ついにオールブラックスが念願の優勝を果たしました。この優勝への道のりが最後までこれだけ厳しいものになることを誰が予想したでしょう?フランスがこれだけ強いゲームを見せるなんて誰が期待していたでしょう?
そして誰にもゲーム中にはもしかしたらまた07年の悪夢が再来するかも??という思いも抱いたことだと思います。だから誰もがTV画面に向かってでもオールブラックスへの声援を思わず口走っていたと思います。
私が見ていたTV3のラグビー中継ではベテランであるはずのコメンテイターでさえ、アンディー・エリスがボールをサイドラインに蹴り出して優勝が確定したところで涙声になっていましたが、誰もがゲーム前にはオールブラックスが快勝して優勝するはずと思っていたでしょう。ラグビー関係者やヨーロッパのブックメイカーでさえ20点差ぐらいは付く予想がされていたのに、いざゲームが始まれば80分間の中でその期待、信頼も揺るいだことと思います。けれどオールブラックスが勝利に向けて戦う姿に誰もが後押しをしたくなり、声援を送りたくなるそのプレーに最後は感動したはずです。ニュージーランドの人にとっては至上の瞬間がついに訪れたことになりました。
フランスは本当に強いゲームを見せました。恐らく本当に初優勝を狙っていたと思います。このニュージーランドで行われているワールドカップにおいて敵地真っ只中にもかかわらず、周りはオールブラックスサポーターで溢れ、フランスへの期待がほとんど外部からは聞こえてこない状況でさえ本気で勝つためのゲームを見せたのはやはりフランス人気質なのでしょうか?逆境に陥れば陥るほど力を倍増して発揮してくるところは敵ながら天晴れというしかありません。
その意気込みがゲーム始まる前から分かりました。この日のハカはオールブラックスはまたもやカパ・オ・パンガでしたが、このハカにオールブラックスが入る前にフランスはキャプテンを先頭にV字体型で並び、ハカが始まるとセンターラインに向けてオールブラックスのハカへと歩み寄ってきます。今はIRBから10m以上離れることが指導されていてそれ以上は両軍が近寄れないことになっていますが、07年のワールドカップの準々決勝ではフランスが同じようにセンターラインまで出てきて、オールブラックスもハカをフランスチームの目と鼻の先で行う事が見られました。このゲームがニュージーランド国民にとってこの4年間トラウマとして残るものになっているのですが、その再現をこの決勝戦でも見せられるかも知れない想いが少しよぎったのは確かです。
そしてゲームが始まるとオールブラックスのこれまで見せてきた早い展開、フォワード&バックス共にそろって見せるランニングラグビー、連続アタック、そしてキックゲームが封じ込まれます。お互いがテリトリーを奪うことに前半は焦点をあわせ、キックボールで相手陣地に入る戦法、そしてボールを展開する相手に強力で確実なデフェンスを仕掛けることが見られます。ラック、モールからの球出しもお互いスピードに欠けます。お互いが敵地に入るとボールを保持してミスを誘うような硬いゲームになります。
そしてそのミスを2つ連続して犯したフランスからペナルティーをもらったオールブラックスは4分に最初の得点のチャンスが訪れます。このゲームまでにはすでにダン・カーターに代わり救世主として取り上げれているピリ・ウィープのキックに期待が寄せられますが、左サイド、フランス陣地12mほど入ったところからのキックは左へと外れていきます。これは良くないことがこの後起こる兆候の表れか?
この後両軍はボールを展開しては強力デフェンスタックルに阻まれ前進できず、キックボールでやむなくサイドラインに蹴り出すことを繰り返します。この強力デフェンスタックルに特にフランス側には負傷者が出始めるのですが、まず10分にマアア・ノヌの突進を止めに入った仏10番、キッカーのモーガン・パラがクラッシュで頭を強打。倒れこみ一旦ベンチに下がり21.FrancoisTrinh-Ducが出てきます。これはフランスにとって悪い兆候。
この後お互いがサイドラインに蹴り出してはラインアウトからまた前進を始めることが繰り広げられますが、14分に自陣10mライン付近のフランスラインアウト後にフランスのキャプテン6.ThierryDusautoirがボールを取ったところにABキャプテン;リッチー・マッコウがタックルに入リ、このボールを6.ThierryDusautoirがボールをリリースしなかったことからペナルティーとなり、ピリ・ウィープはそこから大きくボールを蹴りだしフランスゴールライン手前9mの右サイドラインからのラインアウトに変わります。
このラインアウトがそれまで繰り返されてきたABボールのラインアウトの中では最もフランスゴールラインに近いものとなりました。ここでオールブラックスは見事にセットプレイの練習の成果を決めます。ケビン・メアラムが投げ入れたボールはラインアウト後方でリフトされたジェロモ・カイノの胸元に届きます。これをカイノは少し体勢を崩しながらも片手でボールが飛んできたサイドライン側の真下に投げ落とします。ここにラインアウトサイドラインアウト側でリフトアップしていたトニー・ウッドコックが走りこんできます。相手フランス側のラインアウトは前と後ろの2箇所に別れてリフトアップしていたためその真ん中はぽっかりと誰もいないスペースが出来てしまっていました。ここにボールが投げ下ろされ、ここにタイミングよく走りこんできたウッドコックがボールを受け取るとその前にはゴールラインまで誰もいない状態になり、ウッドコックはしっかりとボールを抱え込んだままインゴールにダイブしてトライとなります。作戦大成功!!
けれどこの後のコンバージョンをウィープはまたも右に外してしまい得点は5-0となります。オールブラックスに少し不安が残ることになりましたが、フランスにとってもこの後あまり良いことは起こりません。頭を強打して一旦ベンチに下がった後再びピッチに戻っていた
モーガン・パラが21分には再びピッチに倒れこみ21.FrancoisTrinh-Ducと交代することになりました。この21.FrancoisTrinh-Ducが本来フランスにとってはレギュラー10番だったのですが、この大会でキッカーとしての信用が無くなりズット使われなかったのです。
こんな硬いゲームではやはり頼れるキッカーがチームにとっても強力な支えになるのですが、フランス側が頼りにしていたキッカーモーガン・パラが21分にいなくなかったことはABにとっては大きなことだったのですが、この後ABにもその不幸が連続して訪れることになります。26分に再びブレイクダウンでフランスペナルティーを得るのですが、このフランス陣地22mライン手前右からのキックをピリー・ウィープは蹴った瞬間にFxxxと叫んで後ろを向いてボールが外れるのを見ること無いほど大きくゴールポストからは外します。これで誰もが今日のウィープはキッカーとしてはダメ!この後はクルーデンに代わることを思ったでしょう。
これでピリ・ウィープがこの日のヒーローになることはなくなりました。しかしこの後ドラマはまだまだ続きこのゲームでヒーローになるべきものがこの後続々と脱落していくのです。その候補者だったクルーデンがなんとこの後怪我をしてしまうのです。33分にABがアタックに入ってクルーデンが相手デフェンスラインをステップで抜けようとしたとしたところに21.FrancoisTrinh-Ducがタックル。ここでクルーデンは右ひざを強くひねり倒れこみます。そしてベンチに下がることになるのですが、ここでベンチから出てきるのは21.ステファン・ドナルド。ここでABサポーターからはなんとも言えない歓声、どよめきの声が上がります。
ドナルドは昨年のオールブラックスがワラビーズに負けた香港でのゲームの主要人物で、そのとき以来オールブラックスには選ばれなくなって、ダン・カーターとコリン・スレイドが怪我でいなくなったときにAB召集の電話を受けたのはこの時期多くの人が楽しむホワイトバイト漁をしにビールを数本持ってワイカト川に出かけていたのです。その合同練習も、そして本格的なラグビーゲームも2ヶ月ほど遠ざかっていた、信用をなくしていたドナルドが最後の頼みとしてこの舞台に登場したのです。誰もがわずかな期待と大きな不安を抱いたことでしょう。ここに来てダン・カーターがいなくなったことが大きく響くようになりました。
そしてフランスにとってもヒーローになるべく出てきた21.FrancoisTrinh-Ducもそのチャンスをつかみ損ねます。34分にフランスがラインアウトからのボールをバックスに展開しながらもABラインでフェンスを崩すことが出来ないと見ると21.FrancoisTrinh-Ducはドロップゴールを試みますが、これを大きく外します。しかし彼はキックはダメでしたが、カウンターアタック、そしてデフェンスタックルには大きな役目を果たします。前半終了前には自陣Carあ見事なカウンターアタックを見せAB陣地22m前まで駆け上がりフランス得点のチャンスを作り出します。しかしこれもABの硬いデフェンスに阻まれ前半はこのまま5-0で終わります。
この時点でこんなにオールブラックスが得点するのに苦しんでいる姿を見て不安になり始め、後半のフランスの逆襲が怖くなってきました。その後半もワールドカップ決勝戦にふさわしい激戦とドラマが待っていました。
まず後半始まった直後にドタバタと連続してそのドラマが見られます。まずフランスはAB陣地に攻め込みラックでマッコウのペナルティーを誘い、早速得点のチャンスが訪れるのですが、22mライン手前という近距離だったのでこのキックは当初怪我の為キッカーでは使われないだろうと言われていた9.DimitriYachviliが出てきます。彼はこれを左サイドからのキックだったのですが、ゴールポスト右へと大きくスライスさせて外します。
その後今度はABラインアウトからのラックでフランスがペナルティー。場所はフランス陣地ほぼ中央の左よりサイド。ここでABは当然のごとくキッカーとしてステファン・ドナルドが出て来るのですが、彼は多くの人の期待と不安を全く気にしていないような感じでいつものスタイルでこのペナルティーキックを見事ゴールポスト真ん中に決めます。この3点はこの後のことを考えるととてもとても重要な得点となります。
オールブラックスのサポーターが後半初めて盛り上がったのもつかの間フランスはこの直後に形勢を見事に逆転させます。46分にフランスのキックオフでゲーム再開するとピリ・ウィープはキックでボールを高く蹴り上げます。このボールは誰も上手くキャッチできずAB側にこぼれたところにイスラエル・ダグが駆け込みボールを拾ってカウンターを仕掛けます。彼はデフェンスタックルでセンターライン上で止められるのですが、ブレイクダウンでボールがラックからピリ・ウィープの足元にこぼれ出ます。これに対して21.FrancoisTrinh-Ducがすばやく反応。ボールを拾いに出てくるところをウィープは横にいるマアア・ノヌに地面のボールを蹴って送ろうとしますが、このキックボールが21.FrancoisTrinh-Ducが出てくるところと重なり、パスインターセプトのようになってFrancoisTrinh-DucはAB陣地深くに走りこむことになります。彼にはデフェンスタックルが襲い掛かりますが、ボールは9.DimitriYachviliに渡り、あっという間にABゴール手前までフランス軍はなだれ込みます。これに対してゴール手間でABデフェンスは食い止められることが出来、そのラックからの展開もスピードを緩めることに成功したのですが、フランスはゴールライン手前でのラックで一旦バックスのラインを整わせてから再アタック。このラックからのボールが展開され2人目になるキャプテン6.ThierryDusautoirがボールを受けるとゴールポストに向け走りこみ、横から襲うマアア・ノヌのタックルを交わしてゴールポスト下に滑り込みながらトライを取ります。そしてコンバージョンも易々決まり8-7の1点差となります。
ここでABはベンチからアンドリュー・ホーとアリ・ウィリアムスを投入します。そしてピリ・ウィープがキックオフで蹴ったボールは大きすぎてサイドラインを切りなんだか嫌な雰囲気が漂い始めます。ここでピリ・ウィープはお役目終了となりアンディー・エリスと交代します。
そしてセンターライン上でのフランススクラムになるのですが、この球場にこれほどのフランスサポーターがいたのが不思議に思うほどの大声援が沸き起こり、イヤが上にもあの07年のミシェラックがサイドラインを駆け上がり、前パスが見逃されて逆転トライとなった場面が脳裏に浮かび上がります。
