーストラリアが進出することになったのですが、このようなタフなゲーム内容を今大会経験しているチームが他にあるでしょうか?オールブラックスでさえまだそのデフェンスの真価は問われていません。スクラム、ラインアウト、そしてブレイクダウンの強さはオーストラリアに敵うのかどうか非常に疑問が残りました。

 スプリングボックス 9-11 ワラビーズ

 ワールドカップ準々決勝第3戦目 南アフリカ対オーストラリアのゲームハイライト
http://tvnz.co.nz/rugby-world-cup/south-africa-v-australia-match-highlights-video-4456092

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