NZラグビーワールドカップ準々決勝では最大のゲームがこれだと誰もが認めるでしょう。お互い優勝候補、オールブラックスにとっては最大の壁になることは間違いない両軍ですが、この準々決勝でどちらかが負けていなくなることはオールブラックス優勝にはかなり大きな要素です。私はどちらかというと南アフリカに勝ってもらいたい気持ちです。オーストラリアと準決勝で当たることはなんだか嫌な気持ちです。
このゲームではどちらが勝ってもおかしくない訳ですがデフェンスの南アフリカに対してアタックのオーストラリア、経験の南アフリカに対して若さのオーストラリア、怪我人の影響が大きそうな南アフリカに対して怪我人が復帰したオーストラリアといった見出しがどこにでも見られています。
南アフリカはその攻めあがるデフェンスを先週のサモア戦で実践経験済み、まして監督曰くオーストラリアのアタックはサモアほどフィジカルではないとのこと。オーストラリアには攻撃の要のディグビー・イオアニ、そしてカートリー・ビールが戻って来てます。
また前回WC優勝の南アフリカはその決勝戦にでたメンバーがこのゲームにパット・ランビー、モーネン・ステイン、ヘンリック・ブルッソー、そして当日病気で出られなかったピエアー・スピース以外は大舞台を経験済みでワールドカップでのトーナメント戦の勝ち方を知っているものばかり。これに対してオーストラリアのメンバーで2007年の準々決勝で敗北したときの先発は6人だけ、そのほかのメンバーはその4年前にはスーパー14にも出ていなかったメンバーばかりのこのワールドカップでは最年少のチームです。これはけれど昨日のアイルランド対ウェールズのゲームの結果を見れば若いオーストラリアが有利ともいえます。
そして南アフリカはフランソワ・ステインと直前まで100%OKといっていたベテランロックのバッキ-・ボッサが怪我の為抜けました。これはかなり大きいでしょう。ステインの長距離キックは大きな武器でした。またバッキーボッサはチームの中の精神的支えの一人でもあったので大きいでしょう。これに対してオーストラリアは前述のイオアニ、ビールに加えて予選リーグで失態を見せたアイルランド戦には怪我の為出ていなかったデビッド・ポコックとフッカーのステファン・ムーアーが復帰しています。これはブレイクダウンとスクラムにおいて大きな強みになりました。
このゲームはチームとしての戦術、ゲームプランも見所ですが、各プレイヤーのマッチアップも非常に見ごたえのあるものになりそうです。
フロントロー;南アフリカはフッカーにジョン・スミットを戻しました。今や世界No.1のフッカーと言われるビスマーク・デュ・プリースはスーパーサブとなるのですが、この負ければ終わるゲームではスミットのキャプテンシーが必要なのでしょう。オーストラリアの前列3人で8月13日南アフリカのダーバンで行われたトライネーションでは南アフリカのスクラムを粉砕してます。
ロック;ここはビクター・マットフィールドが残っている南アフリカのほうが上かもしれません。バッキー・ボッサが抜けても代わりのダニー・ロッソーに見劣りするところはありません。オーストラリアのロック陣もベテランのベッカマンを入れていますからお得意のラインアウトからのセットプレイでトライを狙うことは十分考えられます。マットフィールドとベッカマンの駆け引きが面白そうです。
フランカー;このゲームの勝敗を分けるのはこれまたブレイクダウンで、その中心となるのが南アフリカの6;ヘンリック・ブルソーに対するオーストラリアの7.デビッド・ポコックで、この両者の働き如何で勝ち負けが決まるといわれてます。またこの両者を支える他のフランカーも両軍とも強力ですが、強いて言えばシャック・バーガーが戻ってきている南アフリカのほうが有利かもしれません。
ハーフバック;このポジションは今や互角だと見ても良いでしょう。このゲームで今の世界NO.1のハーフバックの評価が決まると見てもいいでしょう。それぞれモール、ラックからの球出し、キックプレイ、そして自ら攻め込むプレイはお互いが警戒しているはずです。
フライハーフ;このポジションのプレイは対照的で南アフリカはクーパーへのプレッシャーをとことん強めるでしょう。対してステインは相手のプレッシャーを受けない程度の後ろからキックプレイをいかに放っていくか?テリトリーを奪うプレイをどれだけできるかが注目されます。
センター;南アフリカにはジーン・ディ・ビリエーが戻って来てジャック・フォーリエと共にパスインターセプトを狙って来るでしょう。この2人に対してオーストラリアの12-13番は少し劣ると思います。アシュレークーパーは十分すぎるほど強力ですが、見な南アフリカのベテランコンビのほうが攻守にわたりこのゲームでは勝ると思います。
Wing;オーストラリアにディグビー・イオアニが戻ったことは大きいでしょう。(本当に親指の骨折から回復しているかどうか分かりませんが?)。南アフリカのハバナ、ピターソンも素晴らしいのですが、オコ-ナーを入れてキックプレイを絡ませることが出来るオーストラリアのほうが少し有利だと思います。ましてハイキックボールへの対応はオーストラリアの2人のほうが良いと思います。南アフリカのWing2人はサモア戦で受けた怪我から完全に回復しているのかこちらも疑問です。
フルバック;ここはやはりカートリー・ビールのいるオーストラリアの方がデンジャラスでしょう。フランシス・ステインが残っていれば違っていましたが、パット・ランビーにはまだ強さとカウンターアタックの上手さが見られません。
キッカー;南アフリカのステインがこのWCでは23本蹴って19本決まる82%のキック成功率、オーストラリアのジェームス・オコーナーの成功率が14/18の78%ということですがステインのキックがやはり勝利をもたらす確率が高そうです。
スプリングボックス
15;パット・ランビー、14;JPピターソン、13;ジャック・フォーリエ、
12;ジーン・ディ・ビリエー、11;ブラアイン・ハバナ、10:モーネン・ステイン、9;フォーリエ・デュ・プリ-ズ
8;ピエアー・スピース、7;シャック・バーガー、6;ヘンリック・ブルソー、
5;ビクター・マットフィールド、4;ダニー・ロッソー、
3;Jannie du Plessis、2;ジョン・スミット、1;GurthroSteenkamp
16;ビスマーク・デュ・プリース 17;CJバン・ダ・リンデ、18;WilliamAlberts、
19;フランシス・ロー、20;フランシス・ホガ-ド、21:ブッチ・ジェームス、22:ジオ・アプロン
オーストラリア
15.カートリー・ビール 14.ジェイムス・オコーナー 13.アダム・アシュレークーパー
11.ディグビー・イオアニ 12、PatMcCabe 10.クエイド・クーパー
9.ウィル・ゲニア
8.RadikeSamo 7.デビッド・ポコック 6.ロッキー・エルソム
5.ジェイムス・ホロウェル(C) 4.ダン・ベッカッマン
3.ベン・アレキサンダー 2.ステファン・ムーアー 1.SekopeKepu
16.TatafuPolotaNau 17.ジェイムス・スリッパー 18.ネイザン・シャープ
19.BenMcCalman 20.ルーク・バージェス、 21 ベリック・バーンズ
22.アンソニー・ファインガ
2011年10月9日日曜日
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