しかしこの後からABはその経験を踏まえながらも相手にボールを与える可能性のある攻撃は避けながらもフランスの攻撃に対しては確実に守っていくようになります。その中でステファン・ドナルドはアタック、そしてデフェンスタックルには大きな働きを見せます。
そのドナルドと同じような立場の21.FrancoisTrinh-Ducもこのゲームでヒーローになることを自らのプレーでつぶします。63分にセンターライン上でフランスボールのスクラムになるとこのスクラムをフランスはABフォワードを押し切りペナルティーを取ります。ここからの約50mほどのペナルティーキックを任せられたのはFrancoisTrinh-Ducだったのですが、彼のキックは大きく外れます。そしてこれがフランスにとっての最後の得点チャンスともなりました。
フランスはこの後も執拗にアタックを仕掛けてきますが、オールブラックスも守ります。時計が70分を越える辺りからフランスはボールを持つとゆっくりと時間をかけてピック&ドライブで攻めてきます。これに対してABデフェンスラインは堅い守りを引き時にはデフェンスラインを押し上げていきます。そしてフランスの20回に及ぶピック&ドライブのアタックも守りきり、75分にフランススクラムからのボールが展開される所にコンラッド・スミスの果敢なタックル、そしてリッチー・マッコウがブレイクダウンへとすばやく飛び込んでいきボールを奪い取ります。この際マッコウは頭を押さえうずくまる姿が映し出されひやりとしましたが、彼が再び立ち上がりスクラムへと向かう姿がスクリーンに映し出されるとサポーターから大歓声が上がりました。誰もがこのゲームの行方を心配していたことがよく分かりました。
そしてこの後ABはボールを保持して時間をつぶすことに全力を傾けます。スクラムからボールを出した後はバックスに展開せずにラック&ゴーで狭い範囲内でボールを保持します。78分堪えられずにフランスがペナルティーを犯すとキックボールでサイドラインに蹴りだし、そのラインアウトも無難にボールを保持して直ぐにモールとします。そして時計が80分を指したところでフランスの16番がこれまた堪えられなくなってオフサイドを犯します。この時点でバックスなどは両手を上げて勝利を喜ぶ姿が見られましたが、マッコウはしっかりとアンディー・エリスの肩に手をやりながらサイドラインに蹴り出すことを指示。そしてボールがサイドラインに蹴り出されたところで終了のホイッスルが吹かれオールブラックスがワールドカップを手中に収めることを確定とさせました。
オールブラックス 8-7 フランス (前半 5-0)
ラグビーワールドカップ・ニュージーランド決勝戦ハイライトビデオはこちら
http://www.rugbyworldcup.com/rugbytracker/match=11235/video.html
2011年10月24日月曜日
2011年10月21日金曜日
10/21 ラグビーワールドカップ決勝戦 オールブラックスvsフランスの見所
いよいよニュージーランドにとっては世紀の瞬間が迫ってきました。決勝戦が行われた次の日はニュージーランドはLabourDayという祝日ですが、もしかしたらその名前も変えられる祝日になるかもしれません。それぐらい今度のラグビーワールドカップ決勝戦はニュージーランドにとって大事な出来事になりオールブラックスには多大な期待が寄せられています。
その決勝戦で戦う両軍のメンバーがそれぞれ発表されていますが、どちらも最強メンバーがこの日に併せて残るようになったといって良いでしょう。オールブラックスは先週のオーストラリア戦からは控えにアダム・トンプソンが怪我から復帰してビクター・ビットと入れ替わるだけの変更。またフランスも先発15人はすでに先週のウェールズ戦とは変更無しで発表されていましたが、控えの7人が今日になって発表されました。それでも控えがDamienTrille一人だけ22番に入るだけの変更と、これまでのフランスがレギュラー選手を固定せずコロコロ代えてきたメンバーを先週からやっと固定した形になりました。
この大会では予測不可能のフランスという異名をつけられて(誰もシャンパンラグビーなどとは呼ばない)浮き沈みの激しい内容を見せてきたフランスですが、監督は自らこれがラテン系のフランス民族の気質だと、常にリスキーなことを何事にも秘めているのがフランス人だと。この決勝戦でもこれまで何度もオールブラックスの夢を打ち砕いてきたフランスの大変身がゲーム中に見られるかも知れません。そうなるとその勢いは止められないものになります。
フランスとの対戦はすでに予選リーグ戦でオールブラックスが32-17、ABが5トライとって粉砕していますが、そのゲームのことはお互いあまり参考にはならないでしょう。新たなゲームと捉えてお互いゲームには挑んでくるでしょう。フランスはそのゲームの時にはフッカーのWilliamServatが怪我で不在でした。強力スクラムが復活するかもしれません。
オールブラックスはこのゲームにはダン・カーターがアーロン・クルーデンと代わり、No.8にキエラン・リードがアダムトンプソンと代わって先発することになります。カーターがいないことはすでに先週のオーストラリア戦で戦力低下が無いことを証明しています。このクルーデンがまたフランスにとってはデーターのあまり無い武器にもなるでしょう。
このアーロン・クルーデンが注目する選手で、来年からのオールブラックスを背負うことを確約するようなゲームが期待されます。決勝戦という大舞台ですが、22歳のクルーデンには周りの選手が頼れるものばかりなので自分らしいプレイだけに集中できるのでプレッシャーはあまり無いでしょう。すでに9キャップを経験していることになるのですが、87年に優勝したときのフライハーフ、キッカーはグランド・フォックスでそのゲームで7キャップ目、95年の6月に行われた決勝戦で南アフリカに敗北したゲームでのキッカーはアンドリュー・マーティンで彼はその年の4月にテストマッチデビュー仕立ての21歳、決勝戦が6キャップ目でした。アーロン・クルーデンはすでにこれら伝説のオールブラックスと同じような道を辿っていることになります。
またオールブラックスで注目するのは22人全員といって良いのですが、世界が注目しているのはピリ・ウィープとジェロモ・カイノでしょう。二人は今年のIRB最優秀選手にノミネートされています。特にカイノの強力な前進は見ものですが、このゲームで最優秀選手の受賞を確実にすると思っています。そして36歳の年齢を全く感じさせない動きを80分間見せつけるブラッド・ソーンの姿はこのゲームが最後になります。来期は日本に行ってしまいます。またもや彼のこぶしを突き上げる姿が見れたらニュージーランド全国民は優勝を確信することになるでしょう。
オールブラックス
1.トニー・ウッドコック 2.ケビン・メアラム 3.オーウェン・フランクス
4.サム・ホワイトロック 5.ブラッド・ソーン
6.ジェロモ・カイノ 7.リチャード・マッコウ 8.キエラン・リード
9.ピリ・ウィープ 10.アーロン・クルーデン
12.マアア・ノヌ 13.コンラッド・スミス
14.コーリー・ジェーン 15.イスラエル・ダグ 11.リチャード・カフイ
16.アンドリュー・ホー 17.ベン・フランクス 18.アリ・ウィリアムス
19.アダム・トンプソン 20.アンディー・エリス 21.ステファン・ドナルド
22.サニ-・ビル・ウィリアムス
フランス
15.MaximeMedard 14.ビンセント・クラーク 13.AurelienRougerie
11.AlexisPalisson 12.MaximeMermoz 10.モーガン・パラ
9.DimitriYachvili
8.ImanolHarinordoquy 7.JulienBonnaire
6.ThierryDusautoir(C)
5.LionelNallet 4.PascalPape
3.NicolasMas 2.WilliamServat 1.Jean-BaptistePoux
16.DimitriSzarzewski 17.FabienBarcella
18.JulienPierre 19.FulgenceOuedraogo
20.Jean-MarcDoussain 21.FrancoisTrinh-Duc
22.DamienTrille
その決勝戦で戦う両軍のメンバーがそれぞれ発表されていますが、どちらも最強メンバーがこの日に併せて残るようになったといって良いでしょう。オールブラックスは先週のオーストラリア戦からは控えにアダム・トンプソンが怪我から復帰してビクター・ビットと入れ替わるだけの変更。またフランスも先発15人はすでに先週のウェールズ戦とは変更無しで発表されていましたが、控えの7人が今日になって発表されました。それでも控えがDamienTrille一人だけ22番に入るだけの変更と、これまでのフランスがレギュラー選手を固定せずコロコロ代えてきたメンバーを先週からやっと固定した形になりました。
この大会では予測不可能のフランスという異名をつけられて(誰もシャンパンラグビーなどとは呼ばない)浮き沈みの激しい内容を見せてきたフランスですが、監督は自らこれがラテン系のフランス民族の気質だと、常にリスキーなことを何事にも秘めているのがフランス人だと。この決勝戦でもこれまで何度もオールブラックスの夢を打ち砕いてきたフランスの大変身がゲーム中に見られるかも知れません。そうなるとその勢いは止められないものになります。
フランスとの対戦はすでに予選リーグ戦でオールブラックスが32-17、ABが5トライとって粉砕していますが、そのゲームのことはお互いあまり参考にはならないでしょう。新たなゲームと捉えてお互いゲームには挑んでくるでしょう。フランスはそのゲームの時にはフッカーのWilliamServatが怪我で不在でした。強力スクラムが復活するかもしれません。
オールブラックスはこのゲームにはダン・カーターがアーロン・クルーデンと代わり、No.8にキエラン・リードがアダムトンプソンと代わって先発することになります。カーターがいないことはすでに先週のオーストラリア戦で戦力低下が無いことを証明しています。このクルーデンがまたフランスにとってはデーターのあまり無い武器にもなるでしょう。
このアーロン・クルーデンが注目する選手で、来年からのオールブラックスを背負うことを確約するようなゲームが期待されます。決勝戦という大舞台ですが、22歳のクルーデンには周りの選手が頼れるものばかりなので自分らしいプレイだけに集中できるのでプレッシャーはあまり無いでしょう。すでに9キャップを経験していることになるのですが、87年に優勝したときのフライハーフ、キッカーはグランド・フォックスでそのゲームで7キャップ目、95年の6月に行われた決勝戦で南アフリカに敗北したゲームでのキッカーはアンドリュー・マーティンで彼はその年の4月にテストマッチデビュー仕立ての21歳、決勝戦が6キャップ目でした。アーロン・クルーデンはすでにこれら伝説のオールブラックスと同じような道を辿っていることになります。
またオールブラックスで注目するのは22人全員といって良いのですが、世界が注目しているのはピリ・ウィープとジェロモ・カイノでしょう。二人は今年のIRB最優秀選手にノミネートされています。特にカイノの強力な前進は見ものですが、このゲームで最優秀選手の受賞を確実にすると思っています。そして36歳の年齢を全く感じさせない動きを80分間見せつけるブラッド・ソーンの姿はこのゲームが最後になります。来期は日本に行ってしまいます。またもや彼のこぶしを突き上げる姿が見れたらニュージーランド全国民は優勝を確信することになるでしょう。
オールブラックス
1.トニー・ウッドコック 2.ケビン・メアラム 3.オーウェン・フランクス
4.サム・ホワイトロック 5.ブラッド・ソーン
6.ジェロモ・カイノ 7.リチャード・マッコウ 8.キエラン・リード
9.ピリ・ウィープ 10.アーロン・クルーデン
12.マアア・ノヌ 13.コンラッド・スミス
14.コーリー・ジェーン 15.イスラエル・ダグ 11.リチャード・カフイ
16.アンドリュー・ホー 17.ベン・フランクス 18.アリ・ウィリアムス
19.アダム・トンプソン 20.アンディー・エリス 21.ステファン・ドナルド
22.サニ-・ビル・ウィリアムス
フランス
15.MaximeMedard 14.ビンセント・クラーク 13.AurelienRougerie
11.AlexisPalisson 12.MaximeMermoz 10.モーガン・パラ
9.DimitriYachvili
8.ImanolHarinordoquy 7.JulienBonnaire
6.ThierryDusautoir(C)
5.LionelNallet 4.PascalPape
3.NicolasMas 2.WilliamServat 1.Jean-BaptistePoux
16.DimitriSzarzewski 17.FabienBarcella
18.JulienPierre 19.FulgenceOuedraogo
20.Jean-MarcDoussain 21.FrancoisTrinh-Duc
22.DamienTrille
2011年10月20日木曜日
10/20 RWC3位決定戦 ウェールズ対ワラビーズの見所
この3位決定戦のゲームはどちらのチームをあなたは応援しますか?このページを見に来る人にとっては興味のないゲームになってしまっているかもしれませんが実際、ラグビーゲームとして今のラグビー界の中では最高位に値するゲームであることは間違いないので見るべきゲームになるでしょう。ましてこのワールドカップ以降数年の世界ラグビー事情も予想できることになるかもしれません。
このゲームではまたもやニュージーランドの監督通しの戦いとなり二人にとってもオールブラックスの監督に2-3年後には就任を目指す場合の指針の一つにもなるでしょう。ニュージーランドの中ではロビー・ディーン伝説は活き続けていてオーストラリアに移ってからも大変人気の高い監督ですが、オールブラックスの監督になる人はこれまでウェールズの監督を経過した人が歴代続いています。このワールドカップが終われば現アシスタントコーチのスティーブ・ハンゼンが後を次ぐことになりそうですが、ハンセンがこの後4年間続くかどうかは疑わしいものです。彼はすでに6年ほど今の3頭体制の一人であったのですから。もう一人のアシスタントコーチのワイン・スミスはすでに来期からスーパー15のチーフス監督に就任することが決まっています。
またこの両者のゲームで他の違った見方をすると実は第1回ワールドカップでの3位決定戦の再現でもあります。これは決勝戦のオールブラックス対フランスにも当てはまるのですが、ウェールズは1987年のゲームでオーストラリアに対して1点差の22-21で逃げ切ったゲームを演じています。ウェールズにとってはそれ以来の準決勝進出でもあったのですが、今回の大会で3位になることはウェールズにとってはかなり意義のあることです。
それでもやはり大方の予想はオーストラリアの勝利になっています。オーストラリアはフルバックにカートリー・ビールが戻ります。ウェールズは逆にキャプテンでありデビッド・ポコックとも対等に戦えそうな戦力であったSamWarburtonが3週間のゲーム出場停止処分を受けて出られないし、キッカーのRhysPriestlandが肩の故障が依然癒えずにベンチにも入れないことで戦力ダウンは否めないでしょう。
但し、ウェールズに付け入る隙間があるとしたらそれはフロントローであるかも知れません。ワラビーズは先週のオールブラックス戦でレギュラープロップのSekopeKepuとレギュラーフッカーのステファン・モ-アーを怪我で欠くことになりました。そしてもう一人のレギュラープロップであるベン・アレキサンダーはこれまで先発機会の無かったSalesiMa’afuに道を譲るようなベンチに下げられています。といったことでフロントロー3人が入れ替えられています。ウェールズにとっても先週のフランス戦でベテランのプロップ;アダム・ジョーンズを怪我で失っていますが、もしかしたらアイルランドが予選リーグ戦でワラビーズを下したようなスクラムでの制覇が勝利を導くことになるかも知れません。
私はワラビーズのアタッキング・ラグビーの復活とウェールズの強いデフェンスの激しい戦いを期待してみようと思っています。
ウェールズ
15.LeighHalfpenny 14.ジョージ・ノース 13.JonathanDavies
12.ジェイミー・ロバーツ 11.シェイン・ウィリアムス 10.ジェイムス・フック
9.マイク・フリップス
8.ライアン・ジョーンズ 7.TobyFaletau 6.DanLydiate
5.BradleyDavies 4.LukeCharteris
3.Paul James 2.HuwBennett 1.GethinJenkins(C)
16.LloydBums 17.RyanBevington 18.Alun-WynJones
19.AndyPowell 20.LloydWilliams 21.ステファン・ジョーンズ
22.ScottWilliams
オーストラリア
15.カートリー・ビール 14.ジェイムス・オコーナー 13.アダム・アシュレークーパー
11.ディグビー・イオアニ 12、べリック・バーンズ 10.クエイド・クーパー
9.ウィル・ゲニア
8.BenMcCalman 7.デビッド・ポコック 6.ScottHigginbotham
5.ジェイムス・ホロウェル(C) 4.ネイザン・シャープ
3.SalesiMa’afu 2.TatafuPolotaーNau 1.ジェイムス・スリッパー
16.サイア・ファインガ 17.ベン・アレキサンダー 18.ロブ・シモンズ
19.RadikeSamo 20.ルーク・バージェス 21、アンソニー・ファインガ
22.ロブ・ホーン
このゲームではまたもやニュージーランドの監督通しの戦いとなり二人にとってもオールブラックスの監督に2-3年後には就任を目指す場合の指針の一つにもなるでしょう。ニュージーランドの中ではロビー・ディーン伝説は活き続けていてオーストラリアに移ってからも大変人気の高い監督ですが、オールブラックスの監督になる人はこれまでウェールズの監督を経過した人が歴代続いています。このワールドカップが終われば現アシスタントコーチのスティーブ・ハンゼンが後を次ぐことになりそうですが、ハンセンがこの後4年間続くかどうかは疑わしいものです。彼はすでに6年ほど今の3頭体制の一人であったのですから。もう一人のアシスタントコーチのワイン・スミスはすでに来期からスーパー15のチーフス監督に就任することが決まっています。
またこの両者のゲームで他の違った見方をすると実は第1回ワールドカップでの3位決定戦の再現でもあります。これは決勝戦のオールブラックス対フランスにも当てはまるのですが、ウェールズは1987年のゲームでオーストラリアに対して1点差の22-21で逃げ切ったゲームを演じています。ウェールズにとってはそれ以来の準決勝進出でもあったのですが、今回の大会で3位になることはウェールズにとってはかなり意義のあることです。
それでもやはり大方の予想はオーストラリアの勝利になっています。オーストラリアはフルバックにカートリー・ビールが戻ります。ウェールズは逆にキャプテンでありデビッド・ポコックとも対等に戦えそうな戦力であったSamWarburtonが3週間のゲーム出場停止処分を受けて出られないし、キッカーのRhysPriestlandが肩の故障が依然癒えずにベンチにも入れないことで戦力ダウンは否めないでしょう。
但し、ウェールズに付け入る隙間があるとしたらそれはフロントローであるかも知れません。ワラビーズは先週のオールブラックス戦でレギュラープロップのSekopeKepuとレギュラーフッカーのステファン・モ-アーを怪我で欠くことになりました。そしてもう一人のレギュラープロップであるベン・アレキサンダーはこれまで先発機会の無かったSalesiMa’afuに道を譲るようなベンチに下げられています。といったことでフロントロー3人が入れ替えられています。ウェールズにとっても先週のフランス戦でベテランのプロップ;アダム・ジョーンズを怪我で失っていますが、もしかしたらアイルランドが予選リーグ戦でワラビーズを下したようなスクラムでの制覇が勝利を導くことになるかも知れません。
私はワラビーズのアタッキング・ラグビーの復活とウェールズの強いデフェンスの激しい戦いを期待してみようと思っています。
ウェールズ
15.LeighHalfpenny 14.ジョージ・ノース 13.JonathanDavies
12.ジェイミー・ロバーツ 11.シェイン・ウィリアムス 10.ジェイムス・フック
9.マイク・フリップス
8.ライアン・ジョーンズ 7.TobyFaletau 6.DanLydiate
5.BradleyDavies 4.LukeCharteris
3.Paul James 2.HuwBennett 1.GethinJenkins(C)
16.LloydBums 17.RyanBevington 18.Alun-WynJones
19.AndyPowell 20.LloydWilliams 21.ステファン・ジョーンズ
22.ScottWilliams
オーストラリア
15.カートリー・ビール 14.ジェイムス・オコーナー 13.アダム・アシュレークーパー
11.ディグビー・イオアニ 12、べリック・バーンズ 10.クエイド・クーパー
9.ウィル・ゲニア
8.BenMcCalman 7.デビッド・ポコック 6.ScottHigginbotham
5.ジェイムス・ホロウェル(C) 4.ネイザン・シャープ
3.SalesiMa’afu 2.TatafuPolotaーNau 1.ジェイムス・スリッパー
16.サイア・ファインガ 17.ベン・アレキサンダー 18.ロブ・シモンズ
19.RadikeSamo 20.ルーク・バージェス 21、アンソニー・ファインガ
22.ロブ・ホーン
2011年10月17日月曜日
10/17 ラグビーワールドカップ準決勝 オールブラックスvsワラビーズ観戦記
ニュージーランド400万人の期待に見事オールブラックスは答えてくれました。宿敵ワラビーズに対して素晴らしい出来のゲームを展開して危なげなく決勝戦へと進むことになりました。
心配していたマッコウの状態、初先発となるクルーデンへのプレッシャー、チームデフェンスの仕上がりなどは前半途中で全て吹き飛び、ダン・カーターに代わり今や救世主の存在になったピリ・ウィープのキックが何度も外れてもワラビーズの反撃を恐れることなくオールブラックスの強いゲームを後半は楽しめるほどでもあったゲームでしょう。
この日もオールブラックスはハカに気合の入るカパ・オ・パンガを選択。地元オークランドのゲームではやはりこれのほうがバックアップするサポーターにとっても戦闘意欲が沸き起こります。
そしてこの日のワラビーズがどれだけ強いのか弱いのかが分かるプレイがゲーム始まった直後から連続で見られます。まず誰もが拍子抜け?これはオールブラックスの勝ちゲームだなという予感をさせたプレイがクェイド・クーパーのキックオフでした。彼のキックオフボールはいきなりサイドラインを切る大きすぎるキックとなりワラビーズの最初のアタックもあっさりなくなります。
そこでセンターライン上でのABスクラム。これも少しオーストラリアのスクラムを警戒してましたが、オールブラックスのフロントローは最初のスクラムから圧倒。そしてこの後オールブラックスのアタックが上手出来であることが全て短い時間に集約されて見られます。
まず相手ハーフバック;ギニアが上げるハイキックボールに対してWingのコーリー・ジェーンが見事にキャッチするとボールを展開しながらもフォワード、そしてフルバックのイスラエル・ダグがデフェンスラインに突っ込んではどんどん前進していく。オーストラリアの激しいデフェンスタックルも十分期待されたのですが、それが見事に外れてオールブラックスのアタックはワラビーズのミスタックルを誘って行きます。
そしてこの日ワラビーズにはフルバックのカートリー・ビールがいない。これはオールブラックスにとっても攻守に大きく生かせました。対するイスラエル・ダグの動きが素晴らしいこともありましたが、彼を止めるべきビールがいないのは大きなアドバンテージでした。そのイスラエル・ダグの見事なラインブレイクランとサイドライン際押し出されながらも見事なパスでサポートするマアア・ノヌにボールを繋いで先制トライを上げます。このトライで今日のゲームは決まったと思いました。このトライまでにワラビーズは9回もタックルミスを犯します。ウィープの右端からのコンバージョンはわずかに外れるのですが、ゲーム始まって6分で5-0となります。
またこの後オールブラックスにとっての不安材料だった残りのことも次々と解消されていきます。ワラビーズのキックオフで再スタートしたゲームもワラビーズが上げるハイキックボールをイスラエル・ダグがうまく処理してリチャード・カフイがサイドライン際を駆け上がる。そしてワラビーズ陣地深くまで入ってワラビーズがそこから反撃に出るところでブレイクダウンになるとマッコウがいち早く突っ込んでいく、これに対してデビッド・ポコックもすばやい反応を見せますが、ペナルティーを取られる。ここでのピリ・ウィープのペナルティーキックはゴールポストに当たり外れますが、大きくAB側に跳ね返ってきて再びABの猛攻。ここで見られたのがアーロン・クルーデンの積極的なアタック。そして22m内で再びポコックがブレイクダウンでペナルティー、サポーターからも大歓声が上がります。このキックは無難にウィープが決めて12分には8-0とします。マッコウ、そしてクルーデンの動きは不安ではなくなり強力な武器にこの時点で見れるようになります。
さすがにワラビーズも防戦一方になるわけでなくこの日の一番ワラビーズがゴールラインに接近したプレイが見られます。クェイド・クーパーからのキックオフボールを返すピリ・ウィープのキックボールはサイドラインを切らずにジェイムス・オコーナーが自陣でキャッチ。ここからカウンターアタックが見事に決まり、Wingのイオアニがパスを受けると彼特有のステップも交えながらどんどん突き進みABのデフェンス3人ぐらいともまれながらもゴールライン手前3mぐらいまで迫ります。そしてゴールライン前をワラビーズはボールを展開しABのゴールラインでのデフェンスがこの日初めて試されます。この試練は直ぐに決着してブレイクダウンに突っ込んだマッコウがペナルティーを取られ、ジェイムス・オコーナーに3点のキックを謙譲します。
15分で8-3となりますが、この後から前半終了までオールブラックスが上出来なことが続きます。特にテリトリーをどんどん奪い取ってワラビーズの反撃を最小限に抑えることに成功しました。その成果を上げたのがこの日はハイキックボールを制覇したWingのコーリー・ジェーン。彼は何度も何度も相手のキックボールを素晴らしい技量でキャッチ。時にはピリー・ウィープが22mライン内から上げるキックボールを追って10mライン上でそのボールを空中で相手と争いながらもキャッチする技まで見られました。これに対してクエイド・クーパーの出来は最悪。ハイボールのキャッチも前にこぼすし、蹴り上げるキックも体勢悪い内に蹴るからミスキックになり、見方のカウンターアタックも先導できず、またAB陣地へサイドラインまでにも蹴りだせないことがたくさん見られました。今やこのクーパーはNZの人にとって国家的悪者状態に陥っていて彼がミスキックやハンドリングエラー、そしてABのカウンターアタックで上げられたハイキックボールをキャッチした直後に駆け上がってきているリチャード・カフイが強力なタックルを浴びせるたびに観衆から大歓声が上がりました。
クウェイド・クーパーの出来はこれまでのゲームでもあまり良くなかったのですが、このゲームは特に最悪。これに対してABの新10番のアーロン・クルーデンはAB召集2ゲーム目ですでに自ら持つ力量を自由に発揮できるようになっています。20分にはそのクルーデンがドロップゴールを披露して11-3となります。
ワラビーズはクーパーに代えてベリック・バーンズを投入しても良かったと思うのですが、この後その本人にとってはテストマッチ初めてというドロップ・ゴールを32分に決めるし、またバーンズは12番PatMcCabeが出血により前半途中からベンチとの間を行き来することになって忙しい。ゲームメイカーがワラビーズには足りないことに陥ります。ここでもまたカートリー・ビールの不在が響いています。またもう一人のアタック先導者であるウィル・ギニアもことごとくその蹴り出すハイキックはABのバック3に奪われ、モールやラックからの球出しもABのフォワードによるブレイクダウン支配で上手く出来ない。そしてスクラムもABが強力に押して来るのでバックスへの活きたボールを出せない状態が続きました。
前半はこのようにABがテリトリーを8割占め危なげない試合運びで14-6と折り返すことになります。けれどさすがに後半はワラビーズの逆襲も予想されたので8点差は十分な得点差では無いことは確かでした。
後半もオールブラックスが支配し続けることが出来たのはフォワードの強さだったでしょう。特にそのデフェンスで見られるフォワードの強さはこの日ワラビーズを圧倒し続けました。後半入ってすぐ、ABがワラビーズ陣地深く攻め込んだ後ピリ・ウィープが上げたハイキックボールを受けワラビーズバックス陣がボールを横にすばやく展開し12;PatMcCabeがカウンターアタックに出ようとするところを強力タックルをかまして止めたのは3番のオーウェン・フランクス。このときのMcCabeのペナルティーで17-6と得点差を広げます。
そしてこの後もワラビーズのアタックを食い止めるのは出足の早いNo。8キエラン・リードであり、ブレイクダウンにも強くてあたりも強烈な6ジェロモ・カイノでした。これにマッコウを加えて動き回りワラビーズの速攻もことごとく食い止られます。また最後まで足が止まらず、そしてその強力なスクラムでの後押しが見られたのはロックのブラッド・ソーンで彼はまたもやこのゲームで鉄人らしさを見せ付けました。
またABの控えもこの日は誰もがスーパーサブとして活躍。特にベテラン勢の控えはワラビーズの控えに対しても断然強みがありました。55分以降ぐらいから両軍共にベンチから控えを続々投入します。ABはまずピリ・ウィープに代えアンディー・エリス、サム・ホワイトロックに代えてアリ・ウィリアムスを投入。ABのハーフバックはいつもテストマッチでは80分間一人が続けることは最近は無くこの60分ぐらいで交代するのがパターンでした。この日もウィープの役割はここで終了、キッカーはクルーデンに任せるという判断が出来たからでしょう。アンディー・エリスもアリ・ウィリアムスもABの攻勢を崩すことなく動き回りました。また63分にはフッカーにアンドリュー・ホーが投入されるのですが、彼もベンチで温めていたイライラを解消するような活躍がスクラムそしてブレイクダウンで見られました。
逆にワラビーズは先発のベテラン勢に代え若手の控えを投入してくるのですが、形勢は全くひっくり返すことが出来ませんでした。特にこの日最後の見せ場になったスクラムでは前半20分にすでに1.Sekope・Kepuがベン・フランクスに負けてベンチに下がってジェイムス・スリッパーが入り、後半66分にフッカーがTatafuPolota-Nauに代わるのですが、1.トニー・ウッドコック、2、アンドリュー・ホー、そして3、オーウェン・フランクスの前列はとても強力で66分以降2回もオーストラリアボールのスクラムを押し返してペナルティーを取るほどでした。この2回目のスクラムを圧倒した70分のペナルティーがABにとっても駄目押しの得点となり20-6でオールブラックスはワラビーズを退け16年ぶりのワールドカップ決勝進出を果たしました。
オールブラックス 20-6 ワラビーズ (前半 14-6)
RWC準決勝 オールブラックス対オーストラリアのゲームハイライトはこちらで見れます。
http://tvnz.co.nz/rugby-world-cup/clinical-all-blacks-book-final-4467181
心配していたマッコウの状態、初先発となるクルーデンへのプレッシャー、チームデフェンスの仕上がりなどは前半途中で全て吹き飛び、ダン・カーターに代わり今や救世主の存在になったピリ・ウィープのキックが何度も外れてもワラビーズの反撃を恐れることなくオールブラックスの強いゲームを後半は楽しめるほどでもあったゲームでしょう。
この日もオールブラックスはハカに気合の入るカパ・オ・パンガを選択。地元オークランドのゲームではやはりこれのほうがバックアップするサポーターにとっても戦闘意欲が沸き起こります。
そしてこの日のワラビーズがどれだけ強いのか弱いのかが分かるプレイがゲーム始まった直後から連続で見られます。まず誰もが拍子抜け?これはオールブラックスの勝ちゲームだなという予感をさせたプレイがクェイド・クーパーのキックオフでした。彼のキックオフボールはいきなりサイドラインを切る大きすぎるキックとなりワラビーズの最初のアタックもあっさりなくなります。
そこでセンターライン上でのABスクラム。これも少しオーストラリアのスクラムを警戒してましたが、オールブラックスのフロントローは最初のスクラムから圧倒。そしてこの後オールブラックスのアタックが上手出来であることが全て短い時間に集約されて見られます。
まず相手ハーフバック;ギニアが上げるハイキックボールに対してWingのコーリー・ジェーンが見事にキャッチするとボールを展開しながらもフォワード、そしてフルバックのイスラエル・ダグがデフェンスラインに突っ込んではどんどん前進していく。オーストラリアの激しいデフェンスタックルも十分期待されたのですが、それが見事に外れてオールブラックスのアタックはワラビーズのミスタックルを誘って行きます。
そしてこの日ワラビーズにはフルバックのカートリー・ビールがいない。これはオールブラックスにとっても攻守に大きく生かせました。対するイスラエル・ダグの動きが素晴らしいこともありましたが、彼を止めるべきビールがいないのは大きなアドバンテージでした。そのイスラエル・ダグの見事なラインブレイクランとサイドライン際押し出されながらも見事なパスでサポートするマアア・ノヌにボールを繋いで先制トライを上げます。このトライで今日のゲームは決まったと思いました。このトライまでにワラビーズは9回もタックルミスを犯します。ウィープの右端からのコンバージョンはわずかに外れるのですが、ゲーム始まって6分で5-0となります。
またこの後オールブラックスにとっての不安材料だった残りのことも次々と解消されていきます。ワラビーズのキックオフで再スタートしたゲームもワラビーズが上げるハイキックボールをイスラエル・ダグがうまく処理してリチャード・カフイがサイドライン際を駆け上がる。そしてワラビーズ陣地深くまで入ってワラビーズがそこから反撃に出るところでブレイクダウンになるとマッコウがいち早く突っ込んでいく、これに対してデビッド・ポコックもすばやい反応を見せますが、ペナルティーを取られる。ここでのピリ・ウィープのペナルティーキックはゴールポストに当たり外れますが、大きくAB側に跳ね返ってきて再びABの猛攻。ここで見られたのがアーロン・クルーデンの積極的なアタック。そして22m内で再びポコックがブレイクダウンでペナルティー、サポーターからも大歓声が上がります。このキックは無難にウィープが決めて12分には8-0とします。マッコウ、そしてクルーデンの動きは不安ではなくなり強力な武器にこの時点で見れるようになります。
さすがにワラビーズも防戦一方になるわけでなくこの日の一番ワラビーズがゴールラインに接近したプレイが見られます。クェイド・クーパーからのキックオフボールを返すピリ・ウィープのキックボールはサイドラインを切らずにジェイムス・オコーナーが自陣でキャッチ。ここからカウンターアタックが見事に決まり、Wingのイオアニがパスを受けると彼特有のステップも交えながらどんどん突き進みABのデフェンス3人ぐらいともまれながらもゴールライン手前3mぐらいまで迫ります。そしてゴールライン前をワラビーズはボールを展開しABのゴールラインでのデフェンスがこの日初めて試されます。この試練は直ぐに決着してブレイクダウンに突っ込んだマッコウがペナルティーを取られ、ジェイムス・オコーナーに3点のキックを謙譲します。
15分で8-3となりますが、この後から前半終了までオールブラックスが上出来なことが続きます。特にテリトリーをどんどん奪い取ってワラビーズの反撃を最小限に抑えることに成功しました。その成果を上げたのがこの日はハイキックボールを制覇したWingのコーリー・ジェーン。彼は何度も何度も相手のキックボールを素晴らしい技量でキャッチ。時にはピリー・ウィープが22mライン内から上げるキックボールを追って10mライン上でそのボールを空中で相手と争いながらもキャッチする技まで見られました。これに対してクエイド・クーパーの出来は最悪。ハイボールのキャッチも前にこぼすし、蹴り上げるキックも体勢悪い内に蹴るからミスキックになり、見方のカウンターアタックも先導できず、またAB陣地へサイドラインまでにも蹴りだせないことがたくさん見られました。今やこのクーパーはNZの人にとって国家的悪者状態に陥っていて彼がミスキックやハンドリングエラー、そしてABのカウンターアタックで上げられたハイキックボールをキャッチした直後に駆け上がってきているリチャード・カフイが強力なタックルを浴びせるたびに観衆から大歓声が上がりました。
クウェイド・クーパーの出来はこれまでのゲームでもあまり良くなかったのですが、このゲームは特に最悪。これに対してABの新10番のアーロン・クルーデンはAB召集2ゲーム目ですでに自ら持つ力量を自由に発揮できるようになっています。20分にはそのクルーデンがドロップゴールを披露して11-3となります。
ワラビーズはクーパーに代えてベリック・バーンズを投入しても良かったと思うのですが、この後その本人にとってはテストマッチ初めてというドロップ・ゴールを32分に決めるし、またバーンズは12番PatMcCabeが出血により前半途中からベンチとの間を行き来することになって忙しい。ゲームメイカーがワラビーズには足りないことに陥ります。ここでもまたカートリー・ビールの不在が響いています。またもう一人のアタック先導者であるウィル・ギニアもことごとくその蹴り出すハイキックはABのバック3に奪われ、モールやラックからの球出しもABのフォワードによるブレイクダウン支配で上手く出来ない。そしてスクラムもABが強力に押して来るのでバックスへの活きたボールを出せない状態が続きました。
前半はこのようにABがテリトリーを8割占め危なげない試合運びで14-6と折り返すことになります。けれどさすがに後半はワラビーズの逆襲も予想されたので8点差は十分な得点差では無いことは確かでした。
後半もオールブラックスが支配し続けることが出来たのはフォワードの強さだったでしょう。特にそのデフェンスで見られるフォワードの強さはこの日ワラビーズを圧倒し続けました。後半入ってすぐ、ABがワラビーズ陣地深く攻め込んだ後ピリ・ウィープが上げたハイキックボールを受けワラビーズバックス陣がボールを横にすばやく展開し12;PatMcCabeがカウンターアタックに出ようとするところを強力タックルをかまして止めたのは3番のオーウェン・フランクス。このときのMcCabeのペナルティーで17-6と得点差を広げます。
そしてこの後もワラビーズのアタックを食い止めるのは出足の早いNo。8キエラン・リードであり、ブレイクダウンにも強くてあたりも強烈な6ジェロモ・カイノでした。これにマッコウを加えて動き回りワラビーズの速攻もことごとく食い止られます。また最後まで足が止まらず、そしてその強力なスクラムでの後押しが見られたのはロックのブラッド・ソーンで彼はまたもやこのゲームで鉄人らしさを見せ付けました。
またABの控えもこの日は誰もがスーパーサブとして活躍。特にベテラン勢の控えはワラビーズの控えに対しても断然強みがありました。55分以降ぐらいから両軍共にベンチから控えを続々投入します。ABはまずピリ・ウィープに代えアンディー・エリス、サム・ホワイトロックに代えてアリ・ウィリアムスを投入。ABのハーフバックはいつもテストマッチでは80分間一人が続けることは最近は無くこの60分ぐらいで交代するのがパターンでした。この日もウィープの役割はここで終了、キッカーはクルーデンに任せるという判断が出来たからでしょう。アンディー・エリスもアリ・ウィリアムスもABの攻勢を崩すことなく動き回りました。また63分にはフッカーにアンドリュー・ホーが投入されるのですが、彼もベンチで温めていたイライラを解消するような活躍がスクラムそしてブレイクダウンで見られました。
逆にワラビーズは先発のベテラン勢に代え若手の控えを投入してくるのですが、形勢は全くひっくり返すことが出来ませんでした。特にこの日最後の見せ場になったスクラムでは前半20分にすでに1.Sekope・Kepuがベン・フランクスに負けてベンチに下がってジェイムス・スリッパーが入り、後半66分にフッカーがTatafuPolota-Nauに代わるのですが、1.トニー・ウッドコック、2、アンドリュー・ホー、そして3、オーウェン・フランクスの前列はとても強力で66分以降2回もオーストラリアボールのスクラムを押し返してペナルティーを取るほどでした。この2回目のスクラムを圧倒した70分のペナルティーがABにとっても駄目押しの得点となり20-6でオールブラックスはワラビーズを退け16年ぶりのワールドカップ決勝進出を果たしました。
オールブラックス 20-6 ワラビーズ (前半 14-6)
RWC準決勝 オールブラックス対オーストラリアのゲームハイライトはこちらで見れます。
http://tvnz.co.nz/rugby-world-cup/clinical-all-blacks-book-final-4467181
2011年10月16日日曜日
10/16 RWC準決勝第1戦 ウェールズvsフランスの観戦記
このゲームはまたもやレフリーが台無しにしたゲームとして語り継がれそうです。このゲームを見た人も18分でウェールズのゲームは終わったと思ったでしょう。けれどウェールズはその後奇跡へのチャレンジを続け見ごたえのあるゲームにしてくれました。
ウェールズは前半始まって18分までにその日の勝敗の行方を自ら決めるような不運、ミスが起こります。ウェールズキックオフからウェールズは攻勢に出てフランス陣地に居座り6分にオフサイドのペナルティーから右サイドライン寄りからこの日のキッカージェイムス・フックが3点先行となるペナルティーキックを決め幸先いいスタートを切ります。
しかしその後この日の焦点の一つでもあった最初のスクラムでウェールズのフロントローでは重要な役割を果たしていた3;aアダム・ジョーンズが負傷、2回目のスクラムの際(9分)に控えと交代してしまいます。
この日オークランドは小雨が降るあいにくの天気。両軍キックボールを上げ、そしてハンドリングエラーを誘うゲームとなることは分かっていました。この影響が強く出たのはやはり猛攻を仕掛けるウェールズでした。ウェールズは何度もノックオン、ハンドリングエラーを犯します。そのたびにスクラムになるのですが、このスクラムもウェールズは耐えて10分には逆にフランスからペンルティーを取ります。このフランス陣地10mライン上中央やや左のペナルティーキックをジェイムス・フックは3点を狙うのですが、蹴る瞬間足元が滑り外します。けれどこのキックを見たTV解説の元オールブラックス、アンドリュー・マーティンは滑るうな体勢でのキックだから足元が湿っていなくても恐らく外れていただろうとフックのキック動作自体を指摘していました。このことがウェールズにとっての敗因の一つにもこの後なっていきます。
そして問題の場面がこの後17分に起こります。フランスがボールをもって自陣から攻めあがろうとする14;ビンセント・クラークに対してデフェンスタックルに入ったウェールズキャプテン7;SamWarburtonがクラークを持ち上げるようなリフトアップのタックルになりプレーが止められます。このときには誰もがこのプレイは警告もしくはイエローカードだと思ったはずです。私は普通のタックルぐらいにも思えたぐらいです。それがTV画面変わればSamWarburtonはすでにベンチに下がり、なんと彼にはレッドカードが出されているではありませんか?これには誰もがびっくりです。ベテランのアイルランドレフリーは躊躇無く、線審にアドバイスを聞くこともせず一発レッドカードを胸元から出します。これは観客もブーイングも出せないほどの早業。皆があっけにとられた感じでした。タックルを受けたクラークは頭から落とされたわけでもなく、フランスの上手いうずくまる演技が少し入りましたが、この後直ぐに起き上がり元気にプレーを続行するのです。レッドカードほどのリフトタックルだったら担架で運び出されるほどのものでしょう!?。この判断はあまりにきつすぎる。これでウェールズは勝てない!と誰もが思ったでしょう。
この日ウェールズの本拠地カーディフのミレニアムスタジアムでは6万5千ものサポーターがTV観戦を朝の8時から行っていたということですが、この場面を見てどう思ったでしょうか?これがもし今日行われるオールブラックスとオーストラリア戦でリッチー・マッコウが退場になったらどうなることやら?とTV解説も嘆いていましたが、ウェールズサポーターには悲劇の何者でもありません。
これでウェールズは全てのゲームプランが狂ったことでしょう。この後のスクラムには攻撃の要の12;ジェイミー・ロバーツがオープンサイドにはいることになります。ジェイミー・ロバーツはそれでも終日ラインブレイクに姿を何度も現す活躍を見せますが、さすがにスクラムの後肩で息をするロバーツの姿が画面に映し出されるとなんとも癒えない憤りを感じました。
そしてそのスクラムでフランスはペナルティーを取ると20分に3-3と同点にします。この日のキッカー;MorganParraのキックは全く危なげないもので、蹴った後はゴールポストまで真っ直ぐ飛んでいきます。フランスもどんどんウェールズ人地へと入るようになって行きます。これに対して14人で守ることになったウェールズはフランスの攻撃に何とか耐えます。そしてフランス陣地にも戻ってはアタックを仕掛けるのですが、どうしても人数が足りない感じ。それでも28分フランス陣地8mほど入ったところでペナルティーを得るとフックは3点を狙うのですが、このキックがとんでもないミスキックとなり話にならない。またフックのフィールドプレーもこの辺りからミスがなんだかちぐはぐなプレーが目立ちはじめ私にはコリン・スレイド状態になっていました。早く彼を代えて欲しい想いが募りました。
そんな思いは関係なくゲームは進み33分にはフランスがペナルティーを得てウェールズ陣地13mほど入った中央からのキックをParraは無難に決めて逆転に成功します。それでもウェールズはアタックを緩めず何とか前半に追いつこうとしまがフランスのラインを崩せません。38分にフックがドロップゴールを試みますが、これまた全く方向違いに蹴った瞬間から分かるようなひどいキックとなって前半は3-6で終わってしまいます。それでもこの前半にはフランスはウェールズより20は多いタックルをウェールズに放っています。
これまでのテズトマッチにおいて14人のチームが15人そろったチームに勝ったことはほとんどないということなのでウェールズの後半も期待はあまり出来なかったのですが、けれど奇跡が起こるかもしれない期待は十分持てる内容となりました。
後半はやはりどちらが早く追加点を上げるかが焦点となり、フランスは41分にドロップゴールをParraが試みますが、外します。そしてスクラムの主導権をしっかりとるため1番、2番の二人をベンチの控えと早々と代えてきます。これに対してウェールズはキャプテンを失ったことからベテランを後半は投入してくるのですが、まずジェイムス・フックに代え大ベテランのステファン・ジョーンズを入れます。これには大きな期待が寄せられたと思います。私もこれでウェールズは勝てると思ったほどです。
しかしフランスはフォワードがしっかりとウェールズの反撃を抑えることになります。スクラムはウェールズに互角といえるほど堪えられたのですが、ラインアウトがこの日フランスはウェールズに打撃を与え続けました。ウェールズボールのラインアウトをこの日フランスは5回もボールを奪い取ります。この場面がことごとくフランス陣地に攻め込まれたときのことでした。またフランスの追加点を上げる切っ掛けもこのラインアウトからでした。
49分自陣からウェールズ陣地22mライン手前まで蹴りだしたフランスボールのラインアウトからすぐさまモールにつなぎ、このモールでウェールズからペナルティーを取ります。(実際はこれまたレフリーの判断ミスでウェールズは誰もモールを引っ張って崩してはいませんでした。)これで9-3とフランスが点差を広げます。
これでもウェールズはあきらめません。ベテランロックのライアン・ジョーズも投入。そして55分自陣からステファン・ジョーンズの素晴らしい相手の裏を衝くキックボールでフランス陣地22m内まで入り込み、そこからのラインアウトボールで始まるアタックにおいてついに9.マイク・フリップスがラインブレイクしてトライを取ります。これで9-8となり、誰もがコンバージョンは決めてくれるだろうと思っていたステファン・ジョーンズがなんと外してしまいます。ここに来てゲームに全く使われなかったことが響くことになりました。それでも1点差、時間は59分まだまだ逆転のチャンスは多分に残されていました。にわかにウェールズサポーターも生き返ったように騒ぎ出します。
これに対してフランスは先週の南アフリカvsオーストラリア戦でオーストラリアが見せたようなデフェンスに終始します。ウェールズにボール支配率、テリトリー共に6割は支配されながらもデフェンスタックルを浴びせまくることになります。ゲーム終了時にはウェールズが56のタックルを浴びせたことに対してフランスはその倍以上の126のタックルをウェ-ルズに浴びせ守りきったゲームとなりました。
ウェールズはこの堅い守りからどうしてもペナルティー狙い、もしくはデフェンスライン前のドロップゴール狙いに集中してしまった感じです。14人で、ブレイクダウンでの強みが合ったSamWarburtonを失ったことからもどうしてもそうなるのは分かるのですが、ラインブレイクの試みが少なくなった感じ見られました。これが60分以降ズーットウェールズに響くことになります。
最後の10分はウェールズがボールを持ってフランスデフェンスラインを脅かすことに終始したのですが、74分はその甲斐あってセンターライン上でフランスのペナルティーを取ります。ペナルティーを犯した2.WilliamServatも頭を抱えるほどだったのですが、このロングキックをウェールズはこの大会でまだ1回しか蹴っていない15.LeighHalfpennyに託します。確かにステファン・ジョーンズにはロングすぎる距離でしかたのない選択でした。このセンターライン中央からのキックは慎重に蹴られるのですが、蹴った瞬間は決まったと誰もが歓喜したことでしょう。その弾丸ライナー気味で蹴られたボールは真っ直ぐとゴールポストに向かって飛んだのですが、低く蹴られたこともあってゴールポスト前で弾道が下がりわずかにアンダーバーの下を通り過ぎて行きました。あまりにも無常な瞬間。
これでもウェールズは最後のチャンスを奪うためにセンターラインからフランス陣地に入り込む試みを続けます。とにかくボールを保持し続けて相手にペナルティーを犯させるか、デフェンスラインを押し下げてドロップゴールを試みるか2つの選択肢だけを頼りに延々10分間フランスデフェンスラインの前でピック&ドライブを試みました。その数なんと25回。これに対してフランスはタックルの嵐。一旦はフランス陣地10mぐらいまで入り込まれるのですが、どんどんデフェンスラインを上げて、ステファン・ジョーンズのドロップゴール射程範囲には入れさせない。ましてセンターラインぐらいまで押し上げ、付け入る隙を全く見せずにフランスは1点差を守りきりました。
ウェールズ 8-9 フランス (前半3-6)
ウェールズ対フランスのゲームハイライトはこちらで見れます。
http://www.rugbyworldcup.com/rugbytracker/match=11231/video.html
ウェールズは前半始まって18分までにその日の勝敗の行方を自ら決めるような不運、ミスが起こります。ウェールズキックオフからウェールズは攻勢に出てフランス陣地に居座り6分にオフサイドのペナルティーから右サイドライン寄りからこの日のキッカージェイムス・フックが3点先行となるペナルティーキックを決め幸先いいスタートを切ります。
しかしその後この日の焦点の一つでもあった最初のスクラムでウェールズのフロントローでは重要な役割を果たしていた3;aアダム・ジョーンズが負傷、2回目のスクラムの際(9分)に控えと交代してしまいます。
この日オークランドは小雨が降るあいにくの天気。両軍キックボールを上げ、そしてハンドリングエラーを誘うゲームとなることは分かっていました。この影響が強く出たのはやはり猛攻を仕掛けるウェールズでした。ウェールズは何度もノックオン、ハンドリングエラーを犯します。そのたびにスクラムになるのですが、このスクラムもウェールズは耐えて10分には逆にフランスからペンルティーを取ります。このフランス陣地10mライン上中央やや左のペナルティーキックをジェイムス・フックは3点を狙うのですが、蹴る瞬間足元が滑り外します。けれどこのキックを見たTV解説の元オールブラックス、アンドリュー・マーティンは滑るうな体勢でのキックだから足元が湿っていなくても恐らく外れていただろうとフックのキック動作自体を指摘していました。このことがウェールズにとっての敗因の一つにもこの後なっていきます。
そして問題の場面がこの後17分に起こります。フランスがボールをもって自陣から攻めあがろうとする14;ビンセント・クラークに対してデフェンスタックルに入ったウェールズキャプテン7;SamWarburtonがクラークを持ち上げるようなリフトアップのタックルになりプレーが止められます。このときには誰もがこのプレイは警告もしくはイエローカードだと思ったはずです。私は普通のタックルぐらいにも思えたぐらいです。それがTV画面変わればSamWarburtonはすでにベンチに下がり、なんと彼にはレッドカードが出されているではありませんか?これには誰もがびっくりです。ベテランのアイルランドレフリーは躊躇無く、線審にアドバイスを聞くこともせず一発レッドカードを胸元から出します。これは観客もブーイングも出せないほどの早業。皆があっけにとられた感じでした。タックルを受けたクラークは頭から落とされたわけでもなく、フランスの上手いうずくまる演技が少し入りましたが、この後直ぐに起き上がり元気にプレーを続行するのです。レッドカードほどのリフトタックルだったら担架で運び出されるほどのものでしょう!?。この判断はあまりにきつすぎる。これでウェールズは勝てない!と誰もが思ったでしょう。
この日ウェールズの本拠地カーディフのミレニアムスタジアムでは6万5千ものサポーターがTV観戦を朝の8時から行っていたということですが、この場面を見てどう思ったでしょうか?これがもし今日行われるオールブラックスとオーストラリア戦でリッチー・マッコウが退場になったらどうなることやら?とTV解説も嘆いていましたが、ウェールズサポーターには悲劇の何者でもありません。
これでウェールズは全てのゲームプランが狂ったことでしょう。この後のスクラムには攻撃の要の12;ジェイミー・ロバーツがオープンサイドにはいることになります。ジェイミー・ロバーツはそれでも終日ラインブレイクに姿を何度も現す活躍を見せますが、さすがにスクラムの後肩で息をするロバーツの姿が画面に映し出されるとなんとも癒えない憤りを感じました。
そしてそのスクラムでフランスはペナルティーを取ると20分に3-3と同点にします。この日のキッカー;MorganParraのキックは全く危なげないもので、蹴った後はゴールポストまで真っ直ぐ飛んでいきます。フランスもどんどんウェールズ人地へと入るようになって行きます。これに対して14人で守ることになったウェールズはフランスの攻撃に何とか耐えます。そしてフランス陣地にも戻ってはアタックを仕掛けるのですが、どうしても人数が足りない感じ。それでも28分フランス陣地8mほど入ったところでペナルティーを得るとフックは3点を狙うのですが、このキックがとんでもないミスキックとなり話にならない。またフックのフィールドプレーもこの辺りからミスがなんだかちぐはぐなプレーが目立ちはじめ私にはコリン・スレイド状態になっていました。早く彼を代えて欲しい想いが募りました。
そんな思いは関係なくゲームは進み33分にはフランスがペナルティーを得てウェールズ陣地13mほど入った中央からのキックをParraは無難に決めて逆転に成功します。それでもウェールズはアタックを緩めず何とか前半に追いつこうとしまがフランスのラインを崩せません。38分にフックがドロップゴールを試みますが、これまた全く方向違いに蹴った瞬間から分かるようなひどいキックとなって前半は3-6で終わってしまいます。それでもこの前半にはフランスはウェールズより20は多いタックルをウェールズに放っています。
これまでのテズトマッチにおいて14人のチームが15人そろったチームに勝ったことはほとんどないということなのでウェールズの後半も期待はあまり出来なかったのですが、けれど奇跡が起こるかもしれない期待は十分持てる内容となりました。
後半はやはりどちらが早く追加点を上げるかが焦点となり、フランスは41分にドロップゴールをParraが試みますが、外します。そしてスクラムの主導権をしっかりとるため1番、2番の二人をベンチの控えと早々と代えてきます。これに対してウェールズはキャプテンを失ったことからベテランを後半は投入してくるのですが、まずジェイムス・フックに代え大ベテランのステファン・ジョーンズを入れます。これには大きな期待が寄せられたと思います。私もこれでウェールズは勝てると思ったほどです。
しかしフランスはフォワードがしっかりとウェールズの反撃を抑えることになります。スクラムはウェールズに互角といえるほど堪えられたのですが、ラインアウトがこの日フランスはウェールズに打撃を与え続けました。ウェールズボールのラインアウトをこの日フランスは5回もボールを奪い取ります。この場面がことごとくフランス陣地に攻め込まれたときのことでした。またフランスの追加点を上げる切っ掛けもこのラインアウトからでした。
49分自陣からウェールズ陣地22mライン手前まで蹴りだしたフランスボールのラインアウトからすぐさまモールにつなぎ、このモールでウェールズからペナルティーを取ります。(実際はこれまたレフリーの判断ミスでウェールズは誰もモールを引っ張って崩してはいませんでした。)これで9-3とフランスが点差を広げます。
これでもウェールズはあきらめません。ベテランロックのライアン・ジョーズも投入。そして55分自陣からステファン・ジョーンズの素晴らしい相手の裏を衝くキックボールでフランス陣地22m内まで入り込み、そこからのラインアウトボールで始まるアタックにおいてついに9.マイク・フリップスがラインブレイクしてトライを取ります。これで9-8となり、誰もがコンバージョンは決めてくれるだろうと思っていたステファン・ジョーンズがなんと外してしまいます。ここに来てゲームに全く使われなかったことが響くことになりました。それでも1点差、時間は59分まだまだ逆転のチャンスは多分に残されていました。にわかにウェールズサポーターも生き返ったように騒ぎ出します。
これに対してフランスは先週の南アフリカvsオーストラリア戦でオーストラリアが見せたようなデフェンスに終始します。ウェールズにボール支配率、テリトリー共に6割は支配されながらもデフェンスタックルを浴びせまくることになります。ゲーム終了時にはウェールズが56のタックルを浴びせたことに対してフランスはその倍以上の126のタックルをウェ-ルズに浴びせ守りきったゲームとなりました。
ウェールズはこの堅い守りからどうしてもペナルティー狙い、もしくはデフェンスライン前のドロップゴール狙いに集中してしまった感じです。14人で、ブレイクダウンでの強みが合ったSamWarburtonを失ったことからもどうしてもそうなるのは分かるのですが、ラインブレイクの試みが少なくなった感じ見られました。これが60分以降ズーットウェールズに響くことになります。
最後の10分はウェールズがボールを持ってフランスデフェンスラインを脅かすことに終始したのですが、74分はその甲斐あってセンターライン上でフランスのペナルティーを取ります。ペナルティーを犯した2.WilliamServatも頭を抱えるほどだったのですが、このロングキックをウェールズはこの大会でまだ1回しか蹴っていない15.LeighHalfpennyに託します。確かにステファン・ジョーンズにはロングすぎる距離でしかたのない選択でした。このセンターライン中央からのキックは慎重に蹴られるのですが、蹴った瞬間は決まったと誰もが歓喜したことでしょう。その弾丸ライナー気味で蹴られたボールは真っ直ぐとゴールポストに向かって飛んだのですが、低く蹴られたこともあってゴールポスト前で弾道が下がりわずかにアンダーバーの下を通り過ぎて行きました。あまりにも無常な瞬間。
これでもウェールズは最後のチャンスを奪うためにセンターラインからフランス陣地に入り込む試みを続けます。とにかくボールを保持し続けて相手にペナルティーを犯させるか、デフェンスラインを押し下げてドロップゴールを試みるか2つの選択肢だけを頼りに延々10分間フランスデフェンスラインの前でピック&ドライブを試みました。その数なんと25回。これに対してフランスはタックルの嵐。一旦はフランス陣地10mぐらいまで入り込まれるのですが、どんどんデフェンスラインを上げて、ステファン・ジョーンズのドロップゴール射程範囲には入れさせない。ましてセンターラインぐらいまで押し上げ、付け入る隙を全く見せずにフランスは1点差を守りきりました。
ウェールズ 8-9 フランス (前半3-6)
ウェールズ対フランスのゲームハイライトはこちらで見れます。
http://www.rugbyworldcup.com/rugbytracker/match=11231/video.html
2011年10月15日土曜日
10/15 RWC準決勝オールブラックス対ワラビーズの見所
ニュージーランドにとって今年最大の関心ごとでもあるラグビーワールドカップの準決勝が明日になりました。このオーストラリアとの準決勝が実質のワールドカップの決勝戦とも言われ、ニュージーランドの人、誰もがこのゲームに勝つこと願っています。また心の底では非常に心配しているゲームでもあります。それはやはり対するオーストラリアの強さを認めているからで、絶対的に勝つとは誰もが心の底では思っていないというのが実情でしょう。
その心配事を少し和らげることがゲーム前日に分かりました。オーストラリアの先発メンバーでフルバックに予定されていたカートリー・ビールが先週の南アフリカ戦で痛めたハムストリングスの回復が十分でないことからこのゲームには出ないようになったことです。
カートリー・ビールは今年のワラビーズにとって最大の武器の一人でもありました。そのカウンターアタックはどのゲームを見ても相手チームにとっては脅威です。またキッカーとしても長距離のキックを蹴れることがチームとしても武器でした。オールブラックスにとっても彼の存在はゲーム中常にマークしなければならない重要人物だったはずです。それが出られないということで多少ワラビーズの攻撃力が落ちて、オールブラックスのアタックが少しやりやすくなると思われます。カートリー・ビールに代わりフルバックにはアダム・アシュレークーパーがセンターから下がり、センターにはアンソニー・ファインガが入ります。これによりオールブラクスのこのゲームでの攻撃の要と見られているセンター・コンビ=12、マアア・ノヌー13.コンラッド・スミスのラインブレイクチャンスが増えそうです。そしてオールブラックスから繰り出されるキックボールでのカウンターアタックもチャンスが増えることでしょう。
そしてニュージーランドの人にとってもう一つ心配事だったリッチー・マッコウの足の状態ですが、今週は全く軽い練習だけで過ごしましたが、明日のゲームには確実に出るということ。彼を失ってしまってはやはり精神的にもオールブラックスの勝算は激減するところでした。対するデビッド・ポコックのほうが今やブレイクダウンではマッコウも敵うことは無いようですが、とりあえずグランドに居てくれさえすれば周りが動きやすくもなります。
今度の準決勝はオークランドで行われる為大きなホームアドバンテージがあるわけですが、さすがにワラビーズサポーターもたくさん押し寄せるようです。けれど今年のトライネーション最終戦、オールブラックスが負けたブリスベンでのゲームのようにはならないでしょう。
このブリスベンでのゲームとは今回両軍のメンバーとしてはやはりオールブラックスのほうがメンバー的には強くなっている気がします。ワラビーズはブリスベンでのゲームにジェイムス・オコーナーが出られなくてWingにアシュレークーパーが入っていました。また今回はカートリー・ビールが抜けるということになりオコーナーが今回はWingで入ることがプラスですが、カトーリー・ビルが抜けることでプラスマイナス=0といったところでしょう。他のメンバーはブリスベンでのゲームと変わっていません。
オールブラックスの最大のブリスベン戦との変更はダン・カ-タ-がいないことですが、このゲームが本当の先発となるアーロン・クルーデンはそれなりに頼りになりそうです。確かにワラビーズにとっては最大の狙うべきターゲット、プレッシャーをかけるプレイヤーになるでしょう。けれどこのプレッシャーにはクルーデンも簡単には負けないように思えてます。
またブリスベン戦での敗因の人物の一人であるWingのザック・ギルフォードに代わりリチャード・カフイが復帰、またNo.8のRadikeSamoに叩き倒されトライを許したアダム・トンプソンはまだ腕の怪我が回復しない為このゲームの控えにも入れないのですが、6番にはSamoの破壊力あるアタックにも対等にぶつかれるジェロモ・カイノが先発で出ます。そしてフルバックにはブリスベン戦でのマリ・ムレアイーナに代わりイスラエル・ダグが怪我から復帰して先発で入ります。これでカウンターアタックと彼の長距離キックボールが攻撃力を上げると思われます。
確かにオーストラリアはオールブラックより先週の南アフリカ戦で激しく、タフなゲームを経験してきてこのオールブラックス戦への心構えも準備万端でしょう。オールブラックスは激しいデフェンスを披露するようなゲームをまだ経験してなくて、スピードあるチームアタックもあまり見せる必要のないゲームが続いてきました。この点がチームとしての弱点といえばそうなのですが、オーストラリアには疲労も残っているようです。12;PatMcCabeは肩の骨を痛めていて、ワールドカップが終われば手術も必要な状態らしいのですが、このゲームに先発で出てきます。またチームとしても南アフリカ戦以降は全体的に軽めの練習に今週は通しています。
ワラビーズに取ってはアーロン・クルーデンとピリ・ウィープがターゲットになってくるでしょうが、オールブラックスにとっても対するウィル・ギニアとクェイド・ク-パーが要注意人物であることは変わらないでしょう。先週の南アフリカ戦ではクェイド・クーパーが相手のプレッシャーから全く動きを封じられましたが、このゲームでもギニアとクーパーをどのようにオールブラックスが抑えていくか見ものです。
このゲームも先週の南アフリカvsオーストラリア戦と同じくキックオフから80分間ノンストップの、一つのミスが勝敗を決める激しい攻防が期待されています。またお互いスピードがキーポイントになるゲームプランのゲームになるでしょう。そして最後にはこのスピードに絶えられなく、また足が止まったチームのほうが負けるようになると思われます。それがオールブラックスでないことを祈るだけです。
オールブラックス
15.イスラエル・ダグ 14.コーリー・ジェーン 13.コンラッド・スミス
11.リチャード・カフイ 12.マアア・ノヌ 10.アーリン・クルーデン
9.ピリ・ウィープ
8.キエラン・リード 7.リチャード・マッコウ 6.ジェロモ・カイノ
5.サム・ホワイトロック 4.ブラッド・ソーン
3.オーウェン・フランクス 2.ケビン・メアラム 1.トニー・ウッドコック
16.アンドリュー・ホー 17.ベン・フランクス 18.アリ・ウィリアムス
19.ビクター・ビット 20.アンディー・エリス 21.ステファン・ドナルド
22.サニー・ビル・ウィリアムス
オーストラリア
15.アダム・アシュレークーパー 14.ジェイムス・オコーナー 13.アンソニー・ファインガ
11.ディグビー・イオアニ 12、PatMcCabe 10.クエイド・クーパー
9.ウィル・ゲニア
8.RadikeSamo 7.デビッド・ポコック 6.ロッキー・エルソム
5.ジェイムス・ホロウェル(C) 4.ダン・ベッカッマン
3.ベン・アレキサンダー 2.ステファン・ムーアー 1.SekopeKepu
16.TatafuPolotaーNau 17.ジェイムス・スリッパー 18.ロブ・シモンズ
19.BenMcCalman 20.ルーク・バージェス 21、べリック・バーンズ
22.ロブ・ホーン
その心配事を少し和らげることがゲーム前日に分かりました。オーストラリアの先発メンバーでフルバックに予定されていたカートリー・ビールが先週の南アフリカ戦で痛めたハムストリングスの回復が十分でないことからこのゲームには出ないようになったことです。
カートリー・ビールは今年のワラビーズにとって最大の武器の一人でもありました。そのカウンターアタックはどのゲームを見ても相手チームにとっては脅威です。またキッカーとしても長距離のキックを蹴れることがチームとしても武器でした。オールブラックスにとっても彼の存在はゲーム中常にマークしなければならない重要人物だったはずです。それが出られないということで多少ワラビーズの攻撃力が落ちて、オールブラックスのアタックが少しやりやすくなると思われます。カートリー・ビールに代わりフルバックにはアダム・アシュレークーパーがセンターから下がり、センターにはアンソニー・ファインガが入ります。これによりオールブラクスのこのゲームでの攻撃の要と見られているセンター・コンビ=12、マアア・ノヌー13.コンラッド・スミスのラインブレイクチャンスが増えそうです。そしてオールブラックスから繰り出されるキックボールでのカウンターアタックもチャンスが増えることでしょう。
そしてニュージーランドの人にとってもう一つ心配事だったリッチー・マッコウの足の状態ですが、今週は全く軽い練習だけで過ごしましたが、明日のゲームには確実に出るということ。彼を失ってしまってはやはり精神的にもオールブラックスの勝算は激減するところでした。対するデビッド・ポコックのほうが今やブレイクダウンではマッコウも敵うことは無いようですが、とりあえずグランドに居てくれさえすれば周りが動きやすくもなります。
今度の準決勝はオークランドで行われる為大きなホームアドバンテージがあるわけですが、さすがにワラビーズサポーターもたくさん押し寄せるようです。けれど今年のトライネーション最終戦、オールブラックスが負けたブリスベンでのゲームのようにはならないでしょう。
このブリスベンでのゲームとは今回両軍のメンバーとしてはやはりオールブラックスのほうがメンバー的には強くなっている気がします。ワラビーズはブリスベンでのゲームにジェイムス・オコーナーが出られなくてWingにアシュレークーパーが入っていました。また今回はカートリー・ビールが抜けるということになりオコーナーが今回はWingで入ることがプラスですが、カトーリー・ビルが抜けることでプラスマイナス=0といったところでしょう。他のメンバーはブリスベンでのゲームと変わっていません。
オールブラックスの最大のブリスベン戦との変更はダン・カ-タ-がいないことですが、このゲームが本当の先発となるアーロン・クルーデンはそれなりに頼りになりそうです。確かにワラビーズにとっては最大の狙うべきターゲット、プレッシャーをかけるプレイヤーになるでしょう。けれどこのプレッシャーにはクルーデンも簡単には負けないように思えてます。
またブリスベン戦での敗因の人物の一人であるWingのザック・ギルフォードに代わりリチャード・カフイが復帰、またNo.8のRadikeSamoに叩き倒されトライを許したアダム・トンプソンはまだ腕の怪我が回復しない為このゲームの控えにも入れないのですが、6番にはSamoの破壊力あるアタックにも対等にぶつかれるジェロモ・カイノが先発で出ます。そしてフルバックにはブリスベン戦でのマリ・ムレアイーナに代わりイスラエル・ダグが怪我から復帰して先発で入ります。これでカウンターアタックと彼の長距離キックボールが攻撃力を上げると思われます。
確かにオーストラリアはオールブラックより先週の南アフリカ戦で激しく、タフなゲームを経験してきてこのオールブラックス戦への心構えも準備万端でしょう。オールブラックスは激しいデフェンスを披露するようなゲームをまだ経験してなくて、スピードあるチームアタックもあまり見せる必要のないゲームが続いてきました。この点がチームとしての弱点といえばそうなのですが、オーストラリアには疲労も残っているようです。12;PatMcCabeは肩の骨を痛めていて、ワールドカップが終われば手術も必要な状態らしいのですが、このゲームに先発で出てきます。またチームとしても南アフリカ戦以降は全体的に軽めの練習に今週は通しています。
ワラビーズに取ってはアーロン・クルーデンとピリ・ウィープがターゲットになってくるでしょうが、オールブラックスにとっても対するウィル・ギニアとクェイド・ク-パーが要注意人物であることは変わらないでしょう。先週の南アフリカ戦ではクェイド・クーパーが相手のプレッシャーから全く動きを封じられましたが、このゲームでもギニアとクーパーをどのようにオールブラックスが抑えていくか見ものです。
このゲームも先週の南アフリカvsオーストラリア戦と同じくキックオフから80分間ノンストップの、一つのミスが勝敗を決める激しい攻防が期待されています。またお互いスピードがキーポイントになるゲームプランのゲームになるでしょう。そして最後にはこのスピードに絶えられなく、また足が止まったチームのほうが負けるようになると思われます。それがオールブラックスでないことを祈るだけです。
オールブラックス
15.イスラエル・ダグ 14.コーリー・ジェーン 13.コンラッド・スミス
11.リチャード・カフイ 12.マアア・ノヌ 10.アーリン・クルーデン
9.ピリ・ウィープ
8.キエラン・リード 7.リチャード・マッコウ 6.ジェロモ・カイノ
5.サム・ホワイトロック 4.ブラッド・ソーン
3.オーウェン・フランクス 2.ケビン・メアラム 1.トニー・ウッドコック
16.アンドリュー・ホー 17.ベン・フランクス 18.アリ・ウィリアムス
19.ビクター・ビット 20.アンディー・エリス 21.ステファン・ドナルド
22.サニー・ビル・ウィリアムス
オーストラリア
15.アダム・アシュレークーパー 14.ジェイムス・オコーナー 13.アンソニー・ファインガ
11.ディグビー・イオアニ 12、PatMcCabe 10.クエイド・クーパー
9.ウィル・ゲニア
8.RadikeSamo 7.デビッド・ポコック 6.ロッキー・エルソム
5.ジェイムス・ホロウェル(C) 4.ダン・ベッカッマン
3.ベン・アレキサンダー 2.ステファン・ムーアー 1.SekopeKepu
16.TatafuPolotaーNau 17.ジェイムス・スリッパー 18.ロブ・シモンズ
19.BenMcCalman 20.ルーク・バージェス 21、べリック・バーンズ
22.ロブ・ホーン
2011年10月14日金曜日
10/14 ウェールズvsフランスの見所
ウェールズがここまで勝ち残ると誰が予想したでしょう。この大会始まってから一番チームとして実力を上げてきたのはこのウェールズといえるでしょう。この準決勝でもその勢いが見られそうです。
先週イングランドに快勝したフランスもウェールズはイングランドより手ごわいことを認めています。また強力スクラムが戻ったフランスに対してもウェールズスクラムは対等に争えそうです。一つ心配事として今週浮上したのはこの大会からレギュラー10番に入ってそのキックプレイの評価をゲームごとに上げてきたRhysPriestland(24歳)が先週のアイルランド戦で受けた肩の負傷が回復せずにこのゲームは出られなくなったことでしょう。代わりにそれまでのレギュラー10番ジェームス・フックが先発、そして控えに大ベテランのステファン・ジョーンズが入りますが、これによりこれまでのゲームプランが変わるとはあまり思えません。
とにかくウェールズはこの大会でその若いチームだからどんどん成長していることが言われていますが、このフランス戦でもその若さが勝利を導く原動力になりそうです。だからジェームス・フックでさえベテラン扱いを受けるでしょう。彼を取り囲むバックスのアタック要員はハーフバック29歳のマイクフィリップス、34歳でまだウィングとして活躍しているシェイン・ウィリアムス以外は24歳以下、特に先週のアイルランド戦でも活躍が見られた12;ジェイミー・ロバーツは注目でしょう。
このバックスの中でフランスが狙ってくるだろうと思われているのがフルバックのハーフペニー(22)です。彼は普段はウィングなのですが、この大会からフルバックにコンバートされて活躍が見られていますが、身長が171cmとラグビー界の中では背の低い選手です。彼に対してハイキックボールでの爆弾をたくさんフランス側から上げられそうです。
またウェールズの若さはバックスだけに留まらずフォワードも若さの勢いがあります。特にフランカー陣はなんとみんな23歳以下。その若いフランカーでもNo.8のトンガ出身TobyFaletau、そしてウェールズでは史上最年少でキャプテンに選ばれているSamWarburton(23歳)はこの大会でもそのポジションではベストプレイヤーとして認められています。この若くて動きがアグレッシブなウェールズに対してベテラン勢でそろえているフランスのフランカー陣とのマッチアップも見所になるでしょう。特に両軍のキャプテン同士のプレイ、又はレフリーに対する対応なども見所になりそうです。
フランスは先週のイングランド戦から本領発揮し始めた感じですが、さすがにウェールズよりは大舞台、瀬戸際での底力は格段上に思えます。このワールドカップでの勝ち方も知っているでしょう。ただ一つこのゲームで心配されているのは先発メンバーはイングランド戦とは替えられていないけどレギュラーキッカーであるハーフバックのDimitriYachvilihが足を故障していてその回復しだいですが、今のところキッカーが10;MorganParraに代わることです。Parraも悪くないのですが、やはりペナルティーキック成功率90%となるDimitriYachvilihのキック力のほうが頼りになります。
ウェールズの強いデフェンスが十分発揮されてフランスのキックプレイを抑えられたらウェールズの勝算は十分あるでしょう。ちなみにやはり監督がNZ人で、ニュージーランド国内にもウェールズ出身者が多いウェールズのほうが人気があります。
この大会が始まる前のニュージーランド国内のスポーツベットでの優勝予想はウェールズの掛け率が$50でフランスが$20でした。それがこの準決勝前には、ウェールズ$6.50、フランス$8.50となって逆転してます。ちなみに他のチームではオールブラックスがBefore$1.65、After$1.60、オーストラリア$4.00→$4.50、また南アフリカの大会前の予想が$7.50、イングランドが$12、アイルランドが$35でした。大会が始まる前にウェールズを信じて決勝戦まで残ることに賭けた人たちにとっても見逃せないゲームとなるでしょう。
ウェールズ
15.LeighHalfpenny(22歳) 14.ジョージ・ノース(19)
13.JonathanDavies(23) 12.ジェイミー・ロバーツ(24)
11.シェイン・ウィリアムス(34) 10.ジェイムス・フック(26)
9.マイク・フリップス(29)
8.TobyFaletau(21) 7.SamWarburton(C、23)
6.DanLydiate(23)
5.Alun-WynJones(26) 4.LukeCharteris(28)
3.AdamJones(30) 2.HuwBennett(28)
1.GethinJenkins(30)
16.LloydBums 17.PaulJames 18.BradleyDavies
19.ライアン・ジョーンズ(30) 20.LloydWilliams
21.ステファン・ジョーンズ(33) 22.ScottWilliams
フランス
15.MaximeMedard(24) 14.ビンセント・クラーク(30)
13.AurelienRougerie(31) 12.MaximeMermoz(25)
11.AlexisPalisson(24) 10.MorganParra(22)
9.DimitriYachvili(31)
8.ImanolHarinordoquy(31) 7.JulienBonnaire(33)
6.ThierryDusautoir(C、 29)
5.LionelNallet(35) 4.PascalPape(31)
3.NicolasMas(31) 2.WilliamServat(33)
1.Jean-BaptistePoux(32)
16.DimitriSzarzewski 17.FabienBarcella
18.JulienPierre 19.LouisPacamoles
20.FrancoisTrinh-Duc 21.DavidMarty
22.CedricHeymans
先週イングランドに快勝したフランスもウェールズはイングランドより手ごわいことを認めています。また強力スクラムが戻ったフランスに対してもウェールズスクラムは対等に争えそうです。一つ心配事として今週浮上したのはこの大会からレギュラー10番に入ってそのキックプレイの評価をゲームごとに上げてきたRhysPriestland(24歳)が先週のアイルランド戦で受けた肩の負傷が回復せずにこのゲームは出られなくなったことでしょう。代わりにそれまでのレギュラー10番ジェームス・フックが先発、そして控えに大ベテランのステファン・ジョーンズが入りますが、これによりこれまでのゲームプランが変わるとはあまり思えません。
とにかくウェールズはこの大会でその若いチームだからどんどん成長していることが言われていますが、このフランス戦でもその若さが勝利を導く原動力になりそうです。だからジェームス・フックでさえベテラン扱いを受けるでしょう。彼を取り囲むバックスのアタック要員はハーフバック29歳のマイクフィリップス、34歳でまだウィングとして活躍しているシェイン・ウィリアムス以外は24歳以下、特に先週のアイルランド戦でも活躍が見られた12;ジェイミー・ロバーツは注目でしょう。
このバックスの中でフランスが狙ってくるだろうと思われているのがフルバックのハーフペニー(22)です。彼は普段はウィングなのですが、この大会からフルバックにコンバートされて活躍が見られていますが、身長が171cmとラグビー界の中では背の低い選手です。彼に対してハイキックボールでの爆弾をたくさんフランス側から上げられそうです。
またウェールズの若さはバックスだけに留まらずフォワードも若さの勢いがあります。特にフランカー陣はなんとみんな23歳以下。その若いフランカーでもNo.8のトンガ出身TobyFaletau、そしてウェールズでは史上最年少でキャプテンに選ばれているSamWarburton(23歳)はこの大会でもそのポジションではベストプレイヤーとして認められています。この若くて動きがアグレッシブなウェールズに対してベテラン勢でそろえているフランスのフランカー陣とのマッチアップも見所になるでしょう。特に両軍のキャプテン同士のプレイ、又はレフリーに対する対応なども見所になりそうです。
フランスは先週のイングランド戦から本領発揮し始めた感じですが、さすがにウェールズよりは大舞台、瀬戸際での底力は格段上に思えます。このワールドカップでの勝ち方も知っているでしょう。ただ一つこのゲームで心配されているのは先発メンバーはイングランド戦とは替えられていないけどレギュラーキッカーであるハーフバックのDimitriYachvilihが足を故障していてその回復しだいですが、今のところキッカーが10;MorganParraに代わることです。Parraも悪くないのですが、やはりペナルティーキック成功率90%となるDimitriYachvilihのキック力のほうが頼りになります。
ウェールズの強いデフェンスが十分発揮されてフランスのキックプレイを抑えられたらウェールズの勝算は十分あるでしょう。ちなみにやはり監督がNZ人で、ニュージーランド国内にもウェールズ出身者が多いウェールズのほうが人気があります。
この大会が始まる前のニュージーランド国内のスポーツベットでの優勝予想はウェールズの掛け率が$50でフランスが$20でした。それがこの準決勝前には、ウェールズ$6.50、フランス$8.50となって逆転してます。ちなみに他のチームではオールブラックスがBefore$1.65、After$1.60、オーストラリア$4.00→$4.50、また南アフリカの大会前の予想が$7.50、イングランドが$12、アイルランドが$35でした。大会が始まる前にウェールズを信じて決勝戦まで残ることに賭けた人たちにとっても見逃せないゲームとなるでしょう。
ウェールズ
15.LeighHalfpenny(22歳) 14.ジョージ・ノース(19)
13.JonathanDavies(23) 12.ジェイミー・ロバーツ(24)
11.シェイン・ウィリアムス(34) 10.ジェイムス・フック(26)
9.マイク・フリップス(29)
8.TobyFaletau(21) 7.SamWarburton(C、23)
6.DanLydiate(23)
5.Alun-WynJones(26) 4.LukeCharteris(28)
3.AdamJones(30) 2.HuwBennett(28)
1.GethinJenkins(30)
16.LloydBums 17.PaulJames 18.BradleyDavies
19.ライアン・ジョーンズ(30) 20.LloydWilliams
21.ステファン・ジョーンズ(33) 22.ScottWilliams
フランス
15.MaximeMedard(24) 14.ビンセント・クラーク(30)
13.AurelienRougerie(31) 12.MaximeMermoz(25)
11.AlexisPalisson(24) 10.MorganParra(22)
9.DimitriYachvili(31)
8.ImanolHarinordoquy(31) 7.JulienBonnaire(33)
6.ThierryDusautoir(C、 29)
5.LionelNallet(35) 4.PascalPape(31)
3.NicolasMas(31) 2.WilliamServat(33)
1.Jean-BaptistePoux(32)
16.DimitriSzarzewski 17.FabienBarcella
18.JulienPierre 19.LouisPacamoles
20.FrancoisTrinh-Duc 21.DavidMarty
22.CedricHeymans
